ZJゲージ
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ZJゲージとは1/220スケール軌間6.5mmの鉄道模型の総称である。
「ZJゲージ」と名乗っているが、OjゲージやHOjゲージなど、他のゲージの「*jゲージ」と異なり、縮尺・軌間ともヨーロッパ型Zゲージと同じ1/220・6.5mmなので、事実上Zゲージと考えて良い。
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[編集] 概要
2006年4月、アキア(現プラスアップ)が、車輛単品と線路を付けた食玩「ZJゲージ」を発売した。他のゲージの鉄道模型と同じ、直流二線式の自走式(動力付き)細密モデルである。 商品の箱には車輛1輛、直線または曲線の線路1本、それに飴(第2弾ではガム)と解説書が同梱されている。動力車はシークレットの形で供給されている。動力車と付随車は重量が異なることから、サーチ対策として付随車のパッケージにはボール紙が入って死重となっており、逆に動力車のパッケージには線路が付属しない。
日本ではZゲージの商品化の動きはそれまで、量産品の自走式模型の分野では全くなかった。その状況下で、食玩という形態とはいえ、リリースされることとなり、鉄道玩具・鉄道模型の両分野のファンの耳目を集めた。
道床付き軌道に関してはメルクリンからも供給されず、事実上マイクロトレインズ社からの供給のみだったが、2007年、プラスアップより販売された。ただし、従来、同社から販売されていた線路との共通点は軌間のみで互換性はなく、接続する事は出来ない。
東京マルイからもPRO Zシリーズとして発売が開始された。今後、各社から発売が予定されている。
日本型Zゲージのスケールとして狭軌感を再現するため、スケールを重視した1/200を推進する向きも一部にあるが、互換性、その他の問題により、十分な支持を得られず、普及には至っていない。
[編集] プラスアップ
[編集] 製品化された車輛
- 485系
- クハ481(300番台・「電気釜」非貫通形)
- モハ484(200番台・シークレットに動力車あり)
- モハ485(後期形)
- サロ481(特急色、上沼垂色のみ)・サハ481(300番台・ひたち色のみ)
[編集] オプション
- パワーパック
- 2006年5月発売。最大出力10V・0.8A。
- 線路セット
- 2006年6月発売。
- 直線10本セット
- 曲線6本セット
-
- 道床付線路
- 金属製パンタグラフ
[編集] 東京マルイ
[編集] 製品化された車輛
[編集] オプション
- パワーパック(常時点灯対応)
- レイアウト
- ストラクチャー(予定)
[編集] 現状と課題
これまでZゲージは、マイクロトレインズも少数ながら存在したが、実質的にメルクリンの独占だった。車輛も欧州型や米国型ばかりで、日本国内の主流でZゲージよりも一回り大きいNゲージに比べ価格が数倍もする高価なものだった。 本シリーズが食玩という低価格を前提とした商品展開で登場したことにより、従来の図式を変えられるか注目される。実際、各地の鉄道模型専門店や量販店でも一定の取り扱いがあり、徐々に浸透しつつある。
第1弾の485系発売時点では動力車がシークレットモデルで3ボールにつき2個しかないので、これを入手できなければ走行不能という問題があった。 第2弾では動力車、電池式パワーパックが1ボールにつき1個ずつ入っているため、1ボールでエンドレスの線路、編成を揃える事ができるようになった。
延期に継ぐ延期により参入を疑問視する声も聞かれたが、高級路線の東京マルイ(PRO Z)が参入した事により市場の活性化が期待される。
天賞堂も参入が予定されている。また、日本型ストラクチャーも徐々に揃いつつある。
一過性の物に終わるか持続的に市場が拡大するかは、今後、他社の互換規格での参入や製品の拡充、供給形態の見直しが大きく影響することが予想される。日本のZゲージ市場を定着させるためには、今後の積極的な新規参入が望まれる状況である。
メルクリンの例を持ち出すまでもなく、1社だけでの展開には限界があるのは明白で、参入企業間の互換性の確保、フランジ高さ、連結器の規格の統一が早急に求められつつある。