グリシン
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グリシン | |
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一般情報 | |
系統名 | aminoacetic acid(aminoethanoic acidはまれ) |
略号 | Gly,G |
分子式 | C2H5NO2 |
分子量 | 75.07 g/mol |
SMILES | |
CAS登録番号 | [56-40-6] |
性質 | |
融点 | °C |
溶解性 | |
水への溶解度 (g/100 g) |
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pKa | |
等電点 | 5.97 |
ファンデルワールス体積 | |
密度 | g/cm3 |
味 | |
出典 |
グリシン (glycine) とは、アミノ酢酸のことで、タンパク質を構成するアミノ酸の中で最も単純な形を持つ。別名グリココル。糖原性を持つ。 示性式は H2NCH2COOH、不斉炭素を持たないため、生体を構成する α-アミノ酸の中では唯一 D-, L- の立体異性がない。非極性側鎖アミノ酸に分類される。
多くの種類の蛋白質ではグリシンはわずかしか含まれていないが、ゼラチンやエラスチンといった、動物性蛋白質のうちコラーゲンと呼ばれるものに多く(全体の3分の1くらい)含まれる。
1820年にフランス人化学者アンリ・ブラコノーによりゼラチンから単離された。 甘かったことからギリシャ語で甘いを意味する glykys に因んで glycocoll と名付けられ、 後に glycine に改名された。
目次 |
[編集] 生合成
生体内では、セリンより、グリシンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(EC 2.1.2.1)の働きにより生合成される。
- 5,10-methylenetetrahydrofolate + glycine + H2O = tetrahydrofolate + L-serine
- 5,10-methylenetetrahydrofolate L-(+)-5,10-メチレン-5,6,7,8-テトラヒドロ葉酸
- tetrahydrofolate テトラヒドロ葉酸
[編集] 物性
- 分子量 75.07
- 等電点 5.97
- 溶解性 水・蟻酸に易溶、エタノールに不溶
- 溶解度(水、g/100g)22.5 (20℃)、33.2 (40℃)、45.3 (60℃)
- ファンデルワールス半径 48
- 味 甘(閾値 1.1 mg/ml)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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ヒトの必須アミノ酸 | トリプトファン - リシン - メチオニン - フェニルアラニン - トレオニン - バリン - イソロイシン - ロイシン - ヒスチジン |
ヒトの非必須アミノ酸 | アラニン - アルギニン - アスパラギン - セリン - アスパラギン酸 - システイン - グルタミン - グルタミン酸 - グリシン - プロリン - チロシン |
語句 | アミノ酸の代謝分解 - アミノ酸発酵 - 必須アミノ酸 - ペプチド - コドン - GABA |
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