JR東日本クモヤ743形電車
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クモヤ743形は、東日本旅客鉄道(JR東日本)に所属する交流専用の標準軌区間用事業用電車(牽引車)である。
1992年(平成4年)にクモヤ143-3から改造製作されたもので、新幹線区間で自力運転が可能な唯一の在来線用電車である。
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[編集] 改造の経緯
奥羽本線福島・山形間の新在直通運転(山形新幹線)開始に伴う改軌の際に、同区間の普通列車用として導入された719系5000番台電車は、定期検査を仙台総合車両所(現・新幹線総合車両センター)で実施することが計画された。交流50Hz20kV専用の719系5000番台電車は、交流50Hz25kVで電化されている東北新幹線区間を自力走行できないため、その区間の牽引用として本形式が改造製作された。しかし、定期検査は諸般の事情で山形電車区(現・山形車両センター)で実施することになったため、本形式の用途は構内入換や冬季の架線の霜取り、秋季の落ち葉掃きに限定され、新幹線の線路を走行したことはない。
[編集] 改造内容
改造内容は以下の通り。
- 軌間を1067mmから1435mm(標準軌)に変更。
- 直流専用 → 交流専用(交流50Hz20/25kV対応複電圧車、制御システムとブレーキシステムは719系に準拠)
- 車体前部の排障器(スカート)の強化
- タイフォンカバーのおわん形化
- 719系に対応した電気連結器の装備
[編集] 参考文献
- 『鉄道ファン』527号(交友社)