おのみちバス
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種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場
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本社所在地 | 〒722-0051 広島県尾道市東尾道18-1 |
電話番号 | 0848-46-4301(代表) |
設立 | 2008年3月1日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 一般乗合旅客自動車運送事業 一般貸切旅客自動車運送事業 |
代表者 | 代表取締役 吉本宗雄 |
資本金 | 1億5,000万円 |
外部リンク | www.onomichibus.jp/ |
特記事項:2008年4月1日付けを持って、尾道市より交通局の事業をすべて譲り受け、営業を開始。 | |
おのみちバス株式会社は、広島県尾道市に本社を置くバス会社である。
おのみちバスの前身は地方公営企業である尾道市交通局(尾道市営バス)で、尾道市が同市を主なエリアとする路線バス事業と、貸切バス事業を運営していた。市内の路線バスのエリアはおおむね新尾道駅以南の旧市街地で、北部は主に中国バスのエリアとなる。近年尾道市の観光地化に伴い、レトロ調の観光路線バス、定期観光バスを運行。貸切バス事業においては交通局主催のツアーを組む等、積極的な経営を行っていた。
2008年4月1日をもって、事業をすべて「おのみちバス株式会社」に譲渡し、交通局は76年の歴史に幕を下ろした。
目次 |
[編集] 歴史
大正から昭和初期にかけて、尾道市内においては、個人事業等による中小零細のバス事業者が乱立し、乗客の獲得合戦、運行ダイヤの不正確さ等混乱を来していた。そのため、主に市内中心部を東西に運行していた路線等について、尾道市が集約し買い上げる形で、1932年に誕生した。その後旧市街地を中心に路線を伸ばし、尾道大橋開通および向島町営バスの合併により対岸の向島へ、1982年の因島大橋開通時より因島市へも路線を伸ばした。他社と同様モータリゼーション等の進行に伴い、昭和末期から路線の廃止、減回が相次いだが、近年は新規路線の開拓、観光路線の充実等が見られる。
また2006年度より5年計画でCNGバスを10台導入する計画が発表され、交通局内にCNG充填所を建設。2007年2月9日にお披露目式が行われ、翌10日よりまず2台で市内本線および市民病院路線で運行されている。 近年、CNGバス及び商用トラックは排出ガスの点から注目されており、購入には補助金等の優遇措置がとられ、その普及が図られている。
2008年4月に、交通局の事業が第三セクター「おのみちバス株式会社」に移管された。おのみちバスは出資金3億円で尾道市が2億7500万円(91.7%)、民間が2500万円(8.3%・尾道商工会議所の500万円など)を負担し、うち1億5000万円を資本金に充てる。
- 1932年11月28日 - 開業
- 1982年 - 因島へ路線延伸
- 1999年 - ノンステップバス導入
- 2007年2月10日 - ノンステップCNGバス導入
- 2007年9月14日 - AEDを搭載した新型観光バスを2台導入
- 2007年10月24日 - 尾道市議会にて三セク移管を前提とする交通局廃止関連4議案が提出され全会派の賛成により同日可決
- 2008年1月 - 尾道市広報や交通局のウェブサイトにて三セク会社の名前がおのみちバス株式会社(仮称は尾道交通振興株式会社だった)と発表され、同時に新しいロゴ、社章、イメージキャラクターの公募を開始(1月31日まで)
- 2008年2月14日 - おのみちバス創立総会が尾道市役所内で開かれ定款などが承認される
- 2008年3月1日 - おのみちバス株式会社設立
- 2008年3月31日 - 交通局営業終了
- 2008年4月1日 - おのみちバス株式会社へ事業移管・引継
[編集] 営業所
[編集] 路線
2008年4月1日改正分の主な路線を示す。(経路名/経路名)はいずれか一つを経由する。
[編集] 一般
西行
- 尾道駅-尾道国際ホテル前-農協病院-尾商入口-尾道商業高校-(鳴滝山)登山口
- 尾道駅-尾道国際ホテル前-農協病院-尾商入口-合同庁舎前-尾道商業高校(復路は合同庁舎前を通らない)
- 尾道駅-尾道国際ホテル前-農協病院-尾商入口-吉和小前-神田-平原市営住宅前(循環)-神田(以降、尾道駅まで逆ルート)
東行
- 尾道駅-渡場通り-長江口(千光寺ロープウェイ乗り場)-防地口-浄土寺下-尾道造船前-山波-(山波以東は以下の経路)
- 郊外の教育・医療施設への路線
- 終点付近にある教育施設(久山田地区の尾道大学、美ノ郷町中野(三原市深)地区の如水館中学校・高等学校、三美園地区の尾道高校)などへの大切な足となる路線であるために行き先表示にその施設名が表示されていることが多い。また新高山地区に作られた尾道市民病院への路線は基本的に尾道駅と市民病院への往復運転であるが、近隣のふくしむらへの循環運転、東尾道地区発、福山市松永地区発で市民病院を経由し尾道高校方面へ向かう便もあり、多岐にわたる。
- 尾道駅-栗原本通り-(川上/門田トンネル/門田トンネル・平原台)-尾道大学前-陽光台
- 尾道駅-長江口-亀川-新尾道駅-三成-木頃本郷-中野-如水館前
- 尾道駅-(長江口/市役所前)-北久保-プレス工業前-尾道高校-三美園-大迫団地
- 尾道駅-長江口-浄土寺下-新高山-市民病院-ふくしむら(循環)-市民病院(以降、尾道駅まで逆ルート)
- 松永-ゆめタウン-山本病院前-阿草-市民病院-ふくしむら-プレス工業前-尾道高校-三美園
- 因島・向島路線
- 新尾道駅-尾道駅-尾道大橋-因島大橋(大浜PA)-鬼岩-(因島)土生港前(本四バス開発と因の島運輸との共同運行)
- 因島大橋開通後の因島への足である。尾道市に合併されたが、回数券や乗降バス停の取り扱い等は従前と同じく他路線と一部異なる。また、しまなみライナー (尾道~今治線)の廃止に伴い、しまなみライナー(福山・広島~今治線)の今治方面と尾道方面を因島大橋で乗り継ぐ際には割引運賃が適用される。
- 兼吉(「尾道渡船」向島側乗船場)より、島内各所および対岸の岩子島を結ぶ。しかし平日には二十数本、休日には8本程度しか運行されていないので利用には注意が必要である。
- その他
- 尾道駅-栗原本通り-亀川-新尾道駅-亀川-長江口-尾道駅(循環・両方向運行)
- 旧市街地を循環する市内線である。道路は全般にわたり狭隘で、中型車の運用が目立つ。
- 尾道駅-長江口-千光寺公園(-栗原本通り-尾道駅)
- 観光名所への路線であるが本数は少ない。通常は終点から長江口へ折り返すが、観光シーズンには増発の上、交通規制の関係で栗原本通りから尾道駅へ向かう。
- 尾道駅-長江口-亀川-新尾道駅-びんご運動公園
- 日曜日に1往復だけの路線であるが、運動公園でプロ野球などのイベントが行われる際には多数増便される。
など
[編集] 定期観光等
- 好きっぷライン
- 尾道駅→長江口→浄土寺下→市役所前→うず潮公園→尾道駅の循環線。
- 路面電車風の車両で土・日・祝日のみ運行。放送による観光案内も行われ、一日乗車券も販売されている。
- 夕渚ライン
- 尾道駅~高見山(向島)を運行。夕刻に運行。晴れていれば瀬戸内に沈む夕日が眺められる。
- 季節運行・予約制。
- 新尾道駅~尾道駅~因島・瀬戸田
- ケーブルカー風の車両で運行。季節運行・予約制。
[編集] 他社との関係
古くは尾道~三原間の営業をめぐり三原市と競合。三原市交通局誕生の引き金となる。バス黄金期には共同で福山~尾道~三原間の路線を運行するなどした一方、新道(国道184号、尾道バイパスなど)の完成による新規路線の開設、合併による路線の延長などをめぐり、中国バス、鞆鉄道等、他事業者との競合・競争が繰り返されてきた。中国バスのエリアである北部地域にも一時乗り入れを行ったが、三原市との競合(当時)であった中野方面を除き撤退。その後、如水館高校開校に伴い中国バスと共に通学路線を運行している。現在では共通回数券制度、停留所の統一、他社エリアへの進出(松永等)などが行われるようになった。
[編集] 割引制度
- ワンコインバスと称し、土・日・祝日と春・夏・冬の長期休暇中は一乗車につき小学生以下50円、中学生100円で乗車できる。
- 65歳以上対象の「さくら定期」(1か月:5,000円・3か月:13,500円)を購入すると全線乗り放題になる。
*いずれの割引も因島路線の向島BSより因島方面と松永線の高須口から松永方面を除く。