秋田新幹線
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秋田新幹線(あきたしんかんせん)は、ミニ新幹線方式により、盛岡駅から秋田駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の路線及びその路線を走行する新幹線車両の列車の通称である。
盛岡駅から大曲駅までは田沢湖線、大曲駅から秋田駅までは奥羽本線である。なお線路形態の関係上、大曲駅でスイッチバックを行う。盛岡駅から東京駅まで東北新幹線と直通運転するため、広範囲的には「こまち」が走る東京駅~秋田駅間や「こまち」(列車)自体も秋田新幹線と呼ばれる。
目次 |
[編集] 歴史
- 1997年(平成9年)3月22日 - 【開業】盛岡~秋田間が開業。E3系営業運転開始。5両編成。
- 1998年(平成10年)- 6両編成化。
- 2001年(平成13年)9月16日 - 盛岡~秋田間の開業以来の利用者数が1000万人に達する。
- 2006年(平成18年)1月5日 - 【運休】日本海側を中心とした大雪の影響で、開業以来初めて終日運休となる(盛岡~秋田間)。
- 2006年(平成18年)2月11日 - 【運休】前日に起きた、「こまち3号」の雪崩による抱き込みの影響の除雪作業で、2度目の終日運休(盛岡・秋田間)。
- 2006年(平成18年)3月11日 - 盛岡~秋田間の開業以来の利用者数が2000万人に達する。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 全車両の禁煙を実施。
- 2007年(平成19年)4月30日、5月6日 - 大曲始発列車(こまち26号、5026M - 5026B)を「大曲の花火」以外での初の運転。
- 2011年(平成23年)春予定 - 東北新幹線内での営業最高速度を300km/hに引き上げ[1]。
[編集] 開業に際してのイベント
秋田新幹線は1997年(平成9年)3月22日の開業にあたってイベントが行われた。
1997年3月には秋田駅構内留置線に車両を留置し、夢空間、ジョイフルトレインである「オリエントサルーン」、「シルフィード」、建築限界測定用試験車オヤ31形、ED75-777、無蓋貨車「トラ」形(トロッコ)を展示公開した「おもしろ列車大集合」が行われた。
また、同貨車を用いたトロッコ列車を男鹿線「トロッコなまはげ号」・五能線「トロッコりんごっこ号」・花輪線「トロッコトタトタ号」として、各線へ向けて運転した。
1997年7月19日から21日にかけて開業記念イベントのフィナーレとして、秋田駅~横手駅間にSLあきた号と称される蒸気機関車を走らせた。牽引は高崎運転所(現高崎車両センター高崎支所)所属のD51-498、客車は南秋田運転所所属の12系6両。
- 特記する事項として「こまち」との併走が行われた点である。駅などで配布されたパンフレットには併走ポイントが記載された。なお、ミニ新幹線車両との併走はこの時限りとされていたが、2005年9月にSL奥羽号が秋田駅~湯沢駅を走ったことや、山形新幹線新庄駅延伸に際して1999年12月に陸羽東線で記念列車として運行された事例がある。
[編集] 運行形態
運転されるのはE3系電車6両編成(開業時は5両編成)を使用した「こまち」号である。
田沢湖線内はすべて単線なので、新幹線列車が普通列車と行き違いのために待ち合わせをする光景が見られる。大曲駅は田沢湖線と奥羽本線の接続の形から、大曲駅~秋田駅間はスイッチバックして走ることになる。
奥羽本線は一部複線化されていたが、複線部分は上り線を新幹線の標準軌に改めたため、線路が二つ並んでいても、両方とも単線である。このため、普通列車と新幹線が、同じ向きで走る光景も見られる。なお、神宮寺駅~峰吉川駅のみ新幹線同士の行き違いのため狭軌側を三線軌条にしている。
秋田県大仙市の全国花火競技大会開催時は、大曲駅発着の臨時列車が運行されている。
[編集] 停車駅と接続路線
正式路線名 | 駅名 | 東京 からの営業キロ |
盛岡 からの営業キロ |
接続路線 | 所在地 | |||
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盛岡以南については東北新幹線を参照。 | ||||||||
田沢湖線 | 盛岡駅 | 535.3 | 0.0 | 東北新幹線、東北本線、山田線、*花輪線、 いわて銀河鉄道線 |
岩手県 | 盛岡市 | ||
雫石駅 | 551.3 | 16.0 | 岩手郡雫石町 | |||||
田沢湖駅 | 575.4 | 40.1 | 秋田県 | 仙北市 | ||||
角館駅 | 594.1 | 58.8 | 秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線 | |||||
大曲駅 | 610.9 | 75.6 | 奥羽本線(横手・湯沢方面) | 大仙市 | ||||
奥羽本線 | ||||||||
秋田駅 | 662.6 | 127.3 | 奥羽本線(東能代・大館方面)、 羽越本線、*男鹿線(男鹿なまはげライン) |
秋田市 |
接続路線の*印:線路名称上(戸籍上)はその駅を起終点とする路線ではないが、運行上はその駅に発着している路線。
なお、特別急行券については東北新幹線との乗り継ぎ料金制度がある。
[編集] 需要
交通需要について国土交通省が2000年に調査した都道府県間鉄道旅客流動データによると、秋田県を目的地とする鉄道旅客のうち、東北新幹線沿線(東京都、埼玉県、栃木県、福島県、宮城県、岩手県)からの年間旅客数は69.0万人であった。これらの各出発地のうち最も旅客数が多かったのは宮城県の28.1万人、次いで東京都の23.3万人、岩手県の8.8万人である。一方、秋田新幹線沿線(秋田県)を出発地として東北新幹線沿線を目的地とする年間旅客数は68.3万人であった。これらの各目的地のうち最も旅客数が多かったのは宮城県の30.5万人、次いで東京都の18.4万人、岩手県の8.1万人である。
沿線各都県間の旅客流動状況(2000年)は以下のとおり。
目的地\出発地 | 東京圏* | 栃木県 | 福島県 | 宮城県 | 岩手県 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
秋田県 | 387 | 26 | 45 | 281 | 88 | 827 |
出発地\目的地 | 東京圏* | 栃木県 | 福島県 | 宮城県 | 岩手県 | 合計 |
秋田県 | 423 | 31 | 37 | 305 | 81 | 877 |
(単位:千人/年)
*東京圏:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県とする。
[編集] 秋田以北への延伸
秋田新幹線は冬季を中心に航空機の利用者を奪う程順調であるが、田沢湖線と奥羽本線を改軌した結果、かつて盛岡~秋田~青森間を直通していた「たざわ」は、全て秋田~青森間の「かもしか」になってしまった。そのため能代市では東能代駅までの延伸をJR東日本に要望している。しかし、奥羽本線(秋田~青森)は日本海縦貫線の一部であり改軌が難しく、さらにJR東日本が軌間可変電車に懐疑的で開発に参加していないことから、実現は厳しいと見られている上に、沿線の議論も盛り上がりがない。さらには北秋田市に大館能代空港があり、必要性が薄いという意見もある。
[編集] 運行上のネック
- 秋田新幹線は在来線の130km/h運転、および東北新幹線区間での275km/h運転が可能になったこともあり、速達タイプの一部のこまち号は、東京~秋田間を4時間を切る時間で運行している。しかし、4時間を切るのは朝時間帯と東京発最終の数本のみで大半が4時間以上の所要時間を要する。そのため、さらなる高速化がたびたび議論の的となってきた。特に、秋田・岩手県境の仙岩峠区間ではカーブと勾配によってスピードが出せない。そのため秋田県では仙岩峠付近の高速化の検討がなされたことがあるものの、実現の見込みは立っていない。しかし2013年春以降、車両置き換えで東北新幹線区間の高速化が段階的に実施されることとなり[1]、多くの列車の所要時間短縮が予定されている。
- 田沢湖線、および奥羽本線区間の多くが単線のため、停車駅でない駅での列車到着待ちも多く、中には普通列車を待ち合わせするために停車を強いられる場合もある。そのため、複線化率の向上も議論の的となっている。
- 田沢湖~雫石周辺は豪雪地帯であり、雪の際にダイヤの乱れが発生しやすく、盛岡駅で、連結する相手方のはやての乱れを誘発し、過密ダイヤとなっている大宮~東京間で路線を共有する上越新幹線にまでダイヤの乱れが及んでしまうということもしばしばある。場合によっては運行が見合わせされることがある。平成18年豪雪では、途中で立ち往生し、乗客が車内に缶詰め状態にされたことがある。また、運行を見合わせた場合の代替バスなどは手配されず、混乱に拍車が掛かることもある。
- 大曲駅には配線の都合上スイッチバックがあるため、大曲駅~秋田駅間は走行方向が逆となり、大曲駅で方向転換する分だけ時間が僅かながらかかっている。
- 現在、秋田新幹線の分離・連結は山形新幹線のそれと異なり上下別のホームで行われている。ただし、上りについては1回平面交差をしなくてはならない。2007年7月現在、盛岡駅には全新幹線が停車しており、盛岡駅以北の運行数は毎時1~3本と少ないため平面交差はネックになっていないが、今後、東北新幹線の新青森、並びに北海道新幹線の新函館・札幌への延伸を控え、盛岡通過タイプの設定や増発の可能性があり、秋田新幹線上りの平面交差がボトルネックとなる恐れもある。
[編集] 出典
- ^ a b 東北新幹線における高速化の実施について 東日本旅客鉄道 2007年11月6日
[編集] 関連項目
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現行路線 |
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整備新幹線 | 北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 | ||||
基本計画線 | 北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線・山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 | ||||
未成線 | 成田新幹線 | ||||
現行列車 | はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ 新幹線直行特急:つばさ・こまち |
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廃止列車 | あさひ・あおば | ||||
営業用車両 | 0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 | ||||
試験用車両 | 1000形・951形・961形・962形・STAR21・WIN350・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 | ||||
事業用車両 | 911形・912形・ドクターイエロー・East i | ||||
車両形式・記号 | 車両形式・編成記号 | ||||
車両基地・車両工場 |
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元となる計画 | 日本の改軌論争・東海道新線・弾丸列車 |