おバカタレント
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おバカタレントとは、自らの知識の薄さからテレビのクイズ番組等で珍解答や不規則な発言を披露する一方で、そのことがタレントとしてブレイクしていくきっかけとなっていった芸能人を指す。おバカタレントがアイドルでもあるような場合にはおバカアイドルと呼ばれることもある。
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[編集] 歴史
そもそもテレビのクイズ番組等では、正答率が低いタレントをレギュラー解答者に据えるキャスティングが行なわれてきた(クイズダービーや世界・ふしぎ発見!でこの手法が取り入れられていた。クイズダービーにおいてワースト2位の連続不正解記録を持っている斉藤慶子は2008年4月9日放送の「クイズ!ヘキサゴンII」に出演した際、自身を「元祖おバカさんタレントだ」と語っている。)また、1990年代後半ごろからバラエティー番組でメイン司会者が出演者をいじることで笑いを取る手法が多くなっていくなかで、知識量の薄いタレントから不規則発言を引き出し笑いのネタにすることが頻繁になっていく。めちゃ×2イケてるッ!でたびたび行なわれている期末テスト企画では、出演者にペーパーテストを受験させて得点を競わせ最下位となったタレントに「バカ」の称号を授け、それ以降の出演時でも「バカ」のレッテルを貼ってネタにするという演出が行なわれ若槻千夏、辻希美、濱口優、梨花らが「バカ」のレッテルを貼られたが、そのことがタレントとしてブレイクする契機となったのは若槻ぐらいであり、タレントとしての売りになると言う現象にはつながることはなかった[要出典]。
[編集] クイズ!ヘキサゴンII
おバカタレントが生まれる契機となったのは、2005年10月からフジテレビ系列で放送されているクイズ番組「クイズ!ヘキサゴンII」である。同番組では収録前に出演者全員にペーバーテストを課しその順位でチーム分けが行なわれ下位解答者を中心に番組を進める手法が取り入れられ、司会者・島田紳助との絡みの中で元プロ野球監督・大沢啓二の孫娘大沢あかね、演歌歌手の香田晋、俳優・三船敏郎の娘三船美佳、吉本芸人の村上ショージ、お笑いコンビ・次長課長のツッコミ担当井上聡、初出演当時16歳の女優福田沙紀らが準レギュラー化していく。
その中で2006年7月にヘキサゴンに初出演したカントリー娘。の里田まいは、ダントツの最下位回数と珍解答の連発から準レギュラーとなり、里田をメインとしたクイズ企画が登場するなど、本業のハロー!プロジェクトでの活動よりもヘキサゴンにおいて知名度を上げる結果となった。また俳優・ミュージシャンとして活躍し、リニューアル前の「ヘキサゴン」でも「おバカタレント」の地位を築いていたつるの剛士はヘキサゴンIIでも珍解答を連発し準レギュラーの座を獲得する。この傾向は2007年に入りヘキサゴンでの出演が契機となってブレイクする新人タレントが増加していく。若槻千夏の後輩にあたり新人のキャンペンガールだった木下優樹菜、ローカルから東京へタレント活動の拠点を移したばかりのスザンヌ、新人でこそ無いものの高校在籍当時松坂大輔とバッテリーを組んでいた異色の経歴を持つ俳優上地雄輔、2006年に潜水の当時の日本記録を樹立し、プロ野球ドラフト候補の1人であった俳優野久保直樹らがその例としてあげられる。また翌年も、元day after tomorrowのボーカルで歌手の倖田來未の妹のmisonoが同番組に、おバカキャラとして出演し、里田ほどではないものの歌手活動よりもバラエティーへの出演が増加した。
[編集] おバカタレントの一般的認知へ
つるの・上地・野久保・里田・スザンヌ・木下は、「ヘキサゴンII」の看板解答者として番組の視聴率を支えるとともに、紳助と番組スタッフのプロデュースのもと、女性3人は2007年9月にユニット名「Pabo」としてCDデビュー、男性3人も2008年4月にユニット名「羞恥心」としてCDデビューする。とりわけ羞恥心はデビューシングルが35万枚以上の売上を記録した。それと共に「ヘキサゴンII」以外にもレギュラー番組を多数抱える人気タレントに成長していった。さらに、2008年4月にクイズ番組にリニューアルされたオジサンズ11(日本テレビ系)では、クイズに参加するチームの一つを「オバカーズ」と称するなど、「クイズ!ヘキサゴンII」以外の番組でも「おバカさん」を取り上げる番組が増えつつある。
彼らのブレイクは、番組内で珍解答や珍発言を繰り返すことで笑いが取れるという要素のみならず、以前のバラドルのような計算されたキャラクターとは一線を画した純粋でピュアなキャラクター、イケメンタレント・グラビアモデルとしてのルックス的な要素も加味されている[要出典]。
[編集] おバカタレントの現状と将来
かつてのクイズ番組あるいはそれに類する番組では、成績優秀者や優勝者が「すごい!」と賞賛され、時に「知性派タレント」の異名も併せ持ってのタレント活動を行い、ブレイクした者・ある種の憧れや尊敬を持たれるケースが多かった。しかし「ヘキサゴンII」に限らず、近年のクイズ番組・クイズバラエティ番組では成績の良くない者や珍発言をする者がタレントとしての知名度を上げ、視聴率アップに貢献している面はある。加え、2008年からは「ヘキサゴンII」の高視聴率を機に、各テレビ局が様々な形態での「クイズ番組」「クイズバラエティ番組」を放映させており、特定の「おバカタレント」とされるタレントが各番組を掛け持ちで出演している事もある。