カルガモ
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?カルガモ | ||||||||||||||||||||||||
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カルガモの番い (手前がオス、奥がメス) |
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種の保全状態評価[1] | ||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Anas poecilorhyncha Forster, 1781 |
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Spotbill | ||||||||||||||||||||||||
亜種 | ||||||||||||||||||||||||
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カルガモ(軽鴨、学名:Anas poecilorhyncha)は鴨の一種。
カルガモは現在日本で使用されている90円普通切手のデザインのモデルにもなっている[2]。
目次 |
[編集] 形態
体長は 60cm 前後であり、日本産のカモ類の中では大きい。また全身が茶褐色で、黒と茶の鱗状、尾に近づくほど濃い茶色になる。一見雌雄同色同柄であるが、山階鳥類研究所によれば、雄は下尾筒上部(尾羽の下)が黒く、雌では黒い羽毛に白斑が混ざり薄く見えることで判別できる。
[編集] 分布
- 東アジアに広く分布する。
- 本州以南では、平野部から山地にかけての水辺に広く分布する留鳥だが、北海道では夏鳥(一部冬季も残留するものもいる)である。市街地でも普通に観察される。
- 北方の亜種(学名:A. p. zonorhyncha, 英名:Chinese Spotbill)は渡りをし、冬季には東南アジアで越冬する。
[編集] Sibley分類体系上の位置
シブリー・アールキスト鳥類分類 |
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カモ下目 Anserides
カモ亜科 Anatinae
カモ族 Anatini
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[編集] Status
- LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1(2001))
- 注釈 → [3] ← 注釈
[編集] 生態
水面採食で、食性は植物食。主に水中の藻などを食べるが、水際に生えたイネ科植物などの実を食べることもある。
ほとんどのカモ類と同様、一夫一妻で毎年つがいを形成する。日本国内では晩春から初夏にかけて繁殖する。抱卵・育雛はメスのみが行う。メスは草地の地上に皿状の巣を作り、平均サイズ45×33mmの白色の卵を10~14個産卵する。卵は抱卵開始から26~28日で孵化し、40~60日ほどで飛行可能になる。
繁殖期前はつがいで行動するが、メスが抱卵・育雛を行っている間、オスはオスだけの群れを形成して生活する。繁殖期が終わり、メスと子のつながりが消失する10月ごろにはオスだけの群れもいったん解消され、その後オスメス合わさった大群を形成して越冬する。
[編集] 人間との関係
イネを食害するので日本では農家から非常に嫌われており、農業害鳥として頻繁に駆除される。本種は雑食性の性質が強く、植物質のエサ以外にタニシなども好んで食べ肉に臭みが出るので日本ではマガモのように賞味される機会は少ない。ちなみにフランスではジビエ料理で当たり前のように賞味されているので、マガモより味が極端に落ちるようなことはないはずである。
また日本では1980年代に東京都千代田区大手町にある三井物産のプラザ池から皇居和田倉堀へ引っ越す本種の親子をマスコミュニケーションが取り上げ、一大ブームが巻き起こったことがある。2006年時点においても同社では同池に営巣する本種を観察し、その記録を録るためのカルガモレディなる女性を雇用している。
[編集] 写真
二ヶ領用水に住む親子 |
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カルガモ(東京ディズニーランドにて) |
[編集] 注釈
- ^ BirdLife International(2004). Anas poecilorhyncha. 2006 IUCN Red List of Threatened Species. IUCN 2006. Retrieved on 11 May 2006. Database entry includes justification for why this species is of least concern
- ^ 普通切手券種一覧(日本郵政公社) - 普通切手は日本の常鳥から選択されたものが多い。
- ^ BirdLife International(2004). Anas poecilorhyncha. 2006 IUCN Red List of Threatened Species. IUCN 2006. Retrieved on 11 May 2006. Database entry includes justification for why this species is of least concern