トニー・グウィン
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トニー・グウィン Tony Gwynn |
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基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | カリフォルニア州ロサンゼルス |
生年月日 | 1960年5月9日(48歳) |
身長 体重 |
180.3cm (最終年)90.3kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
守備位置 | 右翼手 |
プロ入り | 1981年 ドラフト3巡目 |
初出場 | 1982年7月19日 |
最終出場 | 2001年10月7日 |
経歴 | |
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アメリカ野球殿堂 | |
殿堂表彰者 | |
選出年 | 2007年 |
得票率 | 97.6% |
選出方法 | BBWAA[1]選出 |
■Template ■ウィキプロジェクト 野球選手 |
トニー・グウィン(Anthony Keith "Tony" Gwynn, 1960年5月9日 - )は元メジャーリーグ、サンディエゴ・パドレスの外野手。左投げ左打ち。現役時代を一チームで終えた現代では数少ないフランチャイズ・プレイヤー(生え抜き選手)の一人で、特に地元では絶大な人気を誇った。
息子トニー・グウィン・ジュニアは、2007年現在、ミルウォーキー・ブルワーズに所属する外野手である。
目次 |
[編集] 経歴
カリフォルニア州ロサンゼルスにて生まれ育ち、サンディエゴ州立大学時代にはバスケットボールの選手としても名をはせ、NBAのドラフト指名も受けたが、3巡目でドラフト指名されたサンディエゴ・パドレスへ入団し野球の道を選ぶ。
1982年にメジャー昇格を果たし、54試合に出場して打率.289を記録する(打率3割を切ったのはこの年だけ)。1984年には打率.351で初の首位打者に輝く。同年にオールスター出場も果たす。
1994年には4割打者にあと一歩まで近づくが、同年8月、選手会による長期ストライキに突入したためシーズンは打ち切られ、打率は.394で終わることとなった。
1996年には打率.353をマークしたが、規定打席には4打席足りなかった。しかし、残り4打席を凡打と計算しても打率.349となり、2位のエリス・バークス(ロッキーズ)の打率.344を上回ったため、メジャー史上初の既定打席不足での首位打者となった。
2001年のシーズンを最後に、通算打率.338、通算3141安打の記録を残して引退。1983年から引退する2001年まで、レギュラーシーズンの打率が3割を切ることは1度もなかった。オールスター出場15回、首位打者8回などの記録も残した。2004年に彼の背番号「19」がサンディエゴ・パドレスで永久欠番となる。野球殿堂入りの資格を得た2007年に532票(97.6%)もの高得票を集め、確実視されていた一年目での殿堂入りを果たした。
現在は米国のスポーツ専門テレビ局ESPNの解説者を務めるかたわら、母校のサンディエゴ州立大学野球部の監督を兼任し、後進の指導にあたっている。また、現在、同州立大学の野球場はグウィンの功績を称え、彼の名を冠した『トニー・グウィン・スタジアム』と名付けられている。
[編集] 選手としての特徴
甘いボールを逃さない、類稀なバットコントロールの持ち主。毎年高打率をマークするとともに、ほとんど三振を喫しない。8度の首位打者(1984年、1987年、1988年、1989年、1994年、1995年、1996年、1997年)を獲得しているが、これはメジャーリーグ史上歴代2位の記録(1位はタイ・カッブによる12回)である。
また守備もすばらしく、1986年から1991年の6年間で5回のゴールドグラブ賞を獲得。主にライトを守ったが、1989年にはセンターも務める。
若い頃の姿は俊足・巧打・堅守に加え、守備位置・長打力のなさなどからイチローの比較対象として出される事もある。歳とともに太った後年は守備面が衰え、引退年にはかつての面影はなかったが、巧打は最後まで衰えなかった。
[編集] エピソード
- 球界でも指折りの研究熱心さで知られ、自宅のビデオコレクションの多さから「キャプテン・ビデオ」とあだ名される。
- 本拠地クアルコム・スタジアムで打席に入る際には、「Tony "The hitting machine" Gwynn」とコールされていた。
- ファンサービスや社会奉仕に熱心で、1999年にはロベルト・クレメンテ賞も受賞している。
- これほどの成績を残しているにも拘らずシーズンMVPを一度も受賞できなかったため、「コンタクト・ヒッターは不当に軽視される」と不満を漏らすことがあった。
[編集] 獲得タイトル
- 首位打者8回 (1984年、1987年 - 1989年、1994年 - 1997年)
- シルバースラッガー賞7回 (1984年、1986年、1987年、1989年、1994年、1995年、1997年)
- ゴールドグラブ賞5回 (1986年、1987年、1989年、1990年、1991年)
- MLBオールスターゲーム選出 15回 (1984年 - 1987年、1989年 - 1999年)
- ブランチ・リッキー賞1回 (1995年)
- ルー・ゲーリッグ賞1回 (1998年)
- ロベルト・クレメンテ賞1回 (1999年)
[編集] 年度別打撃成績
年度 | 所属 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 盗塁死 | 打率 | 出塁率 | 長打率 |
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1982 | SD | 54 | 190 | 33 | 55 | 12 | 2 | 1 | 17 | 14 | 16 | 8 | 3 | .289 | .337 | .389 |
1983 | 86 | 304 | 34 | 94 | 12 | 2 | 1 | 37 | 23 | 21 | 7 | 4 | .309 | .355 | .372 | |
1984 | 158 | 606 | 88 | 213 | 21 | 10 | 5 | 71 | 59 | 23 | 33 | 18 | .351 | .410 | .444 | |
1985 | 154 | 622 | 90 | 197 | 29 | 5 | 6 | 46 | 45 | 33 | 14 | 11 | .317 | .364 | .408 | |
1986 | 160 | 642 | 107 | 211 | 33 | 7 | 14 | 59 | 52 | 35 | 37 | 9 | .329 | .381 | .467 | |
1987 | 157 | 589 | 119 | 218 | 36 | 13 | 7 | 54 | 82 | 35 | 56 | 12 | .370 | .447 | .511 | |
1988 | 133 | 521 | 64 | 163 | 22 | 5 | 7 | 70 | 51 | 40 | 26 | 11 | .313 | .373 | .415 | |
1989 | 158 | 604 | 82 | 203 | 27 | 7 | 4 | 62 | 56 | 30 | 40 | 16 | .336 | .389 | .424 | |
1990 | 141 | 573 | 79 | 177 | 29 | 10 | 4 | 72 | 44 | 23 | 17 | 8 | .309 | .357 | .415 | |
1991 | 134 | 530 | 69 | 168 | 27 | 11 | 4 | 62 | 34 | 19 | 8 | 8 | .317 | .355 | .432 | |
1992 | 128 | 520 | 77 | 165 | 27 | 3 | 6 | 41 | 46 | 16 | 3 | 6 | .317 | .371 | .415 | |
1993 | 122 | 489 | 70 | 175 | 41 | 3 | 7 | 59 | 36 | 19 | 14 | 1 | .358 | .398 | .497 | |
1994 | 110 | 419 | 79 | 165 | 35 | 1 | 12 | 64 | 48 | 19 | 5 | 0 | .394 | .454 | .568 | |
1995 | 135 | 535 | 82 | 197 | 33 | 1 | 9 | 90 | 35 | 15 | 17 | 5 | .368 | .404 | .484 | |
1996 | 116 | 451 | 67 | 159 | 27 | 2 | 3 | 50 | 39 | 17 | 11 | 4 | .353 | .400 | .441 | |
1997 | 149 | 592 | 97 | 220 | 49 | 2 | 17 | 119 | 43 | 28 | 12 | 5 | .372 | .409 | .547 | |
1998 | 127 | 461 | 65 | 148 | 35 | 0 | 16 | 69 | 35 | 18 | 3 | 1 | .321 | .364 | .501 | |
1999 | 111 | 411 | 59 | 139 | 27 | 0 | 10 | 62 | 29 | 14 | 7 | 2 | .338 | .381 | .477 | |
2000 | 36 | 127 | 17 | 41 | 12 | 0 | 1 | 17 | 9 | 4 | 0 | 1 | .323 | .364 | .441 | |
2001 | 71 | 102 | 5 | 33 | 9 | 1 | 1 | 17 | 10 | 9 | 1 | 0 | .324 | .384 | .461 | |
生涯通算 | 2440 | 9288 | 1383 | 3141 | 543 | 85 | 135 | 1138 | 790 | 434 | 319 | 125 | .338 | .388 | .459 |
- 太字はリーグ1位。
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、The Baseball Cube
先代: ビル・マドロック ティム・レインズ アンドレス・ガララーガ |
ナ・リーグ首位打者 1984年 1987年 - 1989年 1994年 - 1997年 |
次代: ウィリー・マギー ウィリー・マギー ラリー・ウォーカー |
先代: ポール・モリター |
ルー・ゲーリッグ賞 1998年 |
次代: マーク・マグワイア |
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選 手 | マーク・マグワイア | サミー・ソーサ | ロジャー・クレメンス | カル・リプケンJr | バリー・ボンズ | トニー・グウィン リッキー・ヘンダーソン | イチロー | ロベルト・クレメンテ |
選手以外の人物 | レイチェル・ロビンソン(故ジャッキー・ロビンソンの夫人) |
チ ー ム | シアトル・マリナーズ |
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ピート・ローズ | タイ・カッブ | ハンク・アーロン | スタン・ミュージアル | トリス・スピーカー | カール・ヤストレムスキー | キャップ・アンソン |