あした天気になあれ (漫画)
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『あした天気になあれ』(あしたてんきになあれ)は、ちばてつや原作のゴルフ漫画、それを原作としたテレビアニメ。
「週刊少年マガジン」(講談社)にて1981年1月から1992年5月まで連載されていた。単行本は講談社コミックス(KC)版は全58巻が発売された。後にホーム社から『ちばてつや全集』として全36巻が、『ホーム社漫画文庫』として全31巻が、『完全版総集編』として全11巻が、そして『講談社プラチナコミックス』、『集英社ホームリミックス』が発売されている。
一時期、「チャー・シュー・メン!」の掛け声は、国内のゴルフ界で大流行したほど有名なセリフとして残っており、藤子不二雄A作の『プロゴルファー猿』と共に、ゴルフの知名度を向上させたゴルフ漫画となっている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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目次 |
[編集] ストーリー
プロゴルファーを目指す中学生・向太陽が、荒川河川敷沿いのゴルフ場で練習生を務めながらプロテストを受験し、難コースや一癖も二癖もある他の受験者たちに揉まれながらも史上最年少でプロテストに合格。その後プロゴルファーとしていくつもの大会に出場し、最終的にはセント・アンドリュースで開催された全英オープンゴルフに出場する。
[編集] 内容の評価
連載当初は同じゴルフ漫画「プロゴルファー猿」のインスパイアとも思える設定であったが(母子家庭、兄弟三人、自信家で癖のあるマナー意識の薄い性格、賭けゴルフ、荒唐無稽なコースなど)プロテスト前後からストーリー展開、主人公の性格の見直し、調整を含め独自の味を出しはじめた。またプロテスト以降は「現実的」な難コースを表現するようになり、少年漫画にありがちな「強さのインフレ」もコース難度を上げることによって目立たなくしている。現実の大会をモチーフとしているため、幾度も同じコースを回って攻略する妙味もうまく表現しているために読み返す楽しみ方ができる。ゴルフとしての技量だけでなく心理戦を含めた実際的な駆け引きも見どころ。その過程で描かれる登場人物の内面、性格の描かれ方も秀逸で、いわゆる「人間」を描いており、わかりやすい善人、悪人はほとんどいない。
10年以上にわたる連載であったが、上記のような心理描写と現実どおりの大会日程をこなしたことで、作中で描かれた試合数は意外に少なく、必然的に優勝で幕を閉じる展開が多い(他の漫画での「敗北によって強くなる」というプロセスを試合中の挫折感によって表現するという苦肉の策も)それもあってか、研修生に苦戦しつつのプロテスト合格→世界のトッププロ達を驚嘆させる全英オープンゴルフ出場までほぼ一年半程度という急速な成長を遂げることになり、初期のライバル達がその後の試合にほとんど絡まない(絡めない)事などに違和感を覚える人はいるかもしれない。また、連載全般を通して試合終了後の余韻、登場人物たちの語りの為にページを多く割かないのも評価の分かれるところか。
[編集] 「チャー・シュー・メン!」
ゴルフをする人なら、一度は口ずさんだことがあると思われる掛け声。これは、主人公の向太陽がショットする際に、スイングのリズムを取るための掛け声である。「チャー・シュー」でスウィングのリズムを調整し、クラブを振り下ろしてインパクト時に「メン!」でうまくボールにミートさせる。しかしこの掛け声を最初に使用したのは太陽の後輩の内山央である事はあまり知られていない
[編集] テレビアニメ
1984年10月6日から1985年9月20日まで、フジテレビ系で放送された(放送枠:毎週土曜日18:00~18:30(1985年3月まで)→毎週金曜日19:00~19:30(1985年4月以降))。全47話。なお、ローカルセールス枠のため遅れネットとなったり、テレビ新広島(当時、土曜18:00からはテレビ東京系の番組等を、金曜19:00からは中国電力の一社提供・自社制作番組『クイズクロス5』を放送。後年、別の曜日・時間帯で遅れネットにて放送された)のようにキー局での本放送終了後に放送をスタートした局や、東海テレビ(土曜18:00台前半は「クイズDEデート」の遅れネットを、金曜19:00からは丸栄ほか複数社提供・自社製作番組「まるごとハワイへチャンスクイズ」を放送)などのように未放送となった局もある。
[編集] 主なキャスト
[編集] スタッフ 、主題歌
- 企画:土屋登喜蔵(フジテレビ)
- プロデューサー:原田一男、茂垣弘道(土田プロダクション)、片岡義朗(NAS)、清水賢治(フジテレビ)
- 脚本:城山昇、照井啓司ほか
- チーフディレクター:光延博愛
- 演出:光延博愛、佐々木皓一、三沢伸、やすみ哲夫、鈴木幸雄ほか
- 総作画監督:金沢比呂司
- 美術監督:阿部行夫
- 撮影監督:高橋明彦
- 録音監督:藤野貞義
- 効果:依田安文
- 音楽:梅垣達志
- 録音スタジオ:ニュージャパンスタジオ
- 現像:東京現像所
- タイトルデザイン:神谷妙子
- オープニング主題歌:『明日はシャイニング・スカイ』(作詞:竜真知子、作曲:東郷昌和、編曲:梅垣達志、歌:野口きよみ)
- エンディング主題歌:『夕焼けに歩きたい』(作詞:竜真知子、作曲:東郷昌和、編曲:梅垣達志、歌:高橋伸明)
- アニメーション制作:土田プロダクション
- 制作:NAS、フジテレビ
[編集] その他
- 毎回、番組最後(本編終了後、予告・ED映像の前)に「ワンポイント・レッスン」というコーナーが設けられ、解説者の戸張捷がゴルフのマナーや歴史などを解説した。その後に予告編(予告ナレーション担当は、太陽役の塩屋翼)があったが、その終わりは必ず「~ナイス・ショット!!」という言葉で締められていた。
[編集] 放送リスト
- ゴルフとの出会い
- めざせプロゴルファー
- プロゴルファーへの道
- 賞品はゴルフセット
- ゴルフ部の期待
- 初出場!ゴルフ競技
- 消えたゴルフボール
- ライバルは腹の虫
- ゴルフ部の期待計算されたゴルフ
- 牙をむいたライバル
- 三段グリーンの対決
- 思わぬアクシデント
- 谷底からの叫び
- 勝負のバーディーパット
- プレッシャーとの戦い
- ライオンの頭を越えろ
- 雨の中の決戦
- 嵐の最終ホール
- チャンスだ 燃えろ太陽
- 本番!研修会テスト
- 新人殺しの憎いワナ
- グリーン上の落とし穴
- 怒りの必殺ドライバー
- 忍びよる恐怖の影
- 集中力で影を断て
- 最終ホールの試練
- 初挑戦プロへの道
- 秘伝舌出しショット
- 快進撃!?の第一打
- 最終ホールの賭け
- 待望のプロテスト
- ねじ曲げられたボール
- 涙のバンカーショット
- 意外な真実
- 荒れ模様の神経戦
- なるか!決勝進出
- 強豪相手の決勝戦
- 開始!攻撃ゴルフ
- グリーン上の勝負師
- プロテスト最終日
- 激突バーディー合戦
- 飛べ逆転必殺ショット
- プレッシャーの18番
- 念願のプロ初出場
- 傷だらけのトップの座
- 奇跡をよんだ追撃戦
- めざせ!プロ初優勝
[編集] 放送枠の変遷
フジテレビ系 土曜18:00枠(1984.10~1985.3) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
あした天気になあれ
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金曜19:00枠(1985.4~1985.9) | ||
あした天気になあれ
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本気でライバル
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