エア・ベトナム
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エア・ベトナム(Air Vietnam)とは、かつて存在した南ベトナムの航空会社である。本拠地はサイゴンであった。インドシナ戦争最中の1951年から、ベトナム戦争が終結する1975年まで運航されていた。
[編集] 概略
エア・ベトナムの初期には、南ベトナム国内線を運航するため、セスナ170のような小型機を使用していたが、1975年までにはダグラスDC-3やボーイング727といった機体を国際線に使用するまでになった。
ベトナム戦争の勃発に従い、増加する旅客需要をまかなうためにバイカウントやDC-3とDC-4といった機体から、エール・フランスと パンアメリカン航空から購入したボーイング727を運航するようになった。なかにはC-46のように中華民国の中華航空からリースされ、 中国人の乗組員によって運航されていた。そのため、保有する航空機の塗装はイレギュラーなものが多かった。またシンボルマーク・デザインは黄金のドラゴンであった。
また、1970年ごろには日本にも東京・羽田空港と大阪・伊丹空港(サイゴン発大阪経由東京便)へ乗り入れていたほか、東南アジア各国の都市にも定期航空便が運航されていた。しかし、1975年のサイゴン陥落直前に可能な限り市民を海外に脱出させる飛行を行ったが、南北ベトナム統一とともに消滅した。なお、エア・ベトナムが使用していたIATA航空会社コードのVNは現在のベトナム航空が継承している。