エリザベート・ド・バヴィエール
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エリザベート・ガブリエル・ヴァレリー・マリー(Élisabeth Gabriele Valérie Marie, 1876年7月25日 - 1965年11月23日)は、ベルギー国王アルベール1世の王妃、レオポルド3世の母。父はバイエルン公カール・テオドール、母はポルトガル王ミゲル1世の娘マリア・ジョゼ。
バイエルンで生まれる。オーストリア皇后エリーザベトの姪であり、彼女の名前を取って名付けられた。また、ツィタ皇后とはともに母方の従姉妹に当たる。
1900年に後のアルベール1世と結婚し、レオポルド3世、フランドル伯シャルル、マリー・ジョゼ(イタリア王ウンベルト2世妃)の2男1女をもうけた。
1940年から1944年まで、ナチス・ドイツ占領下にあったベルギーで、エリザベートは自身のドイツとのつながりと影響力を巧みに使い、ナチスに捕らわれたユダヤ系の子供たち約100人を強制収容所送りから救った。この功績を称え、戦後イスラエル政府から諸国民の中の正義の人に列せられた。また、1950年代の冷戦時代、ソヴィエト連邦、中国、ポーランドら当時の共産圏を訪問。『赤い女王』と呼ばれた。