さくらがんばる!
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『さくらがんばる!』は、1996年から1997年にかけて「コミックゲーメスト」(新声社)で連載されていた中平正彦の漫画作品。カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターZERO』シリーズからのスピンオフ作品である。
新声社の倒産により単行本は絶版状態であったが、2004年に集英社より『さくらがんばる! 完全版』(ISBN 4087820645)が発売された。完全版は通常の漫画単行本サイズからB5判へと変更され、元々『RYU FINAL』単行本への描き下ろしであった前後編の番外編『THE KANZUKI~万事において常に勝利者であるべし~』と、『CAPCOM VS. SNK』シリーズを原作とした『さくらがんばる! 特別編』の3話が収録されている。
ちなみにその同年、最終話の補完としてさくらの卒業式を描いた『さくらがんばる!最終章・卒業』が同人誌として発売された。
また、完全版はジャンプリミックス「ストリートファイターII-2」として2007年4月16日に再発売された。
目次 |
[編集] 概要
『ストリートファイターZERO2』のキャラクター、春日野さくらを主人公としたオリジナルストーリーで、『ストリートファイター』シリーズの主人公であるリュウと再び出会うことを夢見てストリートファイトへ身を投じることとなったさくらの精神的成長と、彼女を取り巻く人々がそのひたむきさに心動かされ、勇気づけられる姿を描く。「ゲーメスト」本誌読者以外にあまり知られることの無かった中平の知名度を格段に押し上げた作品といえる。
この作品において設定された「火引弾はさくらの師匠(劇中の神月かりんの調査では師弟関係ではなく、ただの案内役と報告されている)、弾とブランカは親友」といった人間関係や、さくらのライバルとして登場した漫画オリジナルキャラクター神月かりんは、『ストリートファイターZERO3』においてゲーム版に逆輸入の形で登場することとなる(同様に『RYU FINAL』以後のリュウと豪鬼の関係などにも作品の影響が見受けられる)。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
世田谷区にある高校に通う普通の女子高生、春日野さくら。彼女がただひとつ他の生徒と違っていたのは、ストリートファイターを目指していることだけ。さくらがその世界へ足を踏み入れたのは、彼女が一度だけ出会った『あのひと』にあこがれ、もう一度出会うためだった。
ある日、彼女は『あのひと』と同じ技を使う謎の東洋人、弾と出会う。彼から技のノウハウをレクチャーされるうち、さくらは同じ高校に通うお嬢様、かりんから決闘を申し込まれる。どうにか勝利を収めるものの、一方的にライバル宣言をするかりんからバッヂを手渡される。だがそれは世田谷区全域を舞台にした大格闘大会の参加資格を有するものの証だった。いやおうなく巻き込まれ、戦いに身を投じるさくら。だがその中で『あのひと』と同じ匂いを感じ…
[編集] 登場人物
- 春日野さくら
- 本作の主人公。「あのひと」に少しでも近づくためにストリートファイターの世界に身を投じる。
- 天性の格闘センスと純粋さは周りの人々を巻き込み、影響をおよぼしてゆく。
- 火引弾
- さくらの「師匠」。有象無象の一般のストリートファイター相手ならば十分強いのだが、ゲームに登場する一流ストリートファイター相手ではやや見劣りする実力。
- ダメ兄貴っぷりが目立つものの、さくらにとってはストリートファイターの道を開いてくれた一番の恩人。
- そして、彼自身にもある「目的」が…
- 神月かりん
- さくらと同じ高校に通うスーパーお嬢様。
- ある日見かけたさくらの実力に目をとめ、「万事において勝利者となる」という家訓のもとに挑戦状を叩きつける。
- 番外編は『THE KANZUKI』のタイトル通り、彼女に焦点を当てたものになっている。
- ケン・マスターズ
- 若き全米格闘王。
- 春麗
- ICPOの刑事。『ストリートファイターII』の方の衣装で登場している。
- 元
- 二つの流派を自在に使いこなす暗殺拳の使い手。
- ザンギエフ
- ソビエト連邦(作中ではロシアと表記)のプロレスラー。
- サガット
- ムエタイの帝王。
- リュウ
- 「真の格闘家」を目標に旅をする格闘家。
[編集] 余談
『ZERO2』に登場したキャラクターのうちダルシムとロレントの2名は登場せず、単行本のあとがきイラストでは「なにい!?!俺たちの出番は!?!」という両者の叫びが掲載されていた。
逆に『ZERO2』には登場していない李(初代『ストリートファイター』のキャラ)と源柳斎マキ(『ファイナルファイト2』のキャラ)が、本作にゲスト出演している(マキは後にGBA版『ZERO3↑(アッパー)』で登場することになる)。
また、『X-MEN VS. STREET FIGHTER』の設定を元に、『ZERO2'』に先立ってキャミィも登場した(中平版『ZERO』にも登場していたが、衣装などが異なる)。同様にブランカやマイク・バイソンも登場している(ゲームでは『ZERO3』で登場する)。
先述の『特別編』では『ザ・キング・オブ・ファイターズ』の草薙京が登場し、彼とさくらの闘いが描かれている。また京の弟子である矢吹真吾も登場しているが、真吾が日輪の紋入りのグローブをしていることから、時系列と設定の面で矛盾が生じている(真吾が日輪の紋入りグローブを使うのはKOFの時系列上では『KOF'98』以降だが、京は『'97』エンディングから『'99』まで行方不明であり、さらに『'99』から学ランを着なくなったため)。これはおそらく『CAPCOM VS. SNK』を原作としている為(同作では学ラン)、同時進行中であった「ネスツ編」(『'99』~『2001』)での設定を無視、もしくは失念したものと思われる。その代わり、『特別編』での京は学ランの上からネスツ編で着用しているジャケットを羽織った姿を見せている。
[編集] 出版
中平正彦著。
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- 「ストリートファイターII-2」 ISBN 978-4-08-109388-5
- 2007年4月16日発売のリミックス版。番外編3本を同時収録。