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アルセイルの氷砦 - Wikipedia

アルセイルの氷砦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アルセイルの氷砦』(あるせいるのひょうさい)はテーブルトークRPG(TRPG)『セブン=フォートレス』のリプレイ作品。リプレイの執筆はゲームマスター(GM)でもある菊池たけしが担当している。イラストは連載時は鈴木猛(他数名)が、単行本化したバージョンでは四季童子が担当。連載では『完結編4:「精霊門をぬけて」』で、佐々野悟がゲストイラストレーターとして明記されている。又最終回が連載された21号では弘司が主人公達四人を雑誌の表紙として書いている。

RPGマガジン』14号(1991年7月号)~21号(1992年2月号)に連載され、後にゲーム・フィールド富士見書房から単行本としてまとめられた。

『セブン=フォートレス』のリプレイとしては最も初期に発表されたものであり、ゲームシステム『セブン=フォートレス』の発売よりもはるかに前に発表されている。より正確な経緯を述べるならば、このリプレイがRPGマガジン誌上で人気を博したためにリプレイで使われていた菊池たけしの自作システムを商業製品として発売される企画が動き出したのである。

後に「砦シリーズ」と呼ばれることになるリプレイシリーズの第一弾でもある。

目次

[編集] 概要


注意以降の記述でアルセイルの氷砦に関する核心部分が明かされています。


リプレイ『アルセイルの氷砦』は元々は『セブン=フォートレス』というゲームのリプレイとしてでなく、RPGマガジンに連載されていたワープスのリプレイシリーズ「SLGマガジンシリーズ」[1]の番外編として連載された。SLGマガジンシリーズはあくまで現代日本を舞台にしたシリーズなのだが、そのキャラクターがもしもファンタジー世界にいたならばという仮定で始められたのが『アルセイルの氷砦』なのである。

この時、菊池たけしはリプレイのゲームシステムに今まで使っていたワープスではなく、自作のオリジナルシステムを使用した。ワールドについては高校時代からあたためていた創作神話を元にしていた(主八界#多元宇宙の成り立ちの節を参照)。このシステムと創作神話の背景が後の『セブン=フォートレス』の原型となる。

このオリジナルシステムはリプレイ連載中にはゲームシステムの紹介記事は全く書かれず、リプレイ自身も、リプレイを読んでいくうちにゲームシステムが理解できるような書き方にはなっていなかった。読者にとっては「ルールが全くわからないゲームのリプレイ、しかも商品化の予定がないためどんなゲームシステムが調べようもない」という前代未聞のリプレイだったのである。しかし、『アルセイルの氷砦』はあくまで「SLGマガジンシリーズの人気キャラクターたちが出演するリプレイ」という売り文句で始められたためにゲームシステムの不明瞭さにも関わらずリプレイは高い人気を博すことになった。

「SLGマガジンシリーズ」がもともとコメディタッチの強いノリのリプレイだったため、連載初期はおなじみのキャラクターがファンタジー世界で騒動を起こす、というユーモアファンタジーの雰囲気が強かったが、話が進むにつれて展開はどんどんシリアスになっていき、最後は世界の存続をゆるがすような大戦争へと発展していった。PCたちは元ネタである「SLGマガジンシリーズ」のキャラクター設定からは考えられないような、世界を救う英雄/勇者として成長していき、最終回近くでは派手な魔法や剣技のぶつかりあいによる壮絶なバトルを見せることになる。この『アルセイルの氷砦』以降、菊池たけしは「世界崩壊の危機を演出するリプレイ作家」としての評判を得ることになる。リプレイの連載後期になるとこの派手なバトルの展開を支えているゲームシステムについての興味も高まっていき、連載の最終回になって初めて『SEVEN=FORTRESS Ver2.11』の名前でリプレイに使用されたゲームシステムが8ページで紹介された。これがユーザーに対してもっとも最初に公開された『セブン=フォートレス』のバージョンである。

なお、『アルセイルの氷砦』は最終回までの間で何度もルール改訂が行われながら進んでいるため、ゲームで実際に『SEVEN=FORTRESS Ver.2.11』のルールが使われてるわけではないことも注意されたい。また、連載中に参加プレイヤーや読者から「キャラクターにこんなアイテムを持たせたい」「こんな魔法を使わせたい」といった要望を積極的に募集し、その要望をゲームシステムに無節操に盛り込んでいったために、ほぼ毎話、ゲームのルールやデータが前回と変更されるような状況であった。『SEVEN=FORTRESS Ver.2.11』は最終回プレイで使われた『SEVEN=FORTRESS Ver.1.26』をさらに調整したバージョンであり、いわば『アルセイルの氷砦』というリプレイは一個のゲームシステムを完成させるためのテストプレイ的な位置を持つリプレイなのである。この態度は後の『セブン=フォートレス』の砦シリーズのリプレイにも継承されており、『ラ・アルメイアの幻砦』を除けばどれも、発売前のゲームシステムのテストプレイとして行われている側面を持つ。裏を返せば砦シリーズのリプレイの結果が『セブン=フォートレス』というゲームシステムのあり方に大きく影響していると言え、『セブン=フォートレス』は砦シリーズのリプレイのようなストーリーを誰でも再現できるようにというコンセプトでバージョンを発展させていったTRPGなのである。菊池たけし自身は「『セブン=フォートレス』は砦シリーズのリプレイとあわせてひとつのゲームシステムである」という趣旨を述べている。[2]

時事ネタが多いのも『アルセイルの氷砦』の特徴である。これは元々の「SLGマガジンシリーズ」から継承しているノリであり(リアルタイムのの現代を舞台にしている「SLGマガジンシリーズ」では時事ネタは自然な流れである)、そのためもあってコメディタッチの強かった序盤の物語ではファンタジーにも関わらず現代社会でしか通用しないようなギャグが連発する。このことについてはそれまである意味で「お堅いファンタジー」が正道とされがちだったTRPG界では革新的なものとして読者に移り、人気の原動力となっている。

ゲームマスターである菊池たけしのマスタリングの面については、非常に行き当たりばったりでアドリブが目立つリプレイになっている。この点についてはゲームマスターの凡ミスやプレイヤーの突拍子もない行動などさまざまな要因があるのだが、とにかく想定外のことが頻発するリプレイであった。そのせいもあって物語をまとめるためにゲーム完結までのプレイ回数がどんどん伸びていき、全三回の予定だった連載は全8回まで延長した。[3] なお、偶然なのか狙っているのかは不明だが、この後の「砦シリーズ」のリプレイの多くもゲームマスターの想定外のことが頻発するリプレイになっている。 ただし、『アルセイル』の最終回に関しては、カニのプレイヤー氏の弁では「最終回は実際にはプレイしていません」との話もある。[4]

リプレイ最終回では『RPGマガジン』21号の特集は『アルセイルの氷砦』であり、リプレイ以外に『アルセイルの氷砦』関係のさまざまな企画記事が掲載された。ルール掲載もその一環である。まだ商品化も決まっていないゲームのリプレイのために雑誌が特集まで行うのは当時としては類を見ないことであり、それだけ『アルセイルの氷砦』が『RPGマガジン』のキラーコンテンツになっていたことが伺える。このときの反響が大きかったこともあってか、セブン=フォートレスの商品化プロジェクトが動き出し、『アルセイルの氷砦』から数ヶ月の後に商品版セブン=フォートレスの紹介という形で『フォーチューンの海砦』の連載が始まる。このときはすでに「SLGマガジンシリーズ」でなく、セブン=フォートレスシリーズと銘打たれてリプレイが連載された。

各章タイトルの後に、「ラグシア城崩壊 [BGM:INAZUMA KICK]」の様に、BGMが記されるのも一つの特徴である。

[編集] あらすじ

フォーラ地方を旅する冒険者、ミドリ、サライ、キタロー、マドカの4人は、依頼を受けて街を荒らす強盗団の退治に乗り出すことになる。強盗団にさらわれた中には街の市民だけでなくラグシア王国の皇女・サーディもいた。強盗団を壊滅させたことから王城に賓客として招待された一行は、ラグシア王国を、いや、この世界そのものをゆるがす「闇の宗教」の陰謀に巻き込まれることになる。

[編集] 登場人物・用語

[編集] プレイヤーキャラクター

プレイヤーによって操作するキャラクター。PC
声のイメージは最終回のスタッフロールに「CHARACTER'S VOICE(TADASHI STAFF NO KIBOU)」と書かれたものを記述。

ミドリ
キャラクタークラス : 勇者
属性 : <森>
解説 : フォーラ地方に住む農家の息子。15歳の少年。母親が謎のペンダントを形見に残して亡くなったことから、そのペンダントの謎を解くべく冒険の旅に出た。正確は無邪気で天真爛漫。少年愛嗜好を持ち美少年を見ると襲い掛かるという性癖がある。リプレイ中ではラグシア王国の王子であるマリウスにアタックをかけていた。
「勇者」のクラスを持つが臆病でへたれなためいつもどこか逃げ腰な部分がある。
連載時にイラストを担当した鈴木猛はミドリを2.5頭身というかなりデフォルメした形態で書いたため、少年というよりもはやホビットのような異種族のような風体を持つ。また、イラスト化の際、やたらぷにぷにした肉感で描かれたことより、「ももじり勇者」の称号がつけられた。
「SLGマガジンシリーズ」での役柄は「大牧場緑(おおまきば・みどり)」。SLGマガジンの編集部員でPCである。
声のイメージは増田裕生
ミリドと雑誌連載で誤植された事が、次回のキャラクター紹介のネタにされた。
ミドリが持つペンダントはこの世界の魔法「属性魔法」を支える七つの宝珠の一つ。「森の宝珠」である。ミドリは森の宝珠の後継者として、「闇の宗教」に狙われる。最後はアムダラムにのっとられたマリウスとともに自らを氷の中に封印した。
サライ
キャラクタークラス : 神官
属性 : <空>
解説 : 「闇の宗教」と戦うために冒険に出た神官の少女。17歳。4歳の頃に「闇の宗教」のいけにえにされそうになったとき、「闇の宗教」の神官の一人であったキタローが組織を裏切り彼女を助け出し、養育した。[5]
性格は非常に攻撃的。また金にがめつい。しかし正義感は強く、悪を倒すための犠牲や労力は惜しまない。性格もあいまって神官ではあるが攻撃魔法を好んで使う。[6]
外見が『ふしぎの海のナディア』のヒロイン・ナディアにそっくりだが、これは当時、サライ役のプレイヤーが同アニメに傾倒していたからである。
「SLGマガジンシリーズ」での役柄は「木更津沙羅夷(きさらづ・さらい)」。SLGマガジンの編集部員でPCである。なお、「SLGマガジンシリーズ」では外見がそこまでナディアにそっくりではなかった。プレイヤーは『超女王様伝説 セント★プリンセス』での編集担当。
声のイメージは水谷優子
サライは「空の宝珠」の後継者であり、それゆえに「闇の宗教」によって《精霊獣召喚》の儀式の生贄にされそうになっていた。死亡者や行方不明者が多いこのリプレイの中で、エンディングまで登場できた唯一のPC。
キタロー
キャラクタークラス : 魔導師
属性 : <闇>
解説 : 「闇の宗教」の元メンバーである魔術師の男性。特殊な生命維持装置「カニアーマー」を背負っておりそれにより250年を生き長らえている(外見年齢は中年程度)。13年前に組織を裏切り、いけにえにされそうになっていたサライを救出して養育した人物でもある。カニアーマーはその名の通りカニのような多脚の触手が背中についている鎧であり、キタローはそれを脱ぐと死ぬという設定になっている。
悪の組織の裏切り者の改造人間といったノリであり、カニアーマーを背負った姿があまりにまがまがしいため、キャンペーン中では悪人と間違われることも多かった(ただし本人は朴訥とした性格)。第5話ではアムダラムの罠によりマリウス王子襲撃犯の濡れ衣を着せられ、ラグシア王国およびサライとマドカから追われる身になってしまう。それを受けて第6話では廃墟に立てこもり、キタローが仕掛けたトラップをPCたちがかいくぐっていくという、一風変わったダンジョンアドベンチャーによるプレイヤー対決が行われている。
「SLGマガジンシリーズ」での役柄は「日暮きたろう(ひぐらし・きたろう)」。SLGマガジンの編集部員でPCである。ワープスにおいては記憶力と判断力が際立って低いキャラで、どこか抜けているキャラクターを演じていた。プレイヤーは「SLGマガジンジリーズ」から『アルセイルの氷砦』まで鈴木猛が担当している(作中担当プレイヤーは「鈴木(仮名)」と表記されている)。
第一回のキャラクター紹介では「カニアーマー」では無く「クラブアーマー」を所持していると書かれている。
声のイメージは銀河万丈
最終決戦で自らの生命を削って必殺技「メガ・イブセマスジー」を放ち死亡する。


マドカ
キャラクタークラス : 軽戦士
属性 : <幻>
解説 : 「闇の宗教」に誘拐された妹を探して冒険を続ける軽戦士の少女。19歳。
戦士は寡黙な方がかっこいいというプレイヤーの趣味で、無口系のクールビューティーな女戦士というロールプレイが一環して行われた。リプレイではキャラクターとしての台詞が際立って少ない。しかし、それがかえってマドカというキャラクターの特性を強く印象づけることになった。なお、プレイヤーとしての発言は多い方で、ゲーム中のパーティーの行動に対する提案などは積極的に行っており、いわゆる「地蔵プレイ」ではない。なお、マドカのプレイヤーは後のリプレイでも無口系少女を好んでプレイしている。
「SLGマガジンシリーズ」での役柄は「藤村まどか(ふじむら・まどか)」。SLGマガジンの編集部員でPCである。なお、「SLGマガジンシリーズ」では特に無口というキャラではなかった。
声のイメージは冬馬由美
最終決戦時、精霊界からの脱出に失敗し行方不明になる。次作『フォーチューンの海砦』では再登場した
ワミ=オーマキバ
キャラクタークラス : 魔導師
解説 : 第6話開始時点でミドリが傷を回復するために結界の中で眠りについていて動けなかったために、ミドリのプレイヤーは代役PCを立てることになった。それが女魔術師のワミである。前述のキタローダンジョンを踏破する際にPCとして使われた。
いわゆる女王様系のファッションに身をつつみ、「おーほほほほほほ!」の高笑いとともに鞭と氷魔法で敵を殲滅する。瑣末なことは下僕のパシウスとパシフィックに任せて自分は破壊活動しか行わない。キャンペーンの後半ではNPCとしても登場している。
元ネタは『RPGマガジン』17号に掲載された『クトゥルフの呼び声』のリプレイにてミドリのプレイヤーが使ったPC「大牧場羽美(おおまきば・わみ)」。なお、これは「SLGマガジンシリーズ」ではない。
声のイメージは玉川紗己子
カニ
キタローの背負っているカニアーマーのこと。本来はPCどころかNPCでさえないのだが、2話の時点で菊池の知人が「プレイに参加したい」と要望したため、キタローが背負うカニアーマーの役割を与えたことで二話のみPCとして登場している。しかし実際にはカニにはデータも人格も与えられず、カニなので台詞もしゃべれないため、プレイヤーとしての発言(突っ込みや提案)しか行っていない。
しかし、カニ光線(後述)はカニの提案によって誕生していることから、カニは台詞もなくデータもなくても『セブン=フォートレス』の歴史を語る上では忘れてはならないPCの一人であるといえよう。なお、カニのプレイヤーである「菊池の知人」は『フォーチューンの海砦』のゴローのプレイヤーである。
声のイメージは山本正之

[編集] ノンプレイヤーキャラクター

GMが操作するキャラクター。NPC

サーディ
ラグシアの王女。王族らしく清楚な外見と性格をしているがその実態はかなりのおてんばらしい。国王の崩御に際して年若いながらも女王として王位を継ぐことになっており、それまでの猶予期間に最後のわがままでお忍びで旅行をしていたところを、強盗団に浚われてしまう。PCたちに救われ、PC一行を賓客として王城に滞在させた。今作のヒロインである。
「SLGマガジンシリーズ」では第二話「ラグネシアの遺跡」で南国の少女・サーディとしてNPCで登場。弟のマリウスとはテレパシーで心を通じ合える特殊な力をもっていた。
声のイメージは日高のり子
マリウス
ラグシアの王子。少年というよりまだ子供で年齢は10~12歳くらい(正確な年齢は不明)。姉(サーディ)思いで優しい性格をしている。
「SLGマガジンシリーズ」では第二話「ラグネシアの遺跡」で南国の少年・マリウスとしてNPCで登場。姉のサーディとはテレパシーで心を通じ合える特殊な力をもっていた。
声のイメージはまるたまり
マリウスは最終的にはアムダラムに身体を則られてPCたちの敵に回ることになる
カザマ
ラグシアの王宮魔術師。当作ではあまり目立った活躍はしないが、年代を超えた後の製品化された『セブン=フォートレス』のルールブックでは、プレイヤーキャラクターを支援する公式NPCとしてユーザーに解放されている。
「SLGマガジンシリーズ」では第一話「惨劇への招待状」で風間という名前の刑事(犯人)としてNPCで登場。
声のイメージは池田秀一
サブロ
ラグシアの国王代理。サーディが女王と戴冠をすませるまでの間、国政をとりしきっている。あまりやる気がない人物。モデルは当時掲載誌の編集長であったM編集長と思われる。
「SLGマガジンシリーズ」では第一話「惨劇への招待状」で村山三郎という名前で殺人事件の被害者としてNPCで登場。
声のイメージは村川忍
珠代さん
ラグシア王宮の小間使い。「珠代さん」という名前以外何も設定されていおらず台詞も何もないエキストラだが、ゲーム・フィールド版の単行本『アルセイルの氷砦』の付録ではなぜかエネミー(敵)としてデータが掲載されている。
「SLGマガジンシリーズ」では第一話「惨劇への招待状」でお手伝いさんBという名前でNPCとして登場。珠代さんという名前は登場人物欄にしかかかれてない裏設定。また、なぜか爆裂消球を使えるため、「爆裂消球の珠代さん」という異名を持つがこれも裏設定であり「SLGマガジンシリーズ」本編では一切そのような描写はなかった。
つまり、エネミーデータが掲載されていることまで含めた完全な楽屋オチのネタである。あまりの内輪ネタっぷりに文庫版では存在が抹消されている。
謎の鉄仮面
マリウスやサーディを狙ってたびたび襲撃をかける、鉄仮面とローブの怪人。序盤のボスともいえる存在である。
その正体は王宮魔術師のカザマである。カザマは『アルセイルの氷砦』のキャンペーン前半ではアムダラムに操られており、鉄仮面の怪人として活動していた。後にアムダラムは宿主をマリウスに変えたためにカザマは解放される。
アムダラム
「闇の宗教」に属していた魔術師でキタローの師匠にあたる。性格は残忍かつ非情。GMの菊池たけし曰く「同情の余地の全くない悪役」。13年前に精霊獣を呼び出し地上に破壊をもたらそうとしたが、その儀式の失敗で死亡した。
死亡したかと思われたが、精神寄生体として生き長らえていた。『アルセイルの氷砦』のキャンペーン中では最初にカザマを操り、後にマリウスに乗り移った。寄生したものが殺されると、その殺した相手に寄生しなおすという能力をもっており、ある意味で不死身である。ミドリは彼を倒すために自らをマリウスとともに氷の中に永久に封じた。
アヤセ
幼い頃に「闇の宗教」に浚われたマドカの妹。元はプリーストだったが、キャンペーン中では刺客としてPCたちの前に立ちふさがる。
声のイメージは富沢美智恵
リ・ラスィ・シェフィールド
常人よりもはるかに長き時を生きる不老の大賢者。プラチナブロンドの長髪の美青年で、語頭に「フ…」をつけるキザで傲慢な性格。
菊池たけしが学生時代から構想していた創作神話の中の登場人物で、『アルセイルの氷砦』本編の物語にはほとんど関わりのない人物。PCたちに「宝珠」の秘密を教えるために第4話に登場した。第4話ではラスィが一種のデウス・エクス・マキナの役割としてプレイヤーが知りえない情報を公開し、それまで伏線の多くを回収しているが、これはこのリプレイが設定をその場で作りながら進めていったために、ストーリー背景をプレイヤーたちの自発的な推理から導くことが困難であったことに起因する(事実、このリプレイにとってかなり重要な「ミドリのペンダント」に関する真相はこのラスィによって唐突に明かされる)
ラスィは『セブン=フォートレス』が製品化されてからは、プレイヤーキャラクターに助言を与える公式NPCとしてユーザーに解放された。後のいくつかもリプレイでもラスィは助言役としてリプレイのPCを導いている。

「せぶん=ふぉーとれす基礎講座」にも教官役として登場。尚「せぶん=ふぉーとれす基礎講座」はトップをねらえ!のパロディである。

声のイメージは鈴置洋孝

[編集] その他の登場人物・用語など

ばる子
『中編「とらわれのサーディ」』以降、一ページ目には「さいしょに」として挨拶と前回までのあらすじが書かれているが、この部分で出てくる奇妙な生き物。モデルはちびまる子ちゃんのさくらももこと思われる。
「せぶん=ふぉーとれす基礎講座」にも登場。
闇の宗教
世界の破壊と混乱を目論む邪教集団。『アルセイルの氷砦』において全編を通じた悪役。
精霊獣
精霊界の奥深くの階層に住む怪獣のような生物。異常に強力な力をもっており、ひとたび召喚されればもっとも弱い固体でも地上の都市を一瞬で壊滅する。強力な固体ならば文明そのものを灰燼と化すことが可能。イメージの元ネタは『トップをねらえ!』の宇宙怪獣とも思われる(特にギドドンガスの影響が強いと思われる)。「闇の宗教」の目的はこの精霊獣を召喚する儀式を成功させ、それを使って地上を我が物にすることである。
七宝珠
この世界に存在する「属性魔法」を支える七つの宝珠のこと。魔法の7種の属性ごとに七種の宝珠が存在する。『アルセイルの氷砦』では「森の宝珠」、「炎の宝珠」、「空の宝珠」、「氷の宝珠」の4つが登場する。
この世界では魔法は元々は術者が神々に対して直接嘆願して使うものであったため、高度な詠唱技術が必要であった。それを誰でも使えるために古代の魔術師が生み出したのがこの七宝珠である。世界中のどこかで誰かが魔法を使おうとするときにこの宝珠が術者の意思を汲み取り(術者がどこにいようとも宝珠は世界中の術者を感知できる)、術者に代わって宝珠が術者の意思を神々に伝えることで魔法が術者に与えられる。宝珠はいわば術者と神々との間を経由するプロトコルとして機能するアイテムであり、この宝珠の存在によりこの世界の「属性魔法」は魔法に詠唱や準備動作が一切不要である。
宝珠がなくなるとこの世界から属性魔法が失われるため、宝珠の属性ごとに「宝珠の後継者」と言われる人物が定期的に生まれ、宝珠を護る運命が担われる。後継者たちは宝珠を護るために宝珠から莫大な魔力を直接ひきだすことができる能力を持つ。
アルセイルの氷砦
このリプレイのタイトルにもなっている古代の砦。全世界に七つの砦があるがこの砦が何のためにつくられたかは『アルセイルの氷砦』では明かされない。七つの砦は魔力を増幅できる場所として知られており、リプレイでは闇の宗教が精霊獣召還の儀式を七砦の一つである「アルセイルの氷砦」で行った。
イブセマスジー
第二話でキタローが考え出した必殺技。カニアーマーの触手から無数のビームが全方位に発射される無差別殺戮魔法。カニのプレイヤーが魔法の名前に「カニ光線」を提案したところ、GMの菊池が「蟹工船」と読み違えたことから魔法名が「イブセマスジー」となった。なお、「蟹工船」の作者は小林多喜二であり井伏鱒二ではないのだが、「コバヤシタキジー」だと語呂が悪いため同時代の文学者の井伏鱒二に白羽の矢が立てられた。
カニアーマー
キタローがつけている生命維持装置兼攻撃兵器。その威力は強力で『アルイセイルの氷砦』リプレイ中には量産型カニアーマー部隊も敵側に登場している。キタローのプレイヤーである鈴木猛がカニが苦手だったことから菊池たけしの記事では楽屋オチ的にカニのネタが昔から使われており、カニアーマーもそのネタの延長で生まれたものである。
上記のイブセマスジーのインパクトも加わって、『アルイセイルの氷砦』以降もカニアーマーは何度も登場した。後になって実は古代文明の兵器だったという設定が加わり、製品化された『セブン=フォートレス』および『ナイトウィザード』でも継承され強力な古代兵器としてデータ化されている。また、『セブン=フォートレス』のシリーズが続くうちに、カニアーマー以外にもイカアーマー、カイアーマー、エビアーマー、ミノムシアーマー、和田アキ子アーマーなど様々な古代兵器が登場した。[7]

[編集] 脚注

  1. ^ SLGマガジンという編集部のメンバーたちが様々な事件に巻き込まれる現代ドラマシリーズ。RPGマガジンの2号に第一話(ミステリ編「惨劇への招待状」)が、第5~6号に第二話(南洋冒険編「ラグネシアの遺跡」)が掲載された。『アルセイルの氷砦』は「SLGマガジンシリーズ」番外編にして「SLGマガジンシリーズ」第三話(ファンタジー編)という位置づけになる。なおSLGとはシミュレーションゲームの略ではないらしい。しかしその真実は謎につつまれている。(リプレイ内では「サイケデリックなライト感覚のゴジラ」の略という説が有力視されていた)
  2. ^ 『ラ・アルメイアの幻砦』はシステムのテストプレイの側面こそないが、このリプレイの結果が後の世界観に大きな変化を与えており、2008年にはゲームシステム自体もその世界観の変化に合わせて改訂される予定なため、バージョンの発展に強い影響力を与えていること自体は他の砦シリーズのリプレイと変わらない
  3. ^ 全三回の予定だったことから連載時の各話のタイトルに「前編、中篇、後編」とつけていたた4話目以降は「完結編1」「完結編2」…といったタイトルで続けている。これは『エイリアン魔神国』のパロディでもある
  4. ^ TRPG関連の個人ブログにて「フォーチューンの海砦」黒歴史事件が語られた折に、カニのプレイヤー氏がその旨を投稿している。
  5. ^ これらの設定はリプレイの第一話でサライのプレイヤーによって出されたもので、闇の宗教という組織はゲーム開始時にはGMの菊池たけしの構想にはなかった。最終的にはこの「闇の宗教」は『アルセイルの氷砦』の重要な敵勢力として活躍し、それ以後のリプレイでも強い存在感をもって出てくる組織となった
  6. ^ 連載当時は魔法の習得に関して細かいルールがまだなく、「好きな魔法を自由に習得していい。また、使いたい魔法のイメージがあればデータ化するので希望を述べて欲しい」という宣言がGMの菊池たけしによってなされた。その結果、サライはやたら攻撃的な魔法を大量に取得することになり、それまでのファンタジーRPGの常識であった「神官=回復魔法の使い手」という感覚からはかけ離れたPCになった。現在の『セブン=フォートレス』において《空》属性に攻撃魔法が多いのは、サライが《空》属性だったことに起因する
  7. ^ ただし和田アキ子アーマーはテストプレイ時のみの存在で製品版には省かれている

[編集] 予告マンガ

『アルセイルの氷砦』では連載時に毎話、次回予告マンガが掲載された。しかしその予告マンガは締め切りの問題から、ゲームプレイが行われる前に「シナリオの予定」として描かれることが多く、実際に次の回に載ったリプレイの内容が(プレイヤーの行動やGMのアドリブの結果により)マンガと大きくかけ離れていることが多かった。しかしそれは逆にファンには一種のギャグネタとして受け入れられ、次回予告マンガは菊池たけしのリプレイの定番としてそれ以降の『セブン=フォートレス』の連載リプレイでも使われるようになった。『ナイトウィザード』、『アルシャード』などの別のゲームの連載リプレイでも菊池たけしがGMの際には予告マンガが使われている。

なお、砦シリーズでは第4作の『フォーラの森砦』まではマンガと実際の内容が食い違うことは多かったが、それ以降のリプレイではゲームプレイのスケジュール管理が徹底されたためか、マンガはあくまでゲームプレイの結果に基づくようになっている。[1]

予告マンガが正常化した後、『セブン=フォートレス Advanced』のサプリメント『セブン=フォートレスEX』にてこの「実際のプレイが行われる前に次回予告を行うことで内容が予告と食い違う」というネタを再現するルールが掲載された。それが「今回予告」である。これはセッション前に今回のシナリオの内容のおおまかなあらすじをネタバレにならない程度で紹介し、最後に「なお、シナリオの内容は予告なく変更される場合があることをご了承ください」と言って締めるというものである。これは当時はリプレイの予告マンガのノリを再現したギャグネタの位置として捕らえられることが多かったが、この今回予告がゲームプレイを円滑に行うためのギミックとして機能することが注目され、多くのファーイースト・アミューズメント・リサーチ社のゲームにおいて今回予告が採用されていった。現在では多くのゲームで(セブン=フォートレスEXにあったような)ギャグネタ的な部分が完全にカットされた形で、一つの優れたセッション支援ギミックとして今回予告が使用されている。ゲームによっては「セッショントレーラー」、「アクトトレーラー」などとも名付けられる。

^  『森砦』以後のリプレイである『フレイスの炎砦』や『ラ・アルメイアの幻砦』の開始前予告では、柊蓮司の登場が一切触れられてなかったり(炎砦)、シェルジュが実際とは正反対の性格の「やたらかっこいい勇者」として描かれたり空導王が悪役っぽく描かれたりしているが(幻砦)、これはあえてネタとしてわざとウソ予告をやっていると思われる。連載開始後はこのような本編と食い違っている予告が掲載されることはなかった。

[編集] 落陽王の遺産

『アルセイルの氷砦 Advanved』に付録として掲載された特殊なシナリオ。

リプレイ『アルセイルの氷砦』の後日談として、リプレイから100年近くたち崩壊したラグシア城(ラグシア遺跡)の地下ダンジョンを探索するシナリオで、システムは『セブン=フォートレス Advanced』をベースとする。

トランプを使いダンジョンマップとストーリーが自動的に形成される特殊なルールを使うシナリオで、後の『アリアンロッドRPG』のランダムダンジョンや『アルシャード』のシナリオクラフトなど、ファーイースト・アミューズメント・リサーチ社のゲームに良く見られる「シナリオを自動で作りながらゲームを遊ぶ」という特殊ルールの先駆けとなったシナリオである。

ダンジョンは100階まであり、踏破にはかなりの時間がかかる。語られる背景ストーリーはキングカニアーマーの生態に関わるもので「世界の危機」レベルのものである。ラース=フェリアの守護天使なども絡んでくる。

[編集] 作品一覧

[編集] 関連項目


セブン=フォートレス・砦シリーズ
前作
-
セブン=フォートレスリプレイ
「アルセイルの氷砦」
次作
セブン=フォートレスリプレイ
フォーチューンの海砦


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