GUN BLAZE WEST
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『GUN BLAZE WEST』(ガン ブレイズ ウエスト)は、和月伸宏によって描かれた少年漫画。「週刊少年ジャンプ」で2001年02号から28週連載。単行本全3巻。略称は『GBW』、『ガンブレ』。
目次 |
[編集] 概要
19世紀のアメリカ西部を舞台にした西部劇(ガンアクション・コミックス)。西部のガンマンを目指す少年ビュー・バンズが落ちぶれたアウトローと出会い、幻の闘技場「ガン・ブレイズ・ウエスト」を目指し成長していくストーリーである。
前作の『るろうに剣心』はヒット作となるが、後半の「人誅編」は主人公の贖罪をテーマとする重いものとなり、作者によればこの頃には単純明解なキャラクターを主人公に少年の成長等のテーマを描く少年漫画を意識しはじめ、自身が描きたいものと作中のテーマのずれが生じていたという。『剣心』は作者の提案により連載が終了されるが、「人誅編」の後には西部劇を模し作品の雰囲気を変えた「北海道編」が構想されていたという。
連載はアメリカ取材旅行も行い満を期して始められたが、不完全燃焼なまま打ち切りとなり終了する。単行本の後書きによれば、作品に取り掛かる際主人公の人物設定等に難航し、さらに当初の連載開始予定よりも連載が大幅に早まり、準備期間もあまりない状況での連載開始となった為であるという。
作者にとっては思い入れのある作品であり、2003年には次回作として『武装錬金』が連載されているが、単行本3巻でラフ画が公開されているキャラクターが主要キャラクターとして登場するほか、作中で未消化となったキャラクターのデザインイメージが随所に活用されている。
また、るろうに剣心完全版ガイドブック『剣心皆伝』では、連載が続いていれば『るろうに剣心』の登場人物相楽左之助が登場したかもしれないと語っている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
時は1875年、アメリカ西部と東部の間にあるウィンストン村に住む少年ビュー・バンズはガンマンに憧れる小学生。この村に流れ着いたコソ泥のガンマン、マーカス・ホーマーと出会い、西部の果てにあるガンマンやアウトロー達の間に伝わる伝説の地『GUN BLAZE WEST(ガン ブレイズ ウエスト)』の存在を知り、共にかの地へ行こうと約束するが、この村にやってきたならず者達と戦いでマーカスは行方不明に。それから5年後、成長したビューは亡き友との約束を果たすべくガン ブレイズ ウエストへ旅立つ。
[編集] 登場人物
- ビュー・バンズ
- 西部の入り口の村に小学校の教師の姉、シィシィ・バンズと共に住む。始めは彼が小学生だったところから始まるが、それは序章に過ぎず、物語は彼が15歳へ成長し、生まれ故郷の村を後にしてガン ブレイズ ウエストを目指し旅立つところから始まる。性格は猪突猛進で単細胞。
- 9歳の頃から行っていた特訓により、素早い動きをし、後にコンセントレーション=ワンを体得する。
- コリス・サトー(佐藤こりす)
- 元は会津武家の娘。幕府滅亡、会津戦争で日本を追われ、新天地アメリカに夢を馳せ渡米した同藩士族らに「面白そうだったから」と付いてきた少女。夢破れたサムライらと別れ、サーカス団に入団。巻町操の飛びクナイを思わせるナイフ術でアウトローらと戦う。コンセントレーション=ワンも使用できる。
- ウィル・ジョンストン
- 西部で妹とともにサルーンで働く、知性溢れる縄使い。ボケボケコンビのコリス&ビューに突っ込みを入れる役割。大学教授だった父親が捜し求め、その謎を解明しようとしていたガン ブレイズ ウエストを目指し、旅立つ。
- マーカス・ホーマー
- ビューが小学生の時に出会ったガンマン。10年前にガン ブレイズ ウエストに行こうと西部に向かったが、自分の弱さを知り、何事にも尻尾を巻いて逃げ出し、マーカスを知る人物達からは「負け犬マーカス」と呼ばれていた。
- ビューにガン ブレイズ ウエストの存在を教え、共にかの地に旅立とうと約束するものの、村に現れたアウトロー達と戦い、行方不明となるが、最終話でその生存が判明。ビューの後を追うようにガン ブレイズ ウエストに向かう事となる。
- ロバート・ロドリゲス
- コリスが入団していたサーカス団の団長。ビューがガン ブレイズ ウエストに向かっている事を知り、その過酷さから止めさせようとするが、その決意を知り、今よりも一つ上の力を身に付けさせる。
- かつてビューと同じようにガン ブレイズ ウエストへ行こうとしたガンマンだったが、ヒントとして設定された小さな開拓村にて住民達が巻き込まれ虐殺される現場に遭遇し、ガン ブレイズ ウエストの負の部分を身を持って体験している。
- ガラリッパ
- ロドリゲスのかつての相棒。共に10年前にガン ブレイズ ウエストに向かおうとしていたが、ヒントとして設定された小さな開拓村にてアウトロー達の殺し合いに遭遇、その時の恐怖心から精神が崩壊し、一気に老人化してしまう。
- 10年後、自分の息子達を鍛え上げ、ロドリゲスを仲間に引き込み、再びガン ブレイズ ウエストに向かおうとするものの、ビューとコリスに息子達を倒され、自分もビューに殴られ逃げ出すが、ガン ブレイズ ウエストに行く事は諦らめていない様子。
- サージ・サンダーアーム
- ガン ブレイズ ウエストに向かっていたガンマンだが、その正体はアメリカ大統領からの命令で、ガン ブレイズ ウエストの真偽を確かめる為に派遣された軍人。かつてその余りの残虐さから英雄と呼ばれなかった人物で、左半身に試作実験兵器を搭載した超人兵士。甲冑男爵と戦うが、圧倒的な力の前に倒される。
- ちなみに、当初の予定ではビュー達の仲間になるはずだったが、打ち切りが決定したためにこの扱いになった。
- J・J'sギャング
- ガン ブレイズ ウエストに向うガンマンの一人。ジムとマイラを相棒にしている。「アウトロー・オブ・アウトロー」と呼ばれた実在の人物で、史実の人物を作中に登場させようと言うコンセプトから登場。ビュー達が頼れる大人であり、いつかは超えるべきライバルとして設定されている。
- 甲冑男爵(アーマーバロン)
- 10年前の勝者であり、その力を認められ、ガン ブレイズ ウエストより今年の案内人として信任された人物。星十字財団の若き頭首で、常に重さ1トンもある甲冑を装着し、背中に装備されているガン・サックによる爆発的な推進力で敵をなぎ倒す。
- 本来は西部劇と呼べるキャラではないが、コリスと並んで読者人気が高く、作者も気に入ったらしく後に『武装錬金』にて巨大ロボット破壊男爵(バスターバロン)として登場している。なお、作者曰く「こいつが出てくると話が終わってしまう」(武装錬金も打ち切りによってバスターバロン登場直後に連載が終了してしまった)ので、さすがにもう出す事はないらしい。
- バッファローライダー
- ガン ブレイズ ウエストへの第二の案内人。ほとんど怪獣のような巨大なバッファローに乗っている。巨牛を操る伝説のクライバンダ族の戦士で、甲冑男爵とも親交がある。
[編集] 作中用語
- GUN BLAZE WEST(ガン ブレイズ ウエスト)
- アメリカ西部の西の果てにあると言われる、西部のガンマンやアウトロー達の約束の地。腕に覚えのある者だけが、その地を踏む事が許される。その場所はアメリカ大統領ですら知らず、この地に行くためにはさまざまなミッションをクリアしなくてはならない。
- サイン=トゥー=ウエスト
- ガン ブレイズ ウエストに行く為の一種の通行証。方向を示すマークが描かれている。ゼロ=イヤー事に作られており、拳銃だったり、コンパスだったり、ナイフだったりとさまざまな道具で作られているが、その年のゼロ=イヤーが過ぎればただの記念品となってしまうものの、このサイン=トゥー=ウエストこそがガン ブレイズ ウエストが行われている証拠となっている。
- ゼロ=イヤー
- ガン ブレイズ ウエストで10年に一度行われる、最強の者を決める大会。西暦の末尾に0が付く年に開催される事から『ゼロ=イヤー』と呼ばれている。この年の中間である7月1日に、西部のどこかに定められたポイントにガン ブレイズ ウエストから派遣された案内人が現れ、サイン=トゥー=ウエストのマークを持つ者だけに道を知らしめるが、ポイント自体はサイン=トゥー=ウエストのマークを持っていなくても知る事が出来き、マークを持っていない者も集まる為、マークを持たない者が持つ者から奪い合うと言った血生臭い事件も起きてしまう。ただし、サイン=トゥー=ウエストを持っていなくても、案内人が認めれば、次のミッションに進む事が出来る。
- コンセントレーション=ワン
- コンセントレーション(concentration)は英語で「集中力」の意味。「集中した一瞬」とも言い、集中力を瞬間的に最大まで高める事により、動作より前に「認識」の段階でスピードと精度の向上を図る技。これを発動した瞬間には瞳孔が収縮し、反応や動作に直結し銃弾すらかわす事が出来るようになる。