ICa
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ICa(アイカ)とは、北陸鉄道グループが運行するバス・鉄道で利用されている、非接触型ICカード方式による乗車カードの名称である。技術自体はソニーが開発したFeliCaを採用している。名称は、一般公募によって集められた642件の中から「利用客に愛されたいと言う意味を込めて、またICカードをそのまま表わしシンプルで覚えやすく親しみやすい」と選ばれた、北陸鉄道の登録商標である。
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[編集] 特徴
- プリペイドカードに定期乗車券とバス回数乗車券の機能を統合している。
- 紙製のバス回数乗車券を代替したため、運賃割引制度を継承している(「プレミア」と称する。詳細後述)。紙製のバス回数乗車券は車内でも購入可能だったため、車内でのプリペイド追加入金を可能としている。観光客などの短期少回数利用を想定して、11枚綴りの紙製回数券については引き続き販売している。
- 高齢者へのわかりやすさを考慮し、プリペイド追加入金のことを「積み増し」と称する。積み増しはバス車内および取り扱い窓口のほか、窓口に設置されている自動積み増し機でも行うことができる。
[編集] カードの種類
カードはいずれも、取り扱い窓口でのみ購入することができる。バス車内では販売していない。
- 一般カード
初回販売額は2,000円(カードデポジット500円、および利用残額1,500円にプレミア10%分150円が付与される)で、残額がなくなったらカードに「積み増し」し、1枚のカードを繰り返し利用することが可能である。
- プリペイドタイプ - 紙製のバス回数乗車券(10%割引)を代替したため、運賃割引制度を継承している。後述する会員登録をせずとも、希望すればカード表面に記名してもらえる。
- 新規に購入するとき、また追加入金(積み増し)時に、一律10%の「プレミア」がつく。
- 30分以内のバス乗り継ぎで、乗継割引(30円引)が適用される。30分以内の往復利用を想定しているほか、停留所を移動しての乗り継ぎ(降車停留所と再乗車停留所が不一致)でも適用される。紙製回数乗車券では実現不可能であった割引制度。
- 定期券タイプ - プリペイドタイプに定期乗車券機能を追加したタイプ。下記に示す会員登録がなされ、利用履歴照会の際は身分証明書(運転免許証など)が必要。
- 定期乗車範囲を乗り越した場合、乗り越し料金はプリペイド残高から精算される。乗り越し区間が両側にまたがる場合は、それぞれの乗り越し料金が減算される。
- 定期乗車経路外で利用した場合もプリペイド残高から運賃精算される。
- 会員登録
- 希望する利用客は取扱窓口で会員登録をすることができ、カードに氏名が印字される。カード新規購入時に限らず未登録の既存カードでも登録でき、登録したカードは紛失時の再発行が可能となる。登録手続きは、住所、氏名、生年月日、電話番号、性別、学生は学校名などを所定の申込用紙に記入のうえ、(未登録既存カードの場合は当該カードも供に)取扱窓口に提出すればよい。
- 利用者を限定する条件で発行する下記カードの場合は、会員登録が必要となる。
- 定期券タイプ
- ジュニアカード(自動的に小児運賃で精算)
- 特別割引カード(自動的に割引適用後の運賃で精算)
- 記念カード
贈答用途を含んでいるため、初回販売額や1枚のカードを繰り返し利用可能という点では一般カードと同じであるが、
- 会員登録をすることができない
- 定期券として利用することができない
という点で一般カードと異なる。
[編集] 利用可能範囲
- バス
プリペイドタイプ、定期券タイプともに利用が可能。乗車口近くに、ICaを使用することが可能であることを示すステッカーが貼ってあるバスで利用可能。
- 適用外
- 県外高速バス、定期観光バス、城下まち金沢周遊、能登・加賀方面特急・急行バス、イベント・臨時バスや、北鉄能登バス、北鉄奥能登バス、加賀温泉バスが運行する能登・加賀地区一般乗合路線では、ICaを利用することはできない。
- 鉄道
定期券タイプのみが利用可能。 鶴来駅・野町駅および内灘駅・北鉄金沢駅以外で降りる場合には、駅係員に経路・氏名などの印字面を提示しなければならない。
[編集] エコポイント
中心市街地活性化や、公共交通機関の利用促進などを目的として、2007年2月1日から開始された。
[編集] ICaをエコポイント対応カードに更新する
2007年1月31日以前に購入したICaは、エコポイントに対応していない。そのため、いずれかの方法でエコポイント対応カードに更新する必要がある。
- ICaの入金(積み増し)を係員が行っている窓口においてICaを提出、または入金(積み増し)する。バス車内や自動積み増し機では対応していない。
- ポイント端末設置場所においてICaにポイントを加算する。
[編集] エコポイントをためる
- バス
- 利用金額100円につき1ポイント加算(プリペイドタイプ)
- 定期券金額100円につき1ポイント加算(定期券タイプ)
- 買い物
- 加盟店ステッカーがある商業施設でICaを提示すると、購入金額2,000円につき20ポイント券を贈呈
- ポイント券は、ポイント端末設置場所へ持参するとICaに加算してくれる。
なお、当日ICaを使ってバスに乗っていれば、最寄りのバス停でなくともポイントの対象となる。
- カーシェア
- カーシェア会員になると毎月エコポイント券が贈呈される。
- カーシェア会員向けポイント券は、主要サービスセンターへ持参するとICaに加算してくれる。
- 詳しくはカーシェア金沢を参照してください。
[編集] エコポイントを確認する
バス車内、ICaの入金(積み増し)を係員が行っている窓口、ポイント端末設置場所で確認することができる。
[編集] エコポイントを使う
100ポイント以上になると、ICaへの入金(積み増し)時や定期券継続購入時に、自動的に100ポイント単位でバス運賃に還元される。なお、これについては、バス車内や自動積み増し機でも対応している。
[編集] その他
- 利用履歴照会 - 主な取扱窓口では、カードを提示することで最新から20件までの利用履歴印字を受け取ることができる。その際、会員登録済みカードの場合は身分証明が必要となる。
- 自動積み増し機 - 取り扱い窓口に設置されている自動積み増し機は1000円札しか使用することができず、つり銭も出ないために、利用には留意を要する。
[編集] 沿革
- 2003年4月1日 ICカード推進室発足
- 2004年
- 2005年3月1日 定期券タイプ運用開始(バス・電車) ※電車は一部区間のみ
- 2006年10月 発行数が10万枚を突破
- 2007年2月1日 「ICaエコポイント」を開始