カモノハシ目
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?カモノハシ目 | ||||||||||||||||||
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ハリモグラ Tachyglossus aculeatus |
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分類 | ||||||||||||||||||
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科 | ||||||||||||||||||
カモノハシ目(カモノハシもく)は、脊椎動物亜門 哺乳綱に属する動物の分類単位である。単孔目(たんこうもく)、単孔類(たんこうるい)、一穴目(いっけつもく)ともいう。現存するのはカモノハシ科とハリモグラ科のみで、両科を合わせてもわずか3属5種しかないが、オーストラリア区に広く分布する。
目次 |
[編集] 形態・生態の特徴
カモノハシ目(単孔目)は、現存する哺乳類としては唯一、爬虫類や鳥類のように卵を産むグループとして知られている。(大部分の鳥類と同じように)母親が卵を温めて子を孵化させ、孵化した子は(他のすべての哺乳類と同じように)母乳によって育てられる。母親は他の哺乳類のような乳首をもたず、子は母親の乳腺から染み出した乳をなめとる。
雄の後ろ足に「けづめ」がある。
[編集] 進化
このグループの動物は、爬虫類や鳥類と同様の総排出腔をもち(これが単孔目 Monotremata という名の由来である)、有胎盤類の哺乳類や鳥類の多くに比べれば不安定だが、恒温性を示す。このような特徴から、カモノハシ目は、進化史の中で、非常に早い時期(おそらく三畳紀)に他の全ての哺乳類のグループと分岐したと考えられ、現生哺乳類で最も原始的なグループとされる。そのため、このグループは、「原獣亜綱」として、亜綱のレベルで 他の哺乳類(獣亜綱)と区別されている。
[編集] 系統図
- 単弓類 (Synapsida)
- 獣弓類 (Therapsida)
- 獣歯類 (Theriodontia)
- キノドン類 (Cynodontia)
- 哺乳形類 (Mammaliaformes)
- 哺乳類 (Mammalia)
- 原獣亜綱 (Prototheria / Australosphenida)
- 単孔目(カモノハシ目、単穴類)
- 獣形類 Theriiformes
- 異獣亜綱 (Allotheria) †(†は絶滅)
- 多丘歯目 (Multituberculata) †
- 獣亜綱 (Theria・真獣亜綱) 有袋類+有胎盤類
- 異獣亜綱 (Allotheria) †(†は絶滅)
- 原獣亜綱 (Prototheria / Australosphenida)
- 哺乳類 (Mammalia)
- 哺乳形類 (Mammaliaformes)
- キノドン類 (Cynodontia)
- 獣歯類 (Theriodontia)
- 獣弓類 (Therapsida)
[編集] カモノハシとハリモグラ
現存する2科のうち、カモノハシ科に属する現生の動物は、カモノハシ(Ornithorhynchus anatinus)1種のみである。カモノハシはくちばしをもち、水中を泳ぐため前後肢が水かきになっている。タスマニアおよびオーストラリア東部に生息している。
もう一方のハリモグラ科に属する現生の動物としては、1属1種のハリモグラ(Tachyglossus aculeatus)と、1属3種のミユビハリモグラ(Zaglossus)の2グループがある。後者のミユビハリモグラ属は、従来 Z. bruijni の1種だけだったが、最近になって、さらに Z. bartoni と Z. attenboroughi が分離されて、3種となった(なお、従来 Z. bartoni は Z. bruijni のシノニムであった)。ハリモグラは背中に長いトゲが密生しており、敵に襲われたときは体を丸めて栗のイガ状になったり、土を掘って地中に沈むことで身を守る。ハリモグラはタスマニア、オーストラリアおよびニューギニア島に、ミユビハリモグラはニューギニア島のみに生息している。
[編集] ケヅメと育児嚢
カモノハシ目の動物は、オスのみが後肢のかかとの部分にケヅメをもつ。フクロネズミ目(有袋目)や一部のモグラ目(食虫目)の動物と同様、睾丸を腹腔内にもち、体外に降りた陰嚢をもたないため、性別は主にこのケヅメの有無によって判断される。このケヅメには、毒液を生産して分泌する組織があるが、ハリモグラ類の場合、導管が退化しているため、実際には機能しない。これに対して、カモノハシのオスのケヅメは、実際に敵の体に毒を打ち込むことができる。
一方、ハリモグラ類のメスは、腹の育児嚢(いくじのう)で卵を孵化させ、その中で子を育てるが、カモノハシはそのような育児嚢をもたない。
[編集] 鳥類との関係性
カモノハシが卵生であって、しかも嘴を持つことから、通俗書では時に「単孔類は鳥類とほ乳類の中間型」と説明されていることがある。これは全くの間違いであり、上記のようには虫類段階からほ乳類が進化する早い段階に分岐したものと考えられる。嘴は見かけ上の類似にすぎず、構造も異なる上、近縁のハリモグラには嘴はない。
上記のような誤解が生じたのは、見かけ上の嘴の類似もさることながら、進化は進歩であり、直線的に進むものだとの誤解がその原因のひとつであろう。四肢を持つ脊椎動物の群である両生類、は虫類、鳥類、ほ乳類をこの順番に後のものほど高等だと考え、それを直線の上に置くと鳥類からほ乳類に進むことになる。カモノハシの見かけがこれに当てはまるというわけである。