D-LIVE!!
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『D-LIVE!!』(ドライブ)は、皆川亮二による漫画。七月鏡一・たかしげ宙・横溝邦彦などが脚本として参加した。週刊少年サンデー、2002年44号から2006年18号に連載された。また、サイドストーリーに主人公の父が活躍するスペシャルエピソードの『A-LIVE!!』がある。
目次 |
[編集] あらすじ
普段は普通の高校生。実は国際的人材派遣会社ASE(エース)で働き、あらゆる乗り物を使いこなせる斑鳩悟(いかるが さとる)。この斑鳩が乗り物を駆使して任務を遂行する活躍を描く。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 主な登場人物
[編集] ASE
- 国際的人材派遣会社(Almighty Support Enterprise)の略。依頼があれば、優れた人材を目的に合わせて派遣する。高額料金ながら仕事は迅速にて完璧なため、信頼度は高い。特殊な依頼にも対応すべく、世界中にあらゆる分野のスペシャリストが存在する。「軍人からベビーシッターまで常に一流を派遣する」がモットー。
- 斑鳩悟(いかるが さとる)
- D-LIVE!の主人公でASE所属のスーパーマルチドライバー。エンジンさえ付いていればどんな乗り物でも瞬時にシンクロして乗りこなす特殊技能を持つ。しかし普段はボーッとしていることが多く、しばしば「さえない高校生」「ダメ人間」などと評されている。
- アパートにて一人暮しをしており、常に貧乏と戦っている。本来はASEからの高額な報酬で生活は楽なはずなのだが、百舌鳥の方針でどんな困難な仕事を完遂しても基本的に1万円しか貰えない。後に自分の本当の収入が入った預金通帳を受け取るが、それでも長年培われた貧乏気質が変化する事はなく、全額定期預金した。ASEの仕事で学校を休むことも多いため、常に留年の危機に瀕している。連載開始時は高校2年生で、後にどうにか3年生に進級、本編のクライマックスエピソードとなる「大地の果てまで」以降は信頼がガタ落ちしたASEを立て直すためマルチドライバーに専念した形となってしまい学校には殆どいけなかったようだが本人はやや不本意ながら卒業できたようだ。
- なお、オウルや波戸、亜取と違い基本的に直接戦闘を行う機会は少ないが、百舌鳥の訓練や修羅場をくぐりぬけて来たためか、肉体そのものはかなり鍛えあげられている。乗り物に乗っている状態では戦闘能力も高く、運転技術を生かし、乗り物を自在に操って戦う。一方で自分が運転しているマシンを庇いすぎるという弱点を抱え、一度そこをロコに突かれ敗北してしまうが、その後の師でもある百舌鳥との戦いでは自らのスタイルを貫き、相手のマシンとまでシンクロして戦うという領域に達している。乗り物を操縦する際の口ぐせとして「お前に生命を吹き込んでやる!!」、「お前に魂があるのなら応えろ!」がある。
- なお、18歳になっていないのに自動車を運転しているが、国際免許を持っているため違反扱いにはならない。最も扱いなれているバイクはホンダXR250のようで彼がバイクで戦闘をするエピソード「暗殺者」「大地の果てまで」でも乗りこなしている。
- 百舌鳥創(もず はじめ)
- ASE日本支部長。元傭兵で類まれな戦闘能力を持つ上、どんな乗り物でも乗りこなすことから「デス・マシン」の異名を持つ。悟に乗り物の運転技術を叩き込んだ師匠的存在。悟の素質を誰よりも認めているがそれを表には出さない。
- 現役時代には悟の父親である斑鳩真とコンビを組み、数々の伝説を作る。若い頃は欠点として今とは違い直情的過ぎる性格で真のフォローが無いと窮地に陥る事も多かったが反面、土壇場の爆発力は真も一目置いていた。
- 真の死がきっかけで、真のASEドライバーとして目覚め、火浦剛斎に打ち勝つが、その戦いで右目の視力を失っている。しかし、それを全く感じさせない運転テクニックとカザロフより早いナイフ捌き、亜取アキラを一撃で沈めた戦闘技術を持ち続ける本編最強キャラであると思われる。
- 清水初音(しみず はつね)
- クレーバー・オウル
- 潜入工作のスペシャリスト。女好きで自信家。付き合いが長いからなのか悟からは年齢が離れているにも関わらずタメ口である。自称「ジェームズ・ボンドを超える男」(これは難民だった時代にタダで観ていた007のリバイバル映画の影響。しかし彼の師匠に「ジェームズ・ボンドは二流」と言われている為、現在の彼がどの様な意図でこう言っているかは不明)。乗り物に極端に弱く、悟が運転する乗り物に同乗すると必ずといっていいほど嘔吐する。本編ではアクアダを運転したこともあったが、結局乗り物酔いで途中で悟と交代した。なお、この時に悟同様「今この僕がお前に命を吹き込んでやる」と言っている。潜入工作は超一流に達している。拳銃で100m先の敵を狙撃できるほど射撃の腕は超人級だが、格闘技術は波戸より劣るらしい。クロアチア内戦における難民出身で、軍隊在籍経験がある。エピソード毎に出てくる女性を口説いているが、大抵敵対する女性でロクな目にあっていない。
- 烏丸理香(からすま りか)
- 地質学のスペシャリスト。明慶大学で地質学の講師も努め、その美貌と頭脳で学生の羨望の的になっている。チョコレート系スナック菓子を持ち歩いており、悟が空腹を訴えると菓子を差し出す。アキラとは仲が良い。意外と怪力。*: 悟の活躍を見て以来、何かと気になる様子である。父親は奥竹村の村長で村に事件が起きたときに悟を連れて行った時は両親に「自分達に紹介するために連れてきたのか」と言われ赤面していた。
- ジェームス・波戸(じぇーむす・はと)
- 波戸大樹(日本名)と名乗る回もある。元ニューヨーク市警特殊部隊SWATの隊員で格闘術と爆弾処理のスペシャリスト。軍隊にも在籍していた。日系人(関西人)の父とアングロサクソン系の母との間に生まれた混血児。日本語は堪能で、関西弁である。外国人との会話時も関西弁のままである。かつてSWATの任務中に爆弾で瓦礫の崩落に巻き込まれ重傷だったところを斑鳩に助けられたことをきっかけにASEエージェントとして入団した。潜入工作等は譲ってしまうようだが格闘術はオウルより優れている。ある事件で対決したキマイラのユーリィ・カザロフ少佐とは因縁深い関係である。なお、裏設定ではロコよりは年上という設定。
- 亜取アキラ(あとり あきら)
- 雉山康明(きじやま やすあき)
- 元ASE所属のヘリパイロット。アルピニスト。ASE創設時からのメンバーであり、ヘリ操縦の百舌鳥や悟の師匠でもあった。
- 斑鳩真(いかるが まこと)
- 故人。悟の父であり、伝説のASEドライバー。ASE創設期からASEドライバーとして在籍している。悟と同じく乗り物を操る才能は天才的で、その死まで百舌鳥創とコンビを組んで活躍したが、火浦剛斎との戦いで命を落とした。
- スタントマンであった親を亡くした後、初代ASE会長に引き取られ、ドライバーとしても鍛えられる。育ての親と言える初代ASE会長には大変な恩義を感じており、結婚して悟が生まれてからも第一線で戦い続けていたのは、ひとえにその恩を返すためだった。その生い立ちからか普通の家庭に憧れており、家族を非常に大切にしていた。好んで使用していたのはランチア社製のラリーカー。
- 斑鳩霞(いかるが かすみ)
- 故人。斑鳩真の妻にして、斑鳩悟の母。悟が幼い頃に病死した。
- 元格闘専門ASEエージェントで、現役時代は要人警護や戦闘鎮圧の任務の中、真と組んだ事もあったようだ。格闘技の達人で、病に冒された身体でもその能力はヤクザ数人をものともしない物だった。
[編集] キマイラ
- キマイラ(ミハイル・セルゲイヴィチ・カラマーゾフ)
- ロコ
- サーメル国のフンセル王直属暗殺部隊のフンセル親衛隊隊長として、"砂漠のジャッカル"の異名で恐れられていたが、斑鳩の活躍により国を追われるはめになった。国の情勢が不安定だったため、物騒な仕事についていたが、本当はレーサー志望でバイクの腕は確かなものである。ドライバーとして、斑鳩に純粋なライバル心を抱いている。国を追われた後、キマイラにマルチドライバーとして雇われ、レース復帰の資金を稼ぐ。スタイルは百舌鳥の直接の愛弟子であった悟(マシンを自在に操ることに特化)よりもロコ(マシンに乗りながら武器を使える)のスタイルのほうが百舌鳥に近い。
- イギリス人の外交官であった父とサーメル国人の母の間に生まれたハーフで、本名はロッコ・レイモンド。エピローグでプロレーサーとして表舞台に立ち、悟が出てくるならどんなレースでも参加する、と言っている。本編で使用していたバイクはフサベル、後に「大地の果てまで」の時には悟に合わせてヤマハのセローを使用。
- ユーリィ・カザロフ
[編集] 友人・知人
- 短髪の寺西、メガネの松崎、長髪の小野
- 斑鳩の友人達。斑鳩の仕事や能力の事は知らず、ただのボンクラ扱いしていたが、修学旅行中にトラブルに巻き込まれた際に斑鳩の仕事について知る事となる。斑鳩の正体を知った後も全く態度は変わらないが、家族に斑鳩の事を自慢しているようである。
- 春日
- 斑鳩のクラスの委員長を務める普通の女子高校生。美人で成績も優秀。大のバイクファンで学校に内緒でバイク通学しているという一面もある。8耐レースに出場した時の記録を見て斑鳩の並外れた運転技術に気が付く。そして事件に巻き込まれ斑鳩がASEドライバーである事を知る。以降斑鳩が3年生に進級したあたりから準レギュラーとして出番が増える。斑鳩の事が気になっているようだが、報われた事はない。自称「天才ライダー斑鳩悟のファン第1号。」。愛車はスズキSV400。
- 稲垣
[編集] その他
- ロットン
- ハリウッドのスタントマン。大ヒット映画「ワイルドラン」シリーズのスタントを担当している。親友をスタントの事故で失い引退を考えるほどモチベーションを失っていたが、「ワイルドラン2」製作時に悟がASEから派遣され、親友を思い出させる悟のマシンに対する愛情やテクニックから彼を認め始め、スタント業を続けることにする。直後妨害工作の罠に嵌り負傷してしまったあとは悟に残ったスタントアクションを託す。後に自身のアクションスタジオを設立。「ワイルドラン3」のアクション監督を任されている。悟のマシンを操る上での弱点(悟の弱点はまだ物語上でクローズアップされていなかった)を早期から見抜いていた人物。
- 火浦剛斎(ひうら ごうさい)
- 東洋の破壊王(アジアンクラッシャー)の異名を持つ、歴戦の兵士。斑鳩真を殺害し、百舌鳥の右目を失明させた人物。戦闘の流れを支配する能力に優れている(敵に圧倒的な能力を見せ付けることで、敵に恐怖感を植え付け、あたかも敵の攻撃を先読みしたかのような錯覚に陥らせる)。身体的能力も人並み外れており、彼に狙われた人物は、百舌鳥を除いて誰一人として生き残ることが出来なかったという。10年間刑務所にて服役し、出所後に百舌鳥と斑鳩悟と対峙する。
[編集] 用語
[編集] その他
- サブタイトルは様々な映画のタイトルから採られている。
- 主要登場人物の名前が鳥に関係したものになっている。
いくつかのエピソードで登場した乗り物がきっかけで新聞に取り上げられることがあった。 またレスキューマシンとして使われている「援竜」の知名度がこのマンガをきっかけによく知られるようになった。