阿難
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阿難陀 (Aananda) | |
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尊称 | 仏教第三祖 |
生地 | インド |
宗派 | (原始仏教) |
師 | 摩訶迦葉 |
阿難(あなん、アーナンダ、阿難陀の音写略、名前は後述)は、釈迦の十大弟子の一人。多聞第一と称せられた。摩訶迦葉の跡を継いで仏法付法蔵の第3祖となった。
目次 |
[編集] 名前
各種仏典には、仏弟子や龍王をはじめとして、nanda(難陀)という名前が頻繁に登場する。たとえば孫陀羅・難陀も本項の「阿難陀」と名前が似ているため、よく混同されるが、これも別人である。
[編集] 人物・出身
彼の出身は経典によって諸説あり一致しない(後述)が、一般的には釈迦の従弟で、様々な経典に釈迦とその教団に違背した悪人として描かれている提婆達多の弟とされる。
彼は、釈迦が成道した夜に生まれたといわれる。大智度論によると、彼の父である斛飯王(こくぼんのう、ドロノダーナ)が、釈迦の実父である浄飯王(じょうぼんのう、スッドダーナ)のもとに使者を送り、阿難の誕生を知らせた時、浄飯王は非常に喜んだので「アーナンダ(歓喜)」と名づけられたといい、また国民は皆、王子の誕生を喜び、それによって名づけられたともいわれる。彼も阿那律などの諸王子と共に釈迦仏の元に赴き仏弟子となった。時に釈迦が55歳、阿難が25歳といわれる(もしくは8歳で沙彌=年少の修行者となったという説もある)。
なお、『仏本行集経』によると、出家する時に釈迦仏から許しを得ず、阿難と提婆達多の2人だけは、雪山(ヒマラヤ)のふもとの長老、優波陀(ウバッダ)に就いて出家し具足戒を受け、師の許しを得て仏所へ赴いて弟子となったとされる。
彼は美男子ゆえに、女難を被ることが度々あったといわれるが、志操堅固にして身を護り修行を全うした。また智慧多くして諸経を持誦していたが、心を摂する点に欠け、定と慧が均等でなく、漏尽通を起くことができず、仏の入滅前まで未だ有学の人で阿羅漢果を得なかったといわれる。
釈迦仏の養育母である摩訶波闍波提(まか・はじゃはだい=マハー・プラジャパティー)たちが出家する際、釈迦仏が女人の出家をなかなか認めなかったことで、阿難が釈迦仏を説得せしめ、ついに女人の出家が認められるようになった事は特筆する点である。
出家後、釈迦が死ぬまで25年間常に近侍し、身の回りの世話も行っていた。そのため教説を最もよく記憶していたので、第1回の経典結集の時には彼の記憶に基づいて釈迦の教えを口述し、経典が編纂されたという。
釈迦生存中には悟っていなかったので、結集の口述が出来ない立場にあったが、最も多く聞いていたため、急遽、摩訶迦葉(まかかしょう)が指導を続け、その疲れで寝具に倒れ込む時に忽然と悟ったので、経典結集に間に合ったという。
仏の入滅の前後には悲嘆慟哭したので、阿那律から制止されたといわれ、また経典の結集の際にも経典以外の戒律などは細部の点を覚えておらず、他の弟子衆や摩訶迦葉から「なぜ釈迦仏に細かい点を問いたださなかったのか」と責められたという話も伝わっている。
阿育王経巻7、阿育王伝巻4、法顕の仏国記、また玄奘の大唐西域記などによると、彼はマガダ国やヴェーサリー国の離車族(リッチャヴィ=ヴァッジ国)族の人々から厚く信頼されていたといい、彼は自分の死後に遺骨が争奪されることを憂い、ガンジス河の中洲において、マガダ国の阿闍世(アジャータサットゥ)王と離車族が相来した後に、舟中から虚空に上昇し、火光三昧に入って120歳にて寂し、その遺骨をそれぞれ二分して両岸に落としたという伝説がある。各国の王は、その遺骨を奉じ塔を建立したといわれる。
[編集] 出身の諸説について
阿難及び釈迦族の系図は経典によって様々であり、一致しないがここでは主だった説を記す。
- 白飯王(はくぼんのう、シュクロダーナ)の子、兄:阿難、弟:提婆達多(五分律の説)
- 斛飯王の子、兄:提婆達多、弟:阿難とする(大智度論の説)
- 甘露飯王(かんろぼんのう、アムリトダーナ)の子、兄:阿難、弟:提婆達多(起世経、衆許摩訶帝経の説)
- 白飯王の子、兄:アーナンダ、次男:ウパダーナ、三男:デーヴァダッタ(南伝マハーヴァストゥの説)
[編集] 関連項目
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人物 | 釈迦 - 十大弟子 - 龍樹 - 無著 - 世親 - 玄奘 - 達磨 | |
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