エティエンヌ・ガイイ

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獲得メダル
ベルギー
陸上競技
オリンピック
銅	1948 ロンドン	男子 マラソン

エティエンヌ・ガイイ（Etienne Gailly、1922年11月26日- 1971年11月3日）は、ベルギーの陸上競技選手。1948年ロンドンオリンピックの銅メダリストである。

[編集] 経歴

ガイイは、第二次世界大戦中は落下傘兵であった。戦争が終わりに近づいた1944年に、故郷が荒廃している現状に心動かされ解放運動に参加する。彼は、オリンピックで金メダルを取ることを心に誓った。

ガイイは、もともとロンドンの陸上クラブで走っていたランナーであった。戦争が終わっても競技は続けていたものの、そこそこ強いといったレベルで世界のトップを脅かすといった選手ではなかった。1948年ロンドンオリンピックのマラソンに出場を決めたものの、注目を浴びる選手ではなかった。しかし、オリンピックで、ガイイはヒーローとなる。

ロンドンオリンピックのマラソンは、ロンドンとは思えないほどの高温多湿の中行われた。ガイイは、実はマラソンの距離は初挑戦であった。スタートからガイイはお構いなしにリードし、中間点では2位に30秒以上の差をつけた。2度ほど、後方からガイイに挑戦してきたランナーもあったが、ガイイのリードは保たれたままだった。このまま番狂わせがおこるかとおもわれた。しかし、高温多湿の中を走っていることでガイイの体に次第にダメージが及んできた。次第に2位との差は縮まってき始めていた。ガイイは脱水症状を過小評価していた。

そして、ついにスタジアム直前、ガイイの無謀な走りはストップすることとなった。千鳥足になったガイイにアルゼンチンのデルフォ・カブレラとイギリスのトーマス・リチャーズが迫ってきた。ガイイはスタジアムにトップで現れた。観衆はガイイに大声援を送る。しかし、ラスト1周でよれよれのガイイをついにカブレラは追い抜いていった。ガイイは転倒。その間リチャーズにも追い抜かれた。その光景に観衆は息を飲んだ。立ち上がらせたいと思った。最後のホームストレート、まるでゾンビのようなガイイは、再び転倒。しかし立ち上がって自分を引きずるようにゴール。3位銅メダル獲得に場内はスタンディングオベーションに包まれた。

ガイイは、そのまま病院に送られ、表彰式に出ることはできなかった。

ガイイは、1950年のヨーロッパ選手権のマラソンに出場。その後、朝鮮戦争に参加し負傷。そのため、その後彼の活躍する姿を見ることはできなくなった。

[編集] 関連項目

• フレデリック・ローツ
• ドランド・ピエトリ
• ガブリエラ・アンデルセン
• バンデルレイ・デリマ