イースト・コースト本線

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イースト・コースト本線 (East Coast Main Line) は、イギリスの鉄道路線で、主要幹線のひとつである。通称「ECML」。日本語では「イースト・コースト・メイン・ライン」や「東海岸本線」と表記されることもある。

ロンドンのキングス・クロス駅とエディンバラのウェイバリー駅の間を結び、ロンドンとヨークシャー・ノース・イースト・イングランドおよびスコットランドを繋ぎ、グレート・ブリテン島の東側の大動脈となっている。

目次 1 概要 1.1 路線の定義および説明 1.2 主要駅一覧 1.3 詳説 2 列車運行会社 2.1 旅客列車 2.2 貨物列車 3 参照

[編集] 概要

ECMLは、ロンドンからSouth East、イースト・アングリア、ヨークシャー、北東地域を経由し、スコットランドまでを結んでいる。ロンドン北部ではロンドンへの重要な通勤路線でもある。地域間旅客輸送、通勤輸送、および地域内旅客輸送を扱い、また多量の貨物輸送を行うECMLは、イギリスの多くの地域の経済にとり重要な路線となっている。

ECMLは、電化された高速路線（electrified high-speed railway、ただし日本語に言う高速新線や高速鉄道の定義にはあたらない）である。イングランド東部地域（リンカンシャーやケンブリッジシャー）に、平坦な部分を含めて直線状に線路がひかれているため、高速走行が可能である。路線の大部分で時速125マイル（200km）の最高速度が設定されている。

イギリスではイギリス国鉄の民営化の際に、上下分離方式により実施されたため、設備の保有・維持管理会社と列車の運行会社が異なっている。 旅客列車の運行会社は多数あるが、最も主要な会社はNational Express East Coast（ナショナル・エクスプレス・イースト・コースト、NXEC）である。その他の旅客列車運行会社および貨物列車運行会社については#列車運行会社を参照。また、線路その他設備の保有・維持管理会社は、原則としてイギリス国鉄設備関連に関する現在の承継会社であるネットワーク・レールである。

なお、路線は多くの部分で幹線道路の国道A1号線と並行している。

[編集] 路線の定義および説明

ネットワーク・レールの定義では、ECMLは本線と4つの支線の5路線から構成されている。

本線

…ロンドン・キングス・クロス駅～エディンバラ・ウェイバリー駅間

　（スティブネイジ、ピーターバラ、Grantham、Retford、ドンカスター、ヨーク、ダーリントン、ダラム、ニューカッスル・アポン・タイン、Berwick-upon-Tweedおよびダンバー経由）

支線

…ドンカスター～リーズ間

　（Wakefield Westgate経由）

支線（ノース・べウィック線）

…ノース・ベウィック～Drem（エディンバラとダンバー間の駅）間　

支線（ノーザン・シティ線）

…ロンドン・ムーアゲート駅～フィンスベリー・パーク駅間

支線（ハートフォード・ループ線）

…Alexandra Palace～スティブネイジ駅間

ネットワーク・レールの路線定義と異なり、しばしばエディンバラを越えて（Kirkcaldy、ダンディー およびArbroathを経由して）ほとんどが東海岸を走っているアバディーンまで含まれると認識されることがある。

なお、エディンバラの北側の路線には、フォース湾を渡る世界的に有名な赤いカンチレバー橋のフォース鉄道橋、およびダンディーにありカーブした構造テイ橋がある。

また、エディンバラ～グラスゴー・セントラル駅まで（CarstairsおよびMotherwell経由）の路線は公式にはウエスト・コースト本線（West Coast Main Line、WCML）の一部であるが、これもしばしばECMLの一部と思われることがある。キングス・クロス駅～エディンバラ・ウェイバリー駅の区間から、多くのNational Express East Coast列車がエディンバラを越えてこの路線を使用するからである。

[編集] 主要駅一覧

都市	駅		支線の分岐
エディンバラ	エディンバラ・ウェイバリー駅		エディンバラの東、Dremの先でノース・ベウィック線が北方向に分岐
Berwick-upon-Tweed	Berwick-upon-Tweed駅
ニューカッスル・ アポン・タイン	ニューカッスル・セントラル駅
ダラム	ダラム駅
ダーリントン	ダーリントン駅
ヨーク	ヨーク駅
ドンカスター	ドンカスター駅		北方向へリーズへの支線が分岐
Retford	Retford駅
Grantham	Grantham駅
ピーターバラ	ピーターバラ駅
Stevenage	Stevenage駅		南方向にハートフォード・ループ線が分岐
ロンドン	アレキサンドラ・パレス駅		北方向にハートフォード・ループ線が分岐
	フィンスベリー・パーク駅		南方向にノーザン・シティ線が分岐
	キングス・クロス駅

[編集] 詳説

ECMLはイギリスで最速の鉄道路線のひとつであり、路線の大部分が時速125マイル（200km）の運行を設定されている。

現在のイギリスの法律は、時速125マイルを超えるスピードには（線路脇ではなく）運転席内に信号の表示を必要とする。またクラス91電車を使用するインターシティ225の通常運行時には、設計速度である時速140マイルでの運行を防止するよう定めている。

現在の運転席に関する規制が入る以前にイギリス国鉄（ブリティッシュ・レール）は、時速140マイル走行の実験とともに、New England North～Stoke Tunnel間の線路において5番目の「flashing green」（緑明滅）信号表示（の見た目）を実験した。これはいまだ通常の列車運行でも確認でき、この5番目の表示は、次の信号が緑表示もしくは緑明滅表示でかつ閉塞区間に列車がいない (the signal section is clear) 際に表示される。これは、時速140マイルから停止するまでの十分な制動（ブレーキ）距離を確実にする^[1]。 機関車は試運転において時速160マイルのスピードでECMLを走行した。

ECMLはイングランド東部地域平坦な部分を含めた直線状に線路がひかれているため、比較的高速走行が可能である。対照的にウエスト・コースト本線は、トレント川およびカンブリア州を横断せねばならないためより多くのカーブがあり、より低い時速110マイル（約175km）の速度制限が一般的である。WCMLでは、近年振り子式電車ペンドリーノの導入が取り組まれており、ECMLで可能な時速125マイルに合わせるため改良される。

[編集] 列車運行会社

[編集] 旅客列車

この路線の現在の主要な列車運行会社はNational Express East Coast（ナショナル・エクスプレス・イースト・コースト、NXEC）であり、キングス・クロス駅からエディンバラまでの定期列車を含めて運行している^[2]。他の旅客列車の運行会社は以下の通り。

• ファースト・キャピタル・コネクト

  …キングス・クロス駅～ピーターバラ・ケンブリッジおよびKing's Lynn間

  …ムーアゲート駅～Stevenage間（Welwyn Garden Cityまたはハートフォード・ループ線経由）。

• ハル・トレインズ (Hull Trains)

  …キングス・クロス駅～ドンカスター駅間（キングストン・アポン・ハルへ直通）

• イースト・ミッドランズ・トレインズ
  • イースト・ミッドランズ・コネクト

    …Grantham～Peterborough間

    …リヴァプール・ライム・ストリート駅～ノリッチ駅間の列車の一部

  • イースト・ミッドランズ・メインライン

    …ドンカスター～リーズ間、および延長してシェフィールド・レスター駅・ロンドン・セント・パンクラス駅への運行。

    …不定期列車 (Occasional services) がドンカスター～ヨーク間を走行。

• クロスカントリー*: シェフィールドの北のクロスカントリー列車はリーズもしくはドンカスターを経由する。リーズ経由の列車はWakefield Westgateとリーズの間のECMLを使用し、それからヨークの北で再びECMLを使用する。ドンカスター経由の列車はドンカスターの北でECMLを使用する。運行はエディンバラまでおよびその先へと走る。

  不定期列車がドンカスターからリーズまでヨークのECML再合流地点の前まで走る。

• First TransPennine Express

  …ヨーク～ニューカッスル間

  …ヨーク～Northallerton間（Yarm経由でMiddlesbroughへ、ECMLから分岐）

• Northern Rail

  …ドンカスター～リーズ間

  …Chathill～ニューカッスル（Morpeth railway station経由）の近郊列車*:ごく稀にニューカッスル～ダーリントンの運行（Middlesbrough・Saltburnへの直通）

• ファースト・スコットレール

  …エディンバラ～North Berwick間で運行

• グランド・セントラル

  …キングス・クロス～サンダーランド間の特急列車（インターシティ）、Northallertonで本線から分岐する。

ユーロスター（の運行会社）はかつて、欧州大陸からロンドン北部の都市へのリージョナル・ユーロスター計画の一部としての運行のために、ECMLに1日あたり5本の列車を走らせる権利を保有した。しかし、その運行は実現しなかった^[3]。

[編集] 貨物列車

また、English Welsh & Scottish Railway Ltd (EWS)、FirstGBRf、Freightliner Ltd、Freightliner Heavy Haul LtdおよびDirect Rail Services Ltd (DRS)は貨物列車を運行する。

[編集] 参照