阿川泰子
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阿川 泰子(あがわ やすこ、本名:佐藤 康子、1951年10月16日 - )は、神奈川県鎌倉市出身のジャズシンガー、元女優。旧芸名:麻里 とも恵、麻理 ともえ、佐藤 康子。現在、オフィス・ダァグに所属。父親は鎌倉在住の洋画家。趣味・特技は絵画・イラスト・エッセイ。血液型A型。椙山女学園高等学校卒業。「シュガー・ボイス」、「ネクタイ族のアイドル」などと称された。
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[編集] 人物・来歴
鎌倉の洋画家の一人娘として育ち、名古屋有数の名門お嬢様学校である椙山女学園中学校に入学。椙山女学園高等学校卒業後上京、文学座演劇付属演技研究所第12期生(同期生に松田優作、高橋洋子)として演劇を学ぶ。後に東宝映画の「華麗なる一族」、「青春の門」やテレビドラマなどに出演する。銀座の「ファンファン」でジャズと出会う。ジャズ・クラリネット奏者の鈴木章治を紹介され、女優業の傍らジャズ・ボーカリストにも挑戦し、「鈴木章治とリズム・エース」の専属シンガーとなる。後にソロ・シンガーとなり、六本木や赤坂のライブ・スポットで脚光を浴びる。1978年に「ヤスコ/ラブバード」で歌手デビュー。ビクターのバックアップのもと、トミー・フラナガン、ローランド・ハナ、ジョージ・ムラーツ、ロン・カーター、セルジオ・メンデス、ネイザン・イースト、ジョー・サンプルなどの様々な著名ミュージシャンとセッションを行い、女優業は実質休業状態に。1981年には、自らのバックバンド「フラミンゴ・ビッグ・バンド」を結成。スタンダード曲を現代的なアレンジで歌うコンセプトが受け、その声質から「シュガー・ボイス」と呼ばれ、曲のCM起用や自らも出演することで、ジャズ・ボーカルの分野でアイドル的な人気を獲得する。
1987年からテレビのトーク番組オシャレ30・30で古舘伊知郎と司会を務め、ゲストとのトークの他に毎回1曲歌を披露したが、延べ360曲となった。文学座時代の同期の関係からか、当時テレビのトーク番組にはほとんど出なかった松田優作もこの番組に出演した。
[編集] シングル
- L.A.ナイト (1986年 ロンドン・Beechwood Record)
[編集] アルバム
- Yasuko "Love-Bird" (ヤスコ/ラブバード 1978年 ビクター)
- Flyin' Over (フライン・オーバー 1978年 ビクター)
- SWEET MENU (スイート・メニュー 1980年 ビクター)
- JOURNEY (ジャーニー 1980年 ビクター)
- SUNGLOW (サングロウ 1981年 ビクター)
- SOFT WINGS (ソフトウイングス 1982年 ビクター)ライブ盤
- Fine! (ファイン 1982年 ビクター) 東京・L.A.録音
- Night Line (ナイト・ライン 1983年 ビクター)
- Gravy (グレイビー 1984年 ビクター)L.A.録音
- ALL RIGHT WITH ME (オール・ライト・ウイズ・ミー 1985年 ビクター)
- Lady September (レディ・セプテンバー 1985年 ビクター)
- MELODIES (メロディーズ 1986年 ビクター)
- MS. MYSTERY (ミズ・ミステリー 1987年 ビクター)L.A.録音
- OURO do MANAUS (オウロ・ド・マナウス 1988年 ビクター)L.A.録音
- WHEN THE WORLD TURNS BLUE (ホエン・ザ・ワールド・ターンズ・ブルー 1989年 ビクター)
- 「DANCING LOVER'S NITE」MISS A (ダンシング・ラバーズ・ナイト・ ミス・エー1989年 ビクター)東京・L.A.録音、N.Y.mix
- オシャレ30・30 (1989年 ビクター)
- 古館伊知郎との競演曲 "Everybody Loves Somebody(誰かが誰かを愛してる)"を収録。
- YOUR SONGS (ユアー・ソングス 1990年 ビクター)
- COME IN CHRISTMAS (カム・イン・クリスマス 1990年 ビクター)L.A.録音
- MY DUKE (マイ・デューク 1991年 ビクター)L.A.録音
- Le Cinema (ル・シネマ 1992年 ビクター)東京・L.A.録音
- IN AUTUMN (イン・オータム 1992年 ビクター)L.A.録音
- AMIZADE (アミザージ 1993年 ビクター)L.A.録音
- Beauty And The Beast (ビューティー・アンド・ザ・ビースト 1994年 ビクター)東京・L.A
- オシャレ30・30 Vol.2(1994年 ビクター)
- CLOSE TO YOU (クロス・トゥー・ユー 1996年 ビクター)
- Echoes (エコーズ 1996年 ビクター)London録音
- 「ソング・ブック」5枚組CD集 1996年 ビクター)
- Tea For Two (ティー・フォー・トゥ1997年 ビクター)L.A.録音
- L.A. NIGHT (L.A.・ナイト 限定スペシャルLP、2000年 ビクター)
- Other World (アザー・ワールド 2001年 日本コロムビア)
- We've got mail (ウィ・ガット・メール 2006年 日本コロムビア)
- Anklet (アンクレット 2004年 日本クラウン)
- Tiara (ティアラ 2004年 日本クラウン)
- RE-MODE-CLUB JAZZ DIGS YASUKO AGAWA (REMIX-CD)、TATSUO SUNAGA DIGS BEST OF YASUKO AGAWA (BEST-ALBUM)、『復刻版』 紙ジャケットCD 名盤復活! ~3タイトル~(JOURNEY、SUNGLOW、OURO do MANAUS)(2007年 ビクター)5枚同時リリース
[編集] CM曲
- 「She - Senior Dreams」(1981年、「SUNGLOW」所収)
- 「Night Line」(1983年、「Night Line」所収)ほか多数
- J-WAVE「トラフィック・インフォメーション」
- 「Greensleeves」、「Danny Boy」、「Home Sweet Home」(2004年 株式会社三田ハウジング)
[編集] 出演
[編集] 映画
- 人間革命(1973年 東宝)巡礼の旅に出る老人・浜村純の娘役
- 華麗なる一族(1974年 東宝)
- 血を吸う薔薇(1974年 東宝)野々宮敬子(蒸発した女生徒)
- ノストラダムスの大予言(1974年 東宝)木田の娘役
- メカゴジラの逆襲(1975年 東宝)山本ユリ役
- 青春の門(1975年 東宝)
[編集] テレビ
- 緊急指令10-4・10-10(1972年 ANB )二宮みどり役
- 緊急指令10-4・10-10(1972年 ANB)二宮雪子役
- 太陽にほえろ!(1973年 日本テレビ) 第66話
- ウルトラマン・レオ(1974年 TBS)アルファ星人・ニケの女神役
- ばらえてい テレビファソラシド 108回 駄モリの駄洒落(1982年 NHK総合)ゲスト
- 夜のヒットスタジオ 第658回(1981年 6月22日 フジテレビ)SKINDO-LE-LE(スキンドゥ・レ・レ)
- 笑っていいとも! テレフォンショッキング (1984年2月2日 フジテレビ)ゲスト
- 笑っていいとも! テレフォンショッキング (1988年9月5日 フジテレビ)ゲスト
- オシャレ30・30(1987 - 1994年 日本テレビ)聞き手
[編集] CM
[編集] ライヴ・コンサート
- 「MATURE NIGHT」= 大人のためのクラブ・イベント(2001年 毎月1回開催)
- 「DISCO PARTY」= 70~’80年代のディスコ・シーンを再現するクラブ・イベント(2002年 毎月1回開催)
[編集] 著書
- We've got mail~恋をするなら(吉村浩二共著、早川書房出版)
- ECHOES (1996年 郡司大地撮影、ビクターブックス発行)※CD付き写真集
[編集] 賞歴
- 第2回 水島早苗「日本ジャズヴォーカル賞」大賞(1986年 ジャズワールド紙主催)
- ベストジーニスト(1990年 日本ジーンズメーカー協議会主催)
- 第3回 日本ジュエリーベストドレッサー賞40代部門(1992年 日本ジュエリー協会主催)