地質時代
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地質時代(ちしつじだい、geological age)とは、地球の誕生から人類の歴史以前の時代のことである。
目次 |
[編集] 地質時代区分表
代 | 紀4,5 | 世 | 期 |
年代3 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
始 | 終 | |||||||
顕生代 |
新生代 |
第四紀 (Quaternary) |
完新世(沖積世) 人類の繁栄(年表を参照) |
0.01 | …… | |||
更新世(洪積世) 大型の哺乳類の衰退。 人類が現在とほぼ同じ状態まで進化する |
1.806 | 0.01 | ||||||
第三紀 (Tertiary) |
新第三紀 (Neogene) |
鮮新世 (Pliocene) |
後期 | ゲラシアン (Gelasian) |
2.588 | 1.806 | ||
中期 | ピアセンジアン (Piacenzian) |
3.6 | 2.588 | |||||
前期 | ザンクリアン (Zanclian) |
5.332 | 3.6 | |||||
中新世 (Miocene) |
後期 | メッシニアン (Messinian) |
7.246 | 5.332 | ||||
トートニアン (Tortonian) |
11.608 | 7.246 | ||||||
中期 | サーラバリアン (Serravallian) |
13.65 | 11.608 | |||||
ランギアン (Langhian) |
15.97 | 13.65 | ||||||
前期 | バーディガリアン (Burdigalian) |
20.43 | 15.97 | |||||
アキタニアン (Aquitanian) |
23.03 | 20.43 | ||||||
古第三紀 (Paleogene) |
漸新世 (Oligocene) |
後期 | チャッティアン (Chattian) |
28.4 | 23.03 | |||
前期 | ルペリアン (Rupelian) |
33.9 | 28.4 | |||||
始新世 (Eocene) |
後期 | プリアボニアン (Priabonian) |
37.2 | 33.9 | ||||
中期 | バートニアン (Bartonian) |
40.4 | 37.2 | |||||
ルテシアン (Lutetian) |
48.6 | 40.4 | ||||||
前期 | ヤプレシアン (Ypresian) |
55.8 | 48.6 | |||||
暁新世 (Paleocene) |
後期 | サネティアン (Thanetian) |
58.7 | 55.8 | ||||
中期 | セランディアン (Thanetian) |
61.7 | 58.7 | |||||
前期 | ダニアン (Danian) |
65.5* | 61.7 | |||||
中生代 (Mesozoic) |
白亜紀(Cretaceous) 恐竜の繁栄と絶滅。 有胎盤類の出現。 |
後期 | セノニアン (Senonian) |
マストリヒシアン (Maastrichtian) |
70.6 | 65.5* | ||
カンパニアン (Campanian) |
83.5 | 70.6 | ||||||
サントニアン (Santonian) |
85.8 | 83.5 | ||||||
コニアシアン (Coniacian) |
89.3 | 85.8 | ||||||
ガリック (Gallic) |
チューロニアン (Turonian) |
93.5 | 89.3 | |||||
セノマニアン (Cenomanian) |
99.6 | 93.5 | ||||||
前期 | アルビアン (Albian) |
112 | 99.6 | |||||
アピチアン (Aptian) |
125 | 112 | ||||||
バレミアン (Barremian) |
130 | 125 | ||||||
ネオコミアン (Neocomian) |
オーテリビアン (Hauterivian) |
136.4 | 130 | |||||
バランギニアン (Valanginian) |
140.2 | 136.4 | ||||||
ベリアシアン (Berriasian) |
145.5 | 140.2 | ||||||
ジュラ紀(Jurassic) 有袋類の出現、 始祖鳥(鳥類の出現)、 被子植物の出現 |
マルム (Malm) |
チトニアン (Tithonian) |
152 | 145.5 | ||||
キンメリッジアン (Kimmeridgian) |
155 | 152 | ||||||
オックスフォーディアン (Oxfordian) |
157 | 155 | ||||||
ドッガー (Dogger) |
カロビアン (Callovian) |
161 | 157 | |||||
バトニアン (Bathonian) |
166 | 161 | ||||||
バジョシアン (Bajocian) |
174 | 166 | ||||||
アーレニアン (Aalenian) |
178 | 174 | ||||||
リアス (Lias) |
トアルシアン (Toarcian) |
187 | 178 | |||||
プリンスバッキアン (Pliensbachian) |
195 | 187 | ||||||
シネムーリアン (Sinemurian) |
204 | 195 | ||||||
ヘッタンギアン (Hettangian) |
208 | 204 | ||||||
三畳紀(トリアス紀、Triassic) 恐竜の出現 |
後期 コイパー (Keuper) |
レーティアン (Rhaetian) |
210 | 208 | ||||
ノーリアン (Norian) |
223 | 210 | ||||||
カーニアン (Carnian) |
235 | 223 | ||||||
中期 ムッシェルカルク (Muschelkalk) |
ラディニアン (Ladinian) |
240 | 235 | |||||
アニシアン (Anisian) |
241 | 240 | ||||||
前期 サイシアン (Scythian) |
スパシアン (Spathian) |
242 | 241 | |||||
ナンマリアン (Nammalian) |
243 | 242 | ||||||
グリンスバッキアン (Griesbachian) |
245 |
243 | ||||||
古生代 (Paleozoic) |
ペルム紀 (二畳紀、Permian) 地球上の95%の生物が絶滅、 パンゲア大陸の形成。 単弓類の出現。 |
後期 ツェヒシュタイン (Zechstein) |
チャンシンギアン (, Ghx.) |
248 | 245 (251.1*) |
|||
ロンタニアン Lgt. | 250 | 248 | ||||||
キャピタニアン (Capitanian) |
253 | 250 | ||||||
ワーディアン (Wordian) |
255 | 253 | ||||||
ウフィミアン (Ufimian) |
256 | 255 | ||||||
前期 ロトリゲンデス (Rotliegendes) |
クングーリアン (Kungurian) |
260 | 256 | |||||
アルチンスキアン (Arttinskian) |
269 | 260 | ||||||
サクマーリアン (Sakmarian) |
282 | 269 | ||||||
アッセリアン (Asselian) |
290 | 282 | ||||||
石炭紀 (Carboniferous)1 |
ペンシルベニア紀 (Pensylvanian) 昆虫の繁栄、 爬虫類の出現、 石炭の元になる大森林 |
グゼーリアン (Gzehlian) |
295 | 290 | ||||
カシモービアン (Kasimovian) |
303 | 295 | ||||||
モスコビアン (Moscovian) |
311 | 303 | ||||||
バシキーリアン (Bashkirian) |
323 | 311 | ||||||
サープクホビアン (Serpukhovian) |
333 | 323 | ||||||
ミシシッピー紀 (Mississippian) 原始的な巨木 |
ビゼーアン (Visean) |
350 | 333 | |||||
トルネージアン (Tournaisian) |
363 | 350 | ||||||
デヴォン紀(Devonian) 両生類の出現、 ヒカゲノカズラ属や トクサ属のシダ植物出現、 種子植物の出現 |
後期 D3 |
ファメニアン (Fammennian) |
367 | 363 | ||||
フラスニアン (Frasnian) |
377 | 367 | ||||||
中期 D2 |
ジベーチアン (Givetian) |
381 | 377 | |||||
アイフェリアン (Eifelian) |
386 | 381 | ||||||
前期 D1 |
エムシアン (Emsian) |
390 | 386 | |||||
プラギアン (Pragian) |
396 | 390 | ||||||
ロッコビアン (, Lok.) |
408.5* | 396 | ||||||
シルル紀(ゴトランド紀、Silurian) 陸上植物の最古の化石 |
プリドリ (Pridoli) |
411 | 408.5* | |||||
ラドロウ (Ludlow) |
ルドフォーディアン (Ludfordian) |
415 | 411 | |||||
ゴースディアン (Gorstian) |
424 | 415 | ||||||
ウェンロック |
グリードニアン (, Gle.) |
425 | 424 | |||||
ウィトウェリアン (, Whi.) |
426 | 425 | ||||||
シェインウッディアン (Sheinwoodian) |
430 | 426 | ||||||
ランドベリ |
テリチアン (Telychian) |
433 | 430 | |||||
アエロニアン (Aeronian) |
437 | 433 | ||||||
ラッダニアン (Rhuddanian) |
439 |
437 | ||||||
オルドヴィス紀(Ordovician) 無脊椎動物の優勢、 魚類の出現 |
アシュギル (Ashgill) |
443 |
439 |
|||||
カラドック (Caradoc) |
464 | 443 | ||||||
ランディロ (Llandeilo) |
469 | 464 | ||||||
ランビルン (Llanvirn) |
476 | 469 | ||||||
アレニグ (Arenig) |
493 | 476 | ||||||
トレマドック (Tremadoc) |
510 |
493 | ||||||
カンブリア紀(Cambrian) カンブリア爆発 (動物が門レベルで急激に多様化、 現在の動物の原始的な形態がほぼ出揃う)、 バージェス動物群 |
メリオネス |
ドルゲリアン (Dolgellian) |
514 |
510 |
||||
ミアントロニアン (Maentwrongian) |
517 | 514 | ||||||
セントデービッズ (Saint David's, StD.) |
メネビアン (Menevian) |
530 | 517 | |||||
ソルヴァン (Solvan) |
536 | 530 | ||||||
カエルファイ (Caerfai) |
レニアン (Lenian) |
554 | 536 | |||||
アトダバニアン (Atdabanian) |
560 | 554 | ||||||
トモシアン (Tommotian) |
570 | 560 | ||||||
先カンブリア代 (Precambrian) |
原生代 (Proterozoic) |
後期2 多細胞生物の出現、エディアカラ生物群 |
900 | 545* | ||||
中期2 | 1,600 | 900 | ||||||
前期2 真核生物の出現 |
2,500 | 1,600 | ||||||
始生代(太古代、Archaean) 生命の誕生(原核生物の出現) |
3,800 | 2,500 | ||||||
冥王代(Hadean) 海の誕生、地球の誕生 |
4,550 (45億) |
3,800 (38億) |
[編集] 注
1) 北米では、石炭紀をペンシルベニア紀とミシシッピー紀に分けている。
2) 過去四半世紀の研究で先カンブリア時代の地質学的・古生物学的な見方が大きく変化したが、そもそも地質学的証拠に乏しい時代であるため、年代区分を定義する正確な用語はまだ定まっていない。ここでは
- 原生代前期(Paleoproterozoic)
- 中期(Mesoproterozoic)
- 後期(Neoproterozoic)
という分類を用いたが、
Cambridge University Press, 1990年による
- ヒューロニアン 'Huronian'(2450 ~ 2200 Ma)
- アニミキアン 'Animikian'(2200 ~ 1650 Ma)
- リフェアン 'Riphean'(1650 ~ 800 Ma)
- スターティアン 'Sturtian'(800 ~ 610 Ma)
- ヴァランガー 'Varanger'(610 ~ 590 Ma)
- エディアカラ 'Ediacara'(590 ~ 570 Ma)
Geological Society of America, 1999年による
- Early Proterozoic (2500 ~ 1600 Ma)
- Middle Proterozoic (1600 ~ 900 Ma)
- Late Proterozoic (900 ~ 543 Ma)
といった用語も使われている。また原生代初期・末期という用語も頻繁に使われるが、どの用語を用いるかは各人に任されているのが現状である。また、原生代・ 始生代・冥王代をまとめて先カンブリア時代(Precambrian)として扱うことも多い。
3) 年代は、資料によって若干の差があり、正確ではない。これは主に放射線年代測定の不確実さによるものである。
4) 古生物学者たちは、しばしば地質学的な年代ではなく、動物年代を参照している。ここでの専門語はきわめて複雑である。(The Paleobiology Database、GSSP (Global Stratigraphic Section and Point) の記事を参照せよ。)
5) 慣習的には、新生代の中の第三紀-第四紀あるいは古第三紀-新第三紀-第四紀といった「紀」は、中生代や古生代の「代」と同等のものとして用いられる。
[編集] 実際の時間のグラフ
上記のような表によくある欠点として、時間の感覚がわかりにくいということがあり、このために生じる誤解なども多い。ここでは、実際の時間の長さに比例する棒グラフを提示することにより、そういった問題の回避を図る。
[編集] 地球誕生から現在までのグラフ
- 上段:左から、先カンブリア時代、および顕生代を示している。
- 中段:冥王代から新生代までを代ごとに示している。
- 下段:このような年代比較の際に、地球の歴史を擬似的に一年にたとえるというものがある。ここではそれを月ごとに表示している。
古 |
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新 | ||||||||||
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[編集] 顕生代の内訳のグラフ
- 上段:左から、古生代、中生代、新生代を示している。
- 下段:カンブリア紀から第四紀までを紀ごとに示している。(右端の第四紀は見えにくい可能性がある。)
- 下段:前述のグラフに続き、古生代以降を日ごとに表示している。
古 |
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新 | |||||||||||
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[編集] 新生代の内訳のグラフ
- 上段:左から、古第三紀、新第三紀、第四紀を示している。
- 中段:更新世(洪積世)、完新世(沖積世)は画面幅を広げないと表示しない。
- 下段:前述のグラフに続き、日ごとから時間に表示を変えている。
古 |
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新 | ||||||||||
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[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク