カメラのキタムラ
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カメラのキタムラは、株式会社キタムラが運営する写真用品店チェーンである。和歌山県を除く日本の全都道府県に店舗を展開しており、DPE業界においても3位の店舗数(560店、2006年3月)を誇る。
「デジカメ専門店」「デジカメプリント専門店」などを標榜しており、店頭ではデジタルカメラ、ビデオカメラの販売、フィルムの現像・焼き付け(DPE)・デジタルカメラからのプリントサービスを行っている。またインターネット経由でもデジタルカメラからのプリント注文を受け付けている。
ビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店と違い、基本的にカメラ関連商品以外は積極的に販売していない。かつて、「VICOM」や「COM」の名称でAV機器、一部家電、パソコンやその周辺機器などを専門に取り扱う店舗が存在したが、現在はその店舗はなく、それらの商品は店頭でほとんど展示していない為あまり知られていないが現在も取り寄せ対応で販売している。かつてグループ店に紳士服販売店「KIX」もあった。
近年ではインターネット販売にも進出し、地方では容易に手に入らないカメラボディ、レンズなどをも販売している。また、店頭で買い取りをした中古カメラ、レンズを専用サイトにて掲載しており、最寄りの店舗で購入することが出来る。
- 日本におけるデジタルカメラの急速な普及に伴い、2000年代前半には売上が大幅に減少する写真用品店やDPEチェーンが多かった。
- これに対しカメラのキタムラは、フルデジタル・ミニラボの全店への導入を2001年11月に完了し、デジカメプリント需要に応えられる体制をいち早く築き上げた。
- さらにデジタルカメラ販売においては、家電量販店に真っ向から価格勝負を挑んだ。
- デジカメ販売での利益は薄くなるが、得意客をつくることでデジカメプリントの受注を増やし利益はそこから確保する、という戦略である。
こうして同チェーンは、生き残りと成長を図った。
2007年3月現在、Tポイントに加盟している。利用金額100円につきTポイント1ポイントが貯まる。
[編集] キタムラグループ
種類 | 株式会社 | ||
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市場情報 |
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略称 | キタムラ | ||
本社所在地 | 〒780-0870 高知県高知市本町四丁目1番16号 |
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電話番号 | 088-822-1646 | ||
設立 | 1943年5月8日 | ||
業種 | 小売業 | ||
代表者 | 代表取締役会長兼CEO 北村正志 代表取締役社長兼COO 武川泉 |
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資本金 | 28億5,243万円 | ||
売上高 | 単体1,090億74百万円 連結1,629億68百万円 (2008年3月期) |
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総資産 | 単体620億25百万円 連結669億45百万円 (2008年3月末) |
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従業員数 | 1,100名(2007年9月末) | ||
決算期 | 3月31日 | ||
主要株主 | 株式会社キタムラホールディングス12.3% 富士フイルムホールディングス株式会社9.4% |
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主要子会社 | 株式会社カメラのきむら 100% | ||
外部リンク | kitamura.jp | ||
株式会社キタムラの登記上の本社は高知県高知市本町四丁目1番16号にあるが、本社機能そのものは1993年に神奈川県横浜市港北区新横浜に作った新横浜事務所にある。その一方で、横浜市内の「カメラのキタムラ」店舗は戸塚区の1店舗のみである。
同社は「カメラのキタムラ」のほか、こども写真館「スタジオマリオ」「トム・ソーヤー」「スタジオアミ」「こどもスタジオmax」計75店舗(2006年3月)、フランチャイジーとして「PC DEPOT」1店舗(2005年11月)の運営も行っている。 特に2004年からは、こども写真館の店舗数を急速に増やしている。
同社の子会社には、次のような企業がある(一部のみを列挙)。
- 株式会社カメラのきむら
- 写真用品店チェーン「カメラのきむら」83店舗(2006年6月)を運営するほか、フランチャイジーとしてレンタルショップ「TSUTAYA」、ビジネスコンビニ「MBE」(Mail Boxes Etc.)の店舗も持つ。キタムラの店舗網が手薄な首都圏に多くの写真用品店を持っていたことから、2006年に買収され子会社となった。
- ジャスフォート株式会社(店名:SNAPS!)
- 全国に510店舗を展開するDPEチェーン。元はイオン系列であったが2002年9月に富士フイルムグループになり、2007年4月にキタムラグループ入りした。
- 株式会社ビコムキタムラ
- レンタルショップ「TSUTAYA」19店舗(2005年4月)を運営する。かつては「BOM」の店名でレンタルショップチェーンを展開していたが、2005年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のフランチャイジーとなった(なお、キタムラ自体もティーポイントサービスでCCCと提携している)。
- 株式会社ラボネットワーク
- 複数の現像所を持ち、また写真専門店「メディアラボNEXT」を複数店舗運営する。2006年4月1日にコニカミノルタよりラボ事業、同子会社スタジオプランの子供写真事業の譲渡を受けた。
かつてはドラッグストアの株式会社ジェイドラッグもグループ会社だったが、2006年10月1日にキリン堂に売却している。売却価格は3億4900万円で、約5700万円の損失となった。本社はキタムラ本店と同じ高知市にあったが、全店舗とも香川県内にあった。
[編集] 沿革
- 1934年3月 高知県高知市堺町(現在の堺町店)に「キタムラ写真機店」として創業。
- 1943年5月 会社設立(株式会社北村商会)。
- 1970年4月 商号を株式会社キタムラに変更。
- 2001年10月 JASDAQ(店頭)上場。
- 2004年1月 前年に民事再生法を申請したカメラのドイ(2006年3月、破産手続きに移行)の一部店舗を継承。
- 2005年6月 東証二部上場。
- 2006年4月 子会社のラボネットワークが、コニカミノルタグループからラボ事業、こども写真館事業を譲受。
- 2006年6月 株式会社カメラのきむらの株式を51%取得し子会社化。
- 2006年10月 子会社・株式会社ジェイドラッグの全株式をキリン堂に売却。売却額は3億4900万円で、5700万円の売却損となった。
- 2007年3月 富士フイルム株式会社の子会社・ジャスフォート株式会社の全株式を取得して子会社化。
- 2007年4月1日 簡易株式交換により株式会社カメラのきむらを完全子会社化。