魔縁
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仏教 |
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魔縁(まえん)とは、仏教用語で、障魔となる縁(三障四魔)のこと。また特に第六天魔王波旬を指す。また、いわゆる慢心の山伏である天狗が、魔界である天狗道に堕ちた者たちを総称していう場合もある。
目次 |
[編集] 仏教の魔縁
三障四魔(さんしょうしま)とは
- 三障(Skt:āvarana-traya)
- 聖道を妨げ、善根を生ずることを障害する3つ
- 四魔(Skt:catovāro-mārāh)
- 生命を奪い、またその因縁となる4つ、またそれを悪魔にたとえたもの
のこと。
[編集] 天狗の魔縁(外道、外法)
詳細は天狗の項目を参照
本来、天狗は中国の彗星などのことであり、仏教とはまったく無縁であったが、日本に伝わると密教の胎蔵界曼荼羅の星辰と付会・習合され、俗信が混じるようになり、さらに平安時代以降、名利をむさぼり慢心をもつ傲慢で自我に捉われた修験僧(山伏)のこととされるようになった。ちなみに、これが後世に高慢な人を指して「あいつは天狗だ」などと言うようになった。
そのような修験僧は、死後に天狗道という魔界に転生すると考えられるようになった。
したがって、天狗道は仏教の六道の範疇にないことから、その六道の輪廻からも外れた魔界であるとされる。仏教の知識があるため、人間道には戻れず、地獄道、餓鬼道、阿修羅道、畜生道には堕ちず無道心であるため天道にも行けず、天狗道に堕ちるとされる。そのため、6つの道から外れて救済不能な道、あるいはその道の者を外道と俗称する(しかし外道の本来の意味は、悟りを得る内道を説く仏教に対し、それ以外の六師などの教えを指していうのが通常の用法である)。
天狗は慢心の山伏がなるもので、その姿は山林に住む鳥そのものに例えられる。修行する者にとって、仏道を妨げるものの一つとして、怪異な音は、鳥の声や羽ばたきだったとも言われる。
[編集] 大魔縁 崇徳院
五部大乗写経をして怨念をもって死んだ崇徳天皇は、「日本国の大魔縁になる」と言い残したとされる。しかし、現在では白峯神宮の神となっている。