マグネシウムホイール
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マグネシウムホイール(Magnesium wheel)は、素材にマグネシウム合金を使ったホイール。マグネシウム合金はアルミニウムよりも軽量であり、アルミホイール以上に走行性能、燃費性能の向上が期待できる。
しかし、量産が効きにくく高価であり、またサイズが限定されているという汎用性の少なさから、あまり一般的ではない。 また、素材の特性として、塩分や腐食や衝撃にかなり弱い点が上げられる。
腐食に弱い点については、それを防止する塗装やコーティングが剥がれたらその都度補修しないと、空気中の水分や酸などと反応して腐食・サビが起こり、急速に強度が劣化する。塩分に弱い点は海岸沿いに普段駐車している場合は頻繁に水洗いしないと錆が発生する恐れがある(説明書に注意書きがしてあるほどである)。 衝撃に弱い点については、特にスポーツ性を謳った、極度に軽さを重視した製品に顕著であるが、ギャップや縁石を踏むとホイール自体が完全に割れることがある(大抵、負荷が掛かるハブボルトあたりを境に割れ、ホイールがゴッソリ丸ごと外れてしまう)。
なお、マグネシウム合金そのものは、アルミニウムよりも比重が軽いものの、比強度の面では若干劣る素材である。そのため、耐衝撃性まで考慮してアルミニウムと同じ強度を出した場合は、重量低減の面では、さほど差がない場合が多い。 また、自動車用のアフターパーツとして販売されるものの中には、公道使用に適合する旨を表示する製品もあるが、実質的にはサーキット用と考えた方がよい。
[編集] 製品
鋳造マグネシウムホイールと、鍛造マグネシウムホイールがある。
[編集] 事故
リニアモーターカーのジェイアール式マグレブの実験車両MLU002の補助支持車輪がマグネシウムホイールであったが、ゴムタイヤでの走行中のパンクにより、ロックしたマグネシウムホイールがコンクリート軌道に直に接してしまい発火、車両火災が発生した。