陽気なギャングが地球を回す
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『陽気なギャングが地球を回す』(ようきなぎゃんぐがちきゅうをまわす)は、伊坂幸太郎のサスペンス小説。続編として『陽気なギャングの日常と襲撃』が2006年5月に刊行されている。
目次 |
[編集] 概要
それぞれ特殊能力を持つ4人組強盗団が奪われた「売り上げ」を奪還すべく活躍する。伊坂幸太郎独特の文体とスラップスティックコメディの内容が受け、新書版(祥伝社ノン・ノベル)は10万部以上を売り上げ、文庫版(祥伝社文庫)もベストセラーとなった。その結果、伊坂の名はミステリファンのみならず一般にまで知れ渡った。
「オーシャンズ」シリーズを思わせる設定だが、伊坂は泥棒たちの話を書きたかっただけなため、それは意識されていない(しかし映画版の予告編には〝「オーシャンズ11」に満足出来なかった人へ〟とのテロップがあった)。
[編集] ストーリー
ロマンはどこだ。
人間嘘発見機、演説の達人、天才スリ、そして正確な体内時計を持つ女。この4人の天才達は「人を傷付けない」ことをポリシーとする銀行強盗だった。その戦歴は百発百中……のはずが、思わぬところで誤算が生じ、せっかくの「売り上げ」を逃走中の現金輸送車強盗犯に横取りされてしまう事に。そこで彼等は奪還に動こうとする。
[編集] 登場人物
- 成瀬
- 他人の嘘が見抜けてしまう人間嘘発見機。その特異な能力のおかげで恋愛に失敗した苦い過去も多々。普段は市役所に勤める公務員。性格は至って沈着冷静、用意周到で、別れた妻の元に自閉症で愛しい息子のタダシがいる。
- 響野
- 止めどなく湧き出る泉のように言葉を紡げてしまう演説の達人。しかしそのほとんどがでたらめであるため、時折本当の事を話しても信じてもらえない事もある。愛妻・祥子と共に喫茶ロマンを経営しているが彼のいれるコーヒーは美味しくないともっぱらの評判。
- 久遠
- 動物と自然をこよなく愛するスリの天才青年。彼の中では動物>人間というはっきりとした優先順位が確立されている。青二才らしい暢気さと優雅さを備えている。「売り上げ」が入るといつもニュージーランドに羊とゆっくりしに行っているらしい。
- 雪子
- コンマ1秒単位で正確な体内時計を備え持った女性。銀行強盗の際には運転手として参加することが殆どだが、若い頃から盗難車で夜な夜なドライブしていただけあって彼女のドライビングテクニックはピカイチである。親に愛されなかった過去を持つが今は一人息子の慎一と共に幸せな生活を送っている。
- 田中
- 合鍵からナンバープレートから盗聴器まで大抵のものは何でも作ってしまう男。母親とマンションで二人暮らしだが、滅多に外に出る事は無い。以前暴行された経験を持つ為、若者が嫌い。成瀬の事は気に入っている。
- 慎一
- 雪子が溺愛している中学生の一人息子。背は同年代の平均よりも少し高く、体重は若干少ない体型で整った顔立ちをしている為、雪子はよく「慎一はモテる」と自慢しているがそれは親の欲目だけでは無い様子。喫茶ロマンによく出入りしているせいで大人達から人生に必要で無駄な知識を教え込まれている。
- 祥子
- 響野の愛する妻。はつらつとしていて背は高く、三十代半ばではあるが非常にスタイルが良い。夫のいれるコーヒーは最悪だが彼女がいれるものはとびきり美味しい。
- ちなみに「アヒルと鴨のコインロッカー」の中で主人公・椎名の叔母として名前が出てくる。
[編集] 映画
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- 監督:前田哲
- 脚本:前田哲、長谷川隆、丑尾健太郎
- 音楽:佐藤五魚
- 主題歌:Skoop On Somebody「How We Do It!!!」
- セカンドユニット監督:尾上克郎
- カースタント:雨宮正信(スーパードライバーズ)
- エグゼクティブプロデューサー:島本雄二、松本輝起
- プロデューサー:福山亮一、和田倉和利
- ラインプロデューサー:大西洋志
- 製作プロダクション:シネバザール
- 製作:電通、シネバザール、ジェネオン・エンタテインメント、レントラックジャパン、日本出版販売、葵プロモーション、IMAGICA、Yahoo! JAPAN
- 配給:松竹
[編集] 主題歌
- 主題歌:Skoop On Somebody 「How We Do It!!!」
- エンディングテーマ:Skoop On Somebody+AKIKO WADA 「(Everything will be) All Right」
[編集] コミック
xxxx年、耕野裕子によるコミック版が講談社「BE・LOVE」に連載され、2006年に同社からBE LOVE KCDXのレーベルで単行本が発売された。全一巻。