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CG(X) - Wikipedia

CG(X)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

CG(X)の想像図
CG(X)の想像図

CG(X)はアメリカ合衆国海軍が2008年現在も開発中の新型ミサイル巡洋艦である。2008年現在現役のタイコンデロガ級イージス巡洋艦の代わりとなるよう、早ければ2011年に発注が行なわれる[1]

目次

[編集] 開発の経緯

当初は計画名「CG-21」の下で弾道ミサイル迎撃能力などを重視した艦として開発が開始されていたが、2001年11月にそれまで別計画で進行していた沿岸域での戦闘に対応した対地攻撃駆逐艦の開発計画である「DD-21」と沿海域戦闘艦の開発計画である「LCS」と「CG-21」が相互に技術と設計を共用することが決定され、これに伴ってCG-21の計画名も「CG(X)」に変更された。CG(X)はズムウォルト級ミサイル駆逐艦をベースとする艦となる。

[編集] 米海軍の次世代型戦闘艦群

米海軍ではタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の次世代艦としてCG(X)を、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の次世代艦としてDD(X)を、また新たに生まれた沿岸域での戦闘能力強化の必要性に対処するための2,000トンクラスのLCS、という3種類の新たな戦闘艦群の開発計画を進めている。この内、DD(X)計画ではズムウォルト級ミサイル駆逐艦が、LCS計画でもフリーダム級沿海域戦闘艦インディペンデンス級沿海域戦闘艦という形で実を結びつつある。

主に海上から地上目標を攻撃する機能を重視された駆逐艦の建造計画ではDD-21からDD(X)に計画名が変更されるなど曲折を経て、最終的にはズムウォルト級ミサイル駆逐艦が登場しており、2008年5月現在既に初号艦の建造が始められているが、CG(X)の開発がうまく進んで米議会が同意すれば、CG(X)はタイコンデロガ級の代わりとされて、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦の建造数を越えるかも知れない。

[編集] 要求または、予定される機能

  • 艦隊での防空能力
    • 航空機とミサイルの脅威に対して長距離対空ミサイルによって艦隊を守る。
  • 向上型ミサイル
    • 従来より大型・高速・長射程のミサイルによって、数百マイル離れた陸上からの経空脅威に対処する。
    • 沿岸域での各種作戦も実行できる。
  • 先進レーダーシステム
    • より見つけにくい長距離で低レーダー反射性の脅威を迎え撃つ。
    • 航空優勢を支えるだけでなく、大気圏外からの弾道ミサイルを探知、追跡、誘導を行なう。
  • ステルス性を備えた船体
    • 他の船からのレーダー探知を困難にする。
  • 完全電気化 - DD(X)と同じく船内では推進力も電気の力で得る統合電力システム(Integrated Power System, IPS)を搭載する。
    • 建造コストと維持コストの削減
    • 将来の艦載兵器への対応余力
    • 生残性の向上
    • 船内設計の自由度向上
    • より大きな力を得る
  • 技術の共用化
    • DD(X)と共に艦内自動化技術を新たに開発し、現在の人手の掛かる作業の省人化によって駆逐艦並みの人員で巡洋艦を扱えるようにして、保守に割く労力を戦闘能力の向上に振り向ける[2]

[編集] 原子力プラント

原子力プラントを主機関として採用するかどうかについては、未だ結論が出ていない。米海軍では2011年から11隻の巡洋艦の建造を始めたとすると1隻当り600万ドルから800万ドル程度の費用増加で済むとしている。原子力動力では燃料の頻繁な再補給が不要となるメリットに加えて、石油価格の上昇によって燃料経費が大幅に削減できる点についても考慮されている[3]

Defense Newsの情報によると、次期巡洋艦はズムウォルト級ミサイル駆逐艦をベースとする通常動力・電気推進の1,4万トン級CG(X)で建造数は14隻、そして二つ目が新型の2,5万トン級原子力巡洋艦CGN(X)で5隻の建造が計画されている。

2,5万トン級原子力巡洋艦CGN(X)の主任務は洋上でのミサイル防衛であり、現在三隻が配備されている完全ABMD(イージス弾道ミサイル防衛)能力巡洋艦(イージス巡洋艦の「レイク・エリー」(CG-70)、「ポート・ロイヤル」(CG-73)、「シャイロー」(CG-67))の後継艦となる。ミサイル防衛能力は1,4万トン級CG(X)より高度なシステムが採用されるという。

[編集] 日本とCG(X)

CG(X)の鍵となるシステム、サブシステム及び関連技術の日米共同開発が行われている。

[編集] 出典

  1. ^ [1] - Navy Times: 25,000 Ton Cruiser Under Consideration
  2. ^ [2] - 米海軍のCG(X)に関するWebページ
  3. ^ [3] - globalsecurity.org

[編集] 関連項目

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