出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ふしぎなメルモは、手塚治虫の子供向け漫画およびアニメーション作品。
[編集] 概要
1970年 - 1972年まで『小学一年生』に連載。その他、『よいこ』、『れお』にも掲載されていた。連載当初はママァちゃんというタイトルだったが、アニメ放映が決定したと同時に変更された。
もともとテレビアニメ用の作品として企画・作成された作品。アニメの方は、子供達向けの性教育を意図した作品として有名である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
天国のママから、赤いキャンディーと青いキャンディーをもらった主人公メルモが、キャンディーを食べて赤ん坊や大人に変身し、色々な危機を乗り越え、真の大人になっていく物語である。
[編集] ミラクルキャンディーの力
メルモに与えられたキャンディーには不思議な力があり、赤いキャンディーを食べると10歳若返り、青いキャンディーを食べると10歳年をとる。
ネタばれに注意:ここには、
ミラクルキャンディーの力に関する作品の 「核心」 に至る内容が記述されています。
-- 以下ネタばれ --
ここでは、主人公である小学生のメルモを基準に、キャンディーを食べた際の効果について記述する。
- 子供から一気に20代の大人の女性になる。姿が変わるのは身体のみで、普段着ている紺色のシャツに黄色いスカートのままキャンディーを食べると、大きく膨らんだ胸や、スカートからはみ出た下着が著しく目立つ格好になる。同じ青いキャンディーを複数食べると中年女性になり、大量に食べると老女になってしまう。
- 風船がしぼむように体が縮み、髪の色が薄くなり、最終的には産毛がわずかしかない生後数ヶ月の赤ん坊になる。中身は小学生のメルモだが、いくら力を振り絞っても言葉を喋ることが出来ない。赤いのを2つ以上食べると、赤ん坊どころか誕生前の胎児でも若返りは停まらず、頭や手足が全て引っ込んで受精卵まで小さくなってしまい、誰かが青いキャンディー1つを溶かした水の中にその卵を浸さない限り、元の女の子の姿に戻れなくなる。本編では、第1話でメルモの下の弟であるタッチが、ドサクサにまぎれて自ら青いキャンディーを複数食べ、おむつを付けたまま大人になり、メルモから渡された複数の赤いキャンディーで受精卵になってしまった経緯がある。
- 赤いキャンディーの力で受精卵まで小さくなったあと、青いキャンディーの力で卵から再び成長を始め、胎児~赤ん坊~幼児を経て元の姿に戻れる。本編でも1度だけメルモがこのパターンを使ったことがある。
- 赤いキャンディー1つと少し形を削った青いキャンディー
- まず赤いキャンディーの力で受精卵まで小さくなる。そのあと青いキャンディーの力で卵から再び成長が始まるが、赤と青の比率が1:1ではないため、人間以外の別の動物(ネコや犬など)としてある程度の年齢まで成長する。しかし基が人間であるため、特に哺乳類の動物に変身した時は、顔の一部に本来の姿の面影が残る。当然ながら人間の言葉は喋れないが、変身した姿と同等の動物と会話をすることができる。変身前の青いキャンディーと同じレベルに削った赤いキャンディーと、青いキャンディー1つを同時に食べれば、元の人間の姿に戻ることができる。
- 本編中盤で、メルモの弟であるトトオが青いキャンディーの削り方に失敗し、両生類のカエル(厳密には架空の生物である「ヘソガエル」)になってしまう。カエルの姿では、固体や液体を口に入れることが出来なかったトトオは、医者であるワレガラスが気体を使った方法を見つけるまでの数ヶ月間、元の人間の男の子の姿に戻れなかった。
Template‐ノート:SpoilerHでの議論により、この折り畳みテンプレートは9月1日に廃止となります。記事を編集してテンプレートを除去してください(単純に除去するのではなく、記事を整理した上で除去することが推奨されます)。また、新たに使用しないで下さい。
[編集] コミックス
[編集] アニメーション
手塚プロダクション・朝日放送が制作。1971年10月3日から1972年3月26日まで毎週日曜日の18:30 - 19:00にTBS系にて全26話で放送された。なお、アニメーションのオープニングは1カットで作成されている。
裏番組に「サザエさん」があったことなどから、本放送ではヒットしなかったようである。しかし、その後盛んに再放送されたことで、広く認知された。
いわゆる『腸捻転解消』で制作局の朝日放送がテレビ朝日系列になったため、以降の再放送はテレビ朝日系列局での実施となった地域もある。
声優を一新したうえで台詞と音楽が新録され、一部の映像も修正されたリニューアル版も存在し、1998年にWOWOWで放送され、2006年秋にはTOKYO MX.テレビでも放送された。
2002年に、リニューアル版のDVD-BOXが発売された。しかし、リニューアル版のために旧来のオリジナル版の作品は事実上封印状態に等しく、それに対する批判も根強い。
[編集] 声の出演
[編集] ゲスト出演
|
- タダオ - 山本嘉子(第13話)
- 社長 - 永井一郎(第13話)
- 秘書 - 増山江威子(第13話)
- 出来底 - 矢田耕司(第13話)
- 出来底の妻 - 野沢雅子(第13話)
- マル子 - 小原乃梨子(第14話)
- チャ子 - 山本嘉子(第14話)
- シンキチ - 山下啓介(第14話)
- 刑事凸・凹 - 矢田耕司、永井一郎(第14話)
- 手品師 - 大塚周夫(第15話)
- 校長 - 原田一夫(第16話)
- ギャング - 辻村真人(第18話)
- 記憶喪失の男 - 加藤治(第21話)
- 近石昭吾 - 竹尾智晴(現・中尾隆聖)(第22話)
- 昭吾の父 - 雨森雅司(第22話)
- 津村実 - 八代駿(第23話)
- 矢部千代子 - 吉田理保子(第23話)
- 矢部社長 - 大塚周夫(第23話)
- 加藤太郎 - 神谷明(第24・26話)
- 加藤二郎 - 山下啓介(第24・25・26話)
- 加藤三郎 - 山本嘉子(第24・26話)
- 柳田豪十郎 - 木村幌(第25話)
|
[編集] 声の出演(リニューアル版)
[編集] ゲスト出演
- メルモのおばさん - 津野田なるみ(第1・21話)
- 神様 - 長谷部浩一、水鳥鉄夫、田中淳(第1話)
- ゼンゾウ - 田中淳(第2話)
- 飼育係 - 長谷部浩一(第2話)
- 車掌 - 山田美穂(第2話)
- ナナメ - 山田美穂(第3話)
- シカク - 鳥海浩輔(第3話)
- イケハラ - 高野弘(第3話)
- 大使 - 笹沼晃(第4話)
- グロロス閣下 - 宮田浩徳(第4話)
- 女将校 - 中島麻実(第4話)
- パイロット - 宮田浩徳(第5話)
- オスウサギ - 笹沼晃(第5話)
- ニタ子 - 相田さやか(第6話)
- ニタ子の母 - 岡本嘉子(第6話)
- ユキオ - 笹沼晃(第6話)
- ブーちゃん - 堀江由衣(第6話)
|
- ウィリー - 手塚ちはる(第10話)
- アナウンサー - 鳥海浩輔(第10話)
- 松谷 - 長嶝高士(第13話)
- マル子 - 中島麻実(第14話)
- アナウンサー - 鳥海浩輔(第14話)
- 大造 - 千葉一伸(第18話)
- 鉄腕大五郎 - 鳥海浩輔(第19話)
- 野沢先生 - 森川智之(第19話)
- ター子 - 倉田雅世(第19話)
- 近石昭吾 - 笹沼晃(第22話)
- 昭吾の母 - 岡本嘉子(第22話)
- 津村実 - 高木渉(第23話)
- 矢部千代子 - 半場友恵(第23話)
- 矢部社長 - 丸山詠二(第23話)
- 加藤太郎 - 檜山修之(第24・26話)
- 加藤二郎 - 鳥海浩輔(第24・25・26話)
- 加藤三郎 - 津野田なるみ(第24・26話)
|
[編集] テレビドラマ
2000年4月13日、テレビ朝日系で「手塚治虫劇場」としてるんは風の中、カノンと共にドラマ化された。脚本は梅田みか、演出は五木田亮一。
[編集] キャスト
[編集] その他
- 本作に出てくる赤と青のキャンディは、自由に外見年齢をコントロールする手段の代名詞となっている。
- 性教育を意図した手塚作品は本作以外にも、『やけっぱちのマリア』『アポロの歌』がある。
- 2001年にロックバンドSOPHIAと本作がコラボレーションし、シングル『KURU KURU』のCDジャケットに本作のキャラクターが起用され、レーベル面には手塚プロダクション書き下ろしのSOPHIAメンバーのイラストが使用された(そのうち黒柳能生のイラストは手塚漫画のキャラクターブラック・ジャックをイメージしているとも言われている)。また、同曲のPVも手塚プロがプロデュースした。
TBS系(ABC製作) 日曜18:30枠 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
3・3が9イズ
|
ふしぎなメルモ
|
|
[編集] 外部リンク