IBM PC
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IBM PC(IBM Personal Computer)とは、IBMが1981年に発表したパーソナルコンピュータである。IBMが最初に発売したPCであり、現在の各社PC/AT互換機の元祖でもある。
目次 |
[編集] 呼称
正式名称は「IBM Personal Computer 5150」である。狭義には当モデルのみを指す。「初代IBM PC」と呼ぶ場合も多い。
広義には、IBM PCから派生したアーキテクチャ全般を示す用語として、IBM PCの後継モデルであるPC/XT・PC/ATや、更には各社のPC/AT互換機を総称する。例えば、アップルのMacintoshや日本電気のPC-9800シリーズなどと比較する場合に使われる。日本以外では単に「PC」と呼ぶ場合も多い。(日本以外では、Macintoshを除けば、IBM PC系しか事実上存在しないため。)
なお、IBM製のパーソナルコンピュータでも、日本独自仕様のマルチステーション5550などはアーキテクチャが異なるため、通常は「IBM PC」とは呼ばない。このため「IBM PC互換(IBM PC Compatible)」等の表記は、対象に注意する必要がある。なおPS/2(MCAモデル)は、ハードウェア面では「IBM PC」とは呼ばない場合が多いが、ソフトウェア面では「IBM PC」の系列である。
[編集] 概要
「IBM PC」として有名なIBMパーソナルコンピュータ (Personal Computer) は、IBM PC互換機のオリジナルであり元祖である。IBMのモデルナンバーは5150。1981年8月12日に発表された。フロリダ州ボカラトンにあるIBMエントリーシステム部門のドン・エストリッジ(Don Estridge)の指揮によるエンジニアとデザイナで構成されたチームによって開発された。
パーソナルコンピュータという用語は1981年の時点ですでに一般的に普及しており、ゼロックスのパロアルト研究所のAltoの特徴を示すため1972年頃という早い時期に使われていた。しかしながらIBM PCの成功により、IBM PC互換機を指す一般的な用語となった。
2005年第2四半期に中国の聯想集団 (Lenovo) グループは、IBMブランドのパーソナルコンピュータを生産する権利を認められた。これはその後のIBMのビジネスの中核がサーバとメインフレームのマーケットやビジネスコンサルティングやインフォメーションテクノロジーサービスにあるということを物語っている。
[編集] IBM PCのコンセプト
オリジナルのPCはApple IIとCP/Mマシンで独占されていたホームコンピュータ市場に入り込もうとするIBMの挑戦であった。
手頃なマイコンを設計するのにすでに失敗していたIBM(失敗作のIBM 5100のこと)は、いつもの設計プロセスをとるのではなく、会社の制約にとらわれずに市場からパーツを手っ取り早く調達することを認められた特別チームが作られた。プロジェクトチェスというコードネームがこのプロジェクトに付けられた。
そのチームはドン・エストリッジをリーダーとするわずか12人のメンバーで構成されていた。彼らは約1年でPCの開発に成功した。これを達成するため、彼らはまず、様々な国や企業から「既製品」のパーツを集めてマシンを構築することにした(OEM戦略)。IBMは自社開発するところは先にコンポーネントを開発していた。次に、他社が周辺機器や互換ソフトを製造販売できるように、オープンアーキテクチャとすることを決定。ROM BIOSのソースコードを公開した。IBMは競合他社が合法的にシステム全体をコピーする方法を見つけ出すことは考えていなかった。
このときドン・エストリッジと彼のチームは、801プロセッサを採用し、ニューヨークのヨークタウンハイツにあるIBMの研究所で開発されたオペレーティングシステムを使うことを考えていた(801はジョン・コック(John Cocke)によって設計された初期のRISCマイコンだった)。801は8088より少なくとも一桁はパワフルであり、オペレーティングシステム (OS) は最終的に選択したマイクロソフトのMS-DOSより何年も進んでいた。社内のソリューションを採用しないことにより開発期間を短縮しスケジュールの遅延を防ぐことができたのかもしれないが、とにかくIBMにとってこの選択肢は最終的には手に届かないものだった。
競合他社はまもなく機能的に等価なコピーを合法的に生産するためBIOSをリバースエンジニアリングした。コロンビア・データ・プロダクツ (Columbia Data Products) は最初のIBM PC互換機を1982年に発表した。コンパック(Compaq Computer Corporation)は最初のIBM PC互換のポータブルマシンを1982年11月に発表した(1983年3月まで出荷されなかった)。
IBM PCが商業的に成功すると、PCはIBMのいつもの営業戦略の管理下に戻されたが、結果的には競合他社が市場をリードすることの邪魔にはならなかった。この点について、IBMが彼らのプロダクトラインを「合理化(高価格モデルとの「競合」を防ぐために低価格モデルのパフォーマンスを意図的に制限)」するという慣例は逆効果であった。
[編集] サードパーティ流通チャネル
シアーズ・ローバック (Sears Roebuck) とコンピュータランド(Computerland)の経営者は当初よりIBMのチームと関与していた。IBMの社員、特にセールス&マーケティングの担当者であるH.L. "スパーキー"スパークス(Sparks)は、市場についての知識の多くを彼らに頼っていた。彼らは流れとしてはほぼ自動的に新商品の主要販売元となるはずだった。シアーズローバックはできる限りの総合施設を準備しており、そしてコンピュータランドがすでに190以上の店舗を所有していたことは特に重要だった。IBMとしてみれは発表と同時に全米中で十分販売できるということだった。結果的には、家庭市場よりも(元々からターゲットとされていた)オフィス市場に対して販売される結果となり、シアーズ・ローバックは失敗に終わった。
IBM全体のビジネスは次第にかつてない量の非常に安価な「箱」を販売する企業へと発展していったため、IBMの製品を販売する外部組織(IBM用語で「サードパーティー」)の使い道はPCだけにとどまらなかった。「小売業者」にローエンドのビジネスを委託することだけが、こうした新しい顧客を大量に取り扱う唯一の方法であるとIBMは当時考えていた。これは過去に食料雑貨店から自動車メーカーまで数多くの企業が採用し成功していたアプローチだ。このような他業種の戦略は膨大な末端消費者を対象としているためPCには適切とはいえなかったが、1990年代の終わりには多くのPCが車やテレビでさえよりも広く世界中に売られることになった。
[編集] IBM PCの機種
IBMの第一世代パーソナルコンピュータ (PC)
- オリジナルのPCはマイクロソフトBASIC(IBMカセットベーシック)をROMに搭載。model 5151は、標準的なテレビを利用できるCGA(Color Graphics Adapter)ビデオカードか、MDAアダプタとモノクロディスプレイを利用可能。標準記憶装置はカセットテープ。フロッピーディスクはオプションでハードディスクは利用できない。5つの拡張スロットを装備し、IBM純正の最大拡張メモリ容量は256KBで、メイン基板上の64KBと3本の64KBの拡張カードという構成。CPUは4.77MHzの8088で(1978年初期バージョン。Intel版は78年、82年、82年のバージョンがあり、1983年以降はAMDのセカンドソース版も採用された)、日本電気 (NEC) V20と交換することで若干高速化できた。8087コプロセッサを追加することで計算処理能力を強化できた。IBMは9、36、16KビットのDRAMチップのいずれかを使って16KBまたは64KBのRAMをプリインストールした構成で販売した。最終的にはより多くの拡張ボードスロットを搭載し、同時にハードディスクを搭載可能な拡張筐体IBM 5161をリリースした。
- オリジナルのPCは家庭市場向けとしては高価すぎたが、意外にもビジネス市場で大きな成功を収めた。IBM Personal Computer XTはビジネス用に拡張された機種である。8つの拡張スロットと10MBのハードディスクを搭載していた。64KビットのDRAMが導入され、メインボード上に256KBのメモリを搭載でき、後発のモデルは640KBまで拡張可能(384KBのBIOS ROMとビデオRAM空間で8088CPUの1MBある残りのアドレス空間が占有されていた)。通常はモノクロディスプレイアダプタ(MDA)ビデオカードとセットで販売された。このときはまだCPUが4.77MHzの8088であり、拡張バスはXTバスアーキテクチャという8ビットのISA(Industry Standard Architecture)であった。
- 1984年8月に発表されたIBM Personal Computer/ATは当初は6MHzの80286をCPUに採用。16ビットのISAバスと20MBのハードディスクを搭載していた。1986年により高速な8MHzで動作する機種が発表された。IBMはこれをマルチユーザーマシンとして市場に売り込もうと試みたが、主にパワーユーザーに対してより高速なPCとして売れた。初期のPC/ATは一部のソフトとハードの非互換性のために信頼性が低かったが、主に内蔵の20MBのハードディスクと関連していた。IBMのハードディスクコントローラーカードに問題があるという人もいれば、Computer Memories Inc. (CMI) の製造するハードディスクに問題があるという人もおり、CMIの33MBモデルを含むそれ以外のドライブではIBMコントローラーカードは問題なく動作した。この問題はコンピュータに対する疑念を招き、この間に286アーキテクチャも問題があるように世間で考えられたが、後にIBMは20MBのCMIのドライブをリプレースし、PC/ATの信頼性が認められて永久不滅の工業規格となった。
第2世代のIBM Personal System/2 (PS/2)はモデルナンバーModel 25、Model 30として知られている。各シリーズはCPUのクロック周波数によって区別される。
一般的にIBMパーソナルコンピュータはソフトウェアの互換性があるが、全てのプログラムが全てのマシンで動作するわけではない。一部のプログラムは特定の処理速度に依存している。古いプログラムは新しいハイレゾディスプレイ規格を利用しないだろう。
[編集] テクノロジー
[編集] ハードウェア
IBM PCのメイン基板をマザーボードという。CPUとメモリを搭載し、拡張カードのためのスロットがあるバスを持つ。
オリジナルのPCで使われたバスはとても広く普及し、後にISAと名づけられた。今日でも工業用途として使われている。後になってさらに高速・高機能なものが要求され、ニューバージョンの開発を強いられた。IBMはPS/2の製品ラインナップにMCAバスを導入した。VESAローカルバスはより高速な32ビットカードを最大3本まで搭載でき、EISAアーキテクチャは32ビットカードスロットと下位互換性のある標準規格として開発されたが、ハイエンドのサーバシステムでしか売れなかった。ローコストでより一般的なPCIバスが1994年に導入され、現在広く普及している。
マザーボードはハードディスクやフロッピーやCD-ROMドライブのような内部記憶装置とケーブルで接続されている。これらは3½インチ (3.5inch/90mm) や5¼インチ (5.25inch/133.4mm) といった標準サイズで作られる傾向があり、標準の位置にねじ穴がある。ケースはATまたはATXの規格サイズの電源 (PSU) を搭載する。
Intel 8086や8088ベースのPCは1MB以上のメモリで動作するためにEMS(expanded memory)ボードが必要だ。オリジナルのIBM PC ATは最大16MBのメモリをアクセスできるIntel 80286 CPUを採用した(標準のDOSアプリケーションでは拡張APIを使わない限り1MB以上のメモリにアクセスできないが)。OS/2で動くIntel 80286ベースのコンピュータは最大メモリで動作できる。
[編集] キーボード
1981年のIBM PCに付属したオリジナルのキーボードは元々、開発中止となった$10,000のIBMコンピューターシステムのためにノースカロライナで開発された、当時最も頑丈で高品質なキーボードであった。各キーは1億回以上のキーストロークに耐える信頼性があった。当時の他のパソコンのキーボードと比較して、IBM PCのキーボードはロールス・ロイスであり、高品質であるというイメージを確立する重要な役割を担った。1981年秋のByte誌においてはIBM PCを購入する理由の50%はキーボードにあると書かれていた。キーボードの重要性は、(平凡なキーボードを持っているということが主な理由となって顧客に貧相なイメージを与えた)IBM PC Juniorの失敗により確かなものとなった。非常にばかげたことに、1981年初期にチープでクオリティの低いキーボードの採用を経営者が真剣に考えたとき、ほぼ同様のことがIBM PCで起きた。しかしこの間違いはあるオリジナルの開発エンジニアのアドバイスにより辛うじて避けられた。
しかしながらオリジナルのキーボードはリターンキーと左のシフトキーが標準的な位置にないところが批判の的であった。1984年にIBMはATキーボードでこれを直したが、バックスペースキーが短くなって遠くなった。1987年に全てのファンクションキーとCtrlキーが再配置された拡張キーボードが導入された。ESCキーもキーボードの反対側に移動した。
IBM PC互換機は、例えばシフト済みカーソルキーのように、本当のIBM PCのキー配列を完全に再現していることを指しているわけでは無い。しかも一部の「互換機」メーカーはキーボードの交換を防ぐため、専用のキーボードインターフェイスを使うことがある。
キー配列も参照のこと
[編集] 文字コード
オリジナルのIBM PCは7ビットのASCIIアルファベットを基本的に使うが、非標準の文字コードは8ビットに拡張している。この文字コードは一部の国際的なアプリケーションに適さず、まもなく様々な中小企業がオリジナル文字コードの様々な国際版を提供した。IBMの慣例によりこれらはコードページと呼ばれた。これらの文字コードは現在では淘汰され、ISO 8859-1、Windows-1251、Unicodeといったより組織的かつ標準的な文字コード体系により置き換えられた。
以下はIBM PCのオリジナルの文字コードである。
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► | ◄ | ↕ | ‼ | ¶ | § | ▬ | ↨ | ↑ | ↓ | → | ← | ∟ | ↔ | ▲ | ▼ | 1- |
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! | " | # | $ | % | & | ' | ( | ) | * | + | , | - | . | / | 2- |
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0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | : | ; | < | = | > | ? | 3- |
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@ | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | 4- |
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5- |
P | Q | R | S | T | U | V | W | X | Y | Z | [ | \ | ] | ^ | _ | 5- |
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` | a | b | c | d | e | f | g | h | i | j | k | l | m | n | o | 6- |
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7- |
p | q | r | s | t | u | v | w | x | y | z | { | } | ~ | ⌂ | 7- |
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Ç | ü | é | â | ä | à | å | ç | ê | ë | è | ï | î | ì | Ä | Å | 8- |
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É | æ | Æ | ô | ö | ò | û | ù | ÿ | Ö | Ü | ¢ | £ | ¥ | ₧ | ƒ | 9- |
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A- |
á | í | ó | ú | ñ | Ñ | ª | º | ¿ | ⌐ | ¬ | ½ | ¼ | ¡ | « | » | A- |
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B- |
░ | ▒ | ▓ | │ | ┤ | ╡ | ╢ | ╖ | ╕ | ╣ | ║ | ╗ | ╝ | ╜ | ╛ | ┐ | B- |
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└ | ┴ | ┬ | ├ | ─ | ┼ | ╞ | ╟ | ╚ | ╔ | ╩ | ╦ | ╠ | ═ | ╬ | ╧ | C- |
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D- |
╨ | ╤ | ╥ | ╙ | ╘ | ╒ | ╓ | ╫ | ╪ | ┘ | ┌ | █ | ▄ | ▌ | ▐ | ▀ | D- |
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E- |
α | ß | Γ | π | Σ | σ | µ | τ | Φ | Θ | Ω | δ | ∞ | φ | ε | ∩ | E- |
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F- |
≡ | ± | ≥ | ≤ | ⌠ | ⌡ | ÷ | ≈ | ° | ∙ | · | √ | ⁿ | ² | ■ | F- |
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本トピックの詳細についてはコードページ437参照
[編集] 記憶装置
公式にはIBM PC model 5150の標準記憶媒体はカセットテープである。このテクノロジーは1981年の基準でも既に時代遅れであり、あまり利用されることは無く、フロッピーディスクドライブがインストールされないほとんどのIBM PCは在庫となった。1981年のPCは1~2台の160KBの5¼インチ片面倍密度(1D)フロッピーディスクドライブを搭載し、XTは通常1台の両面360KBドライブを(ハードディスクの隣に)搭載した。
XTはハードディスクが最初に内蔵されたIBM PCだった。大容量のハードディスクがIBM互換機でもまもなく利用可能となった。プリインストールされているハードディスクコントローラと互換性のないハードディスクを追加する場合は新しいコントローラーボードを接続しなければならなかった。一部のディスクは1枚の拡張ボードにコントローラーと共に統合され、これは一般に「ハードカード」と呼ばれた。
1984年、IBMは1.2MBの両面フロッピーディスク(2HD)をAT modelに採用した。バックアップストレージとしてよく利用されるが、高密度フロッピーは互換性の問題によりあまり使われなかった。1986年、IBMは720KB倍密度(2DD)3½インチマイクロフロッピーディスクを互換ラップトップコンピューターに搭載した。これはPS/2に1.44MBの高密度版(2HD)として搭載された。これらのディスクは既存の旧型PCにも搭載可能だった。1988年にIBMは、2.88MBの「DSED」ディスケットドライブをハイエンドモデルに搭載したが、これはすぐに失敗し、今日では忘れ去られている(ただしディスクフォーマットユーティリティの「サイズ」の選択肢として生き残っている)。
[編集] オリジナルのソフト
全てのIBM PCは比較的小さなソフトをROMに搭載している。オリジナルのIBM PCは40KBのROMを搭載し、起動時自己診断機能(POST)とBIOS機能に8KBが割り当てられていることに加えて、32KBのBASIC(カセットベーシック)が収められている。DOSの起動ディスクがない場合はROM BASICインタプリタがデフォルトのユーザーインターフェースとなった。BASICAはフロッピーディスクで提供され、PC-DOSの制御下でROM BASICを動かす手段を提供した。
[編集] IBM PCとPS/2の機種ラインナップ
機種 | 発表 | CPU | 特徴 |
---|---|---|---|
PC | 1981年8月 | 8088 | フロッピーディスクシステム |
XT | 1983年3月 | 8088 | 低速ハードディスク |
XT/370 | 1983年10月 | 8088 | System/370 メインフレームエミュレーション |
3270 PC | 1983年10月 | 8088 | 3270端末エミュレーション |
PCjr | 1983年11月 | 8088 | フロッピーベースのホームコンピュータ |
PC Portable | 1984年2月 | 8088 | フロッピーベースのポータブル |
AT | 1984年8月 | 80286 | 中速ハードディスク |
Convertible | 1986年4月 | 8088 | 3½インチマイクロフロッピーラップトップポータブル |
XT 286 | 1986年9月 | 80286 | 低速ハードディスクだが、マザーボード上にzero wait state memoryを搭載。これにより(プレーンなメモリを使った場合の)8MHzのAT機よりも、6MHzのこのマシンの方が事実上高速だった。 |
CPU | クロック 周波数 (MHz) |
CPU バス幅 (ビット) |
システム バス幅 (ビット) |
RAM (MBytes) |
フロッピー ディスクドライブ |
ハードディスクドライブ (MBytes) |
OS |
---|---|---|---|---|---|---|---|
8088 | 4.77–9.5 | 16 | 8 | 1 (1) | 5.25", 360 KB 3.5", 720 KB 3.5", 1.44 MB |
10–40 | PC-DOS |
8086 | 6–12 | 16 | 20–60 | ||||
80286 | 6–25 | 1–8 (1) | 5.25", 360 KB 5.25", 1.2 MB |
20–300 | PC-DOS, OS/2 | ||
80386 | 16–33 | 32 | 32 | 1–16 (2) | 3.5", 720 KB 3.5", 1.44 MB |
40–600 | UNIX |
80386SX | 16 |
- DOS上ではEMSメモリボードを搭載することにより1MB以上のRAMを搭載可能。
- DOS上では普通の拡張メモリとメモリマネージメントシステムにより1MB以上のRAMを搭載可能。
[編集] トリビア
- ドン・エストリッジを含むオリジナル開発チームのほとんどは1985年8月2日にデルタエアーライン191便の事故により死亡した。この大惨事の結果により、IBMや多くの会社が同時に1つの便に搭乗する従業員の人数を制限するようになった。
- Model 5150は映画チャイルドプレイの捜査シーンに登場した。
- 2006年6月の時点ではIBM PCとXTはほとんどの全米気象局の上空観測基地でまだ使用中である。気象観測用のラジオソンデ気球から送られてくるデータを処理するために使われている。これらはラジオソンデ交換計画により複数年に渡って段階的に廃止されつつある。
本記事はGFDLライセンスであるFree On-line Dictionary of Computingの内容に基づいている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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専用機 | 701 - 702 - 704 - 709 - 7030 - 7090 - 650 - 1401 - 1620 |
メインフレーム | S/360 - S/370 - 30x0 - 4300 - 9370 - ES9000 - zSeries - System z |
ミッドレンジ | S/1 - S/3 - S/34 - S/36 - S/38 - AS/400 - iSeries - System i - Power Systems |
UNIXサーバー | RT PC - RS/6000 - pSeries - System p - Power Systems |
PCサーバー | NetFinity - PC Server - xSeries - System x - BladeCenter |
デスクトップPC | IBM PC - XT - AT - 5550 - PS/2 - PS/55 - PS/ValuePoint - IBM PC Series - NetVista - ThinkCentre(Lenovo) - IntelliStation Pro |
家庭用PC | PCjr - JX - PS/1 - PS/V - Aptiva |
ノートPC | ThinkPad(Lenovo) |
参照 | IBMコンピュータ一覧(英語) - 各社メインフレーム一覧 |
現行とベースが別系統のシリーズは斜体 |