ウェスト・サイド・ボーイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

シエラレオネ内戦

人物

チャールズ・テーラー フォディ・サンコー Hinga Norman アフマド・テジャン・カバー ジョニー・ポール・コロマ バレンタイン・ストラッサー Solomon Musa

軍隊

革命統一戦線(RUF) - シエラレオネ軍(SLA) - ウェストサイドボーイズ Kamajors - Executive Outcomes ECOMOG - Sandline International

平和への取り組み

Lomé Peace Accord - Abidjan Peace Accord UNAMSIL - SCSL

政治グループ

シエラレオネ人民党 AFRC APC

民族グループ

Mende - Temne - Limba - クリオ

See also

フリータウン - Mano River 紛争ダイヤモンド リベリア内戦

edit

ウェスト・サイド・ボーイズ(West Side Boys)とは、1990年代後半に内戦国であった西アフリカのシエラレオネに存在した民兵組織。主に少年兵からなるが、実態は武装ギャングに近いものであった。

[編集] 概要

シエラレオネ内戦においては、ジョニー・ポール・コロマの軍事革命評議会(AFRC)やアハメド・フォディ・サンコーの革命統一戦線(RUF)との関わりが強く、AFRCやRUFなどの武装組織にも加わって活動していた。メンバーには反乱に加わったシエラレオネ軍の元兵士も多数含まれており、カラシニコフ銃やRPG-7など旧ソ連製の武器を中心に武装していたが、これらの資金源は紛争ダイヤモンドによるものであった。

革命統一戦線の手法にも見られた麻薬漬けにされた少年兵も多数いたとされる。拉致された戦争孤児の少年たちにはマリファナやヘロイン、コカイン、アルコールなどを与えて酔い狂わせ、より暴力性や残虐性を備えた好戦的な兵士に仕立てていった。なかには女装やかつらなど奇妙な服装をする者もおり（女装などは現地部族のアニミズム的要素を取り入れたとされる）、反体制の歌詞内容が多いラップやレゲエの音楽を好んで戦闘前の儀式に用いるなど、幼稚な面も見られた。しかし、シエラレオネ国内のみならず隣国リベリアの内戦でも極端な破壊や拷問、殺戮を繰り返していた。

1998年にはウェスト・サイド・ボーイズの司令官デニス・ミンゴ（愛称スーパーマン）、マイク・ラミン、ジョニー・レイら主要なメンバー多数が逮捕されたが、1999年10月時点でも約1000人がジャングル内で活動していたとされる。

2000年6月、首都フリータウン郊外でシエラレオネ国軍の兵士1名とシエラレオネに駐留するイギリス陸軍の兵士11名がウェスト・サイド・ボーイズに拉致される事件が起きた。9月10日にはイギリス軍特殊部隊による人質救出作戦が実行され、この作戦の戦闘で50人以上のウェスト・サイド・ボーイズのメンバーが死亡、180名以上のメンバーが捕虜となった。

この戦闘による敗北を機に組織は壊滅したが、一部のメンバーは武装解除に応じずジャングルへと消えた。元少年兵を含む武装ゲリラの問題は、2002年の内戦終結後もシエラレオネの情勢を不安定にする一因となっている。