遥かに仰ぎ、麗しの
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遥かに仰ぎ、麗しの | |
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対応機種 | Windows98/Me/2000Pro/XP |
発売元 | PULLTOP(株式会社ウィル) |
発売日 | 2006年11月24日(初回限定版) 2006年12月21日(通常版) |
ジャンル | 恋愛アドベンチャー |
レイティング | 18禁 |
キャラクター名設定 | プレイヤー名固定 |
エンディング数 | 6 |
セーブファイル数 | 100(クイック1/通常99)
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画面サイズ | 800×600/High Color以上 |
BGMフォーマット | PCM |
キャラクターボイス | フルボイス(プレイヤーを除く) |
CGモード | あり |
音楽モード | あり |
回想モード | あり |
メッセージスキップ | あり(すべて/既読) |
オートモード | あり |
備考 | 初回限定版特典 オリジナルサウンドトラックCD2枚 小冊子 ショップ予約特典 スペシャルドラマCD2枚 |
『遥かに仰ぎ、麗しの』(はるかにあおぎ、うるわしの)は、2006年11月24日に株式会社ウィルのブランドPULLTOPより発売された18禁恋愛アドベンチャーゲームソフトである。
なお、初回限定版は2006年12月21日にロットアップが公式で告知され、通常版の販売に切り替えられた。
主な略称としては「かにしの」、「かにぎしの」等がある。
「美少女ゲームアワード2007」大賞受賞作品である。[1]
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 作品概要
凰華女学院分校に新任教師として赴任することとなった主人公と学院生たちとの交流を描く物語である。凰華女学院はいわゆるお嬢様学校であり、分校の学院生は本校から途中転入してきた本校組と、分校に直接入学してきた分校組に分かれ、制服や寮が両者で異なる。学院は全寮制となっており、主人公が本校系の寮と分校系の寮のどちらに入るかの選択で物語は大きく分岐する(メインヒロインの6人は本校系・分校系で3人ずつ分かれ、寮を決めた時点で、内3人は攻略できなくなる)。 本校系と分校系ではシナリオライターが違うので雰囲気がかなり違い、整合性も二の次となっている。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公
- 滝沢 司(たきざわ つかさ)
- 本作の主人公。一人称は「僕」。
- 教員免許を取り、大学を卒業し就職先が決まっていなかったが、恩師である猿辺教授の紹介で凰華女学院分校に赴任することとなる。カナヅチであり、浮き輪が無いと泳ぐことが出来ない。軍事オタクである可能性がある。
- また前述の通り、シナリオライターが異なる事での差が特に主人公に顕著なため、本校系と分校系では性格言動と能力が一致していない。
[編集] メインヒロイン
- 本校系
- 風祭 みやび(かざまつり-)声:北都南
- 5月3日生まれ。
- 学院生であり、同時に凰華女学院分校の理事長代理を務める。一人称は「あたし」。
- わがままな性格ですぐ理事長の権限を行使するため、学院生達や一部の教師達からの評判はすこぶる悪い。しかし彼女としては理事長としての仕事をこなそうと一生懸命である。学院生としての時間以外はメイドのリーダと一緒にいることが多い。お嬢様らしい言動はほぼ皆無であり、それが鏡花と衝突する原因にもなっている。10歳ほど年上の兄と姉が1人ずつ居る。なお、みやびは背が小さい為、着ている制服は本校系の特注品である。
- 鷹月 殿子(たかつき とのこ)声:遠山枝里子
- 6月7日生まれ。
- 学院生で梓乃の唯一の友人。一人称は「わたし」。
- 趣味は散歩。暴走するみやびを止めることのできる数少ない存在。不真面目というわけではないが、放浪癖があり授業をサボることもしばしば。司が赴任する以前は授業をまともに受けていなかったが、それにはある深刻な理由がある。
- 八乙女 梓乃(やおとめ しの)声:佐本二厘
- 分校系
- 仁礼 栖香(にれ すみか)声:井村屋ほのか
- 相沢 美綺(あいざわ みさき)声:安玖深音
- 4月24日生まれ。
- 凰華ジャーナル(要するに新聞部)に所属している学院生。一人称は「アタシ」。
- 奔放快活で元気な性格。そのため本校系にも友達が多い反面トラブルメーカーになりがちであり、一部の教師から目を付けられている。栖香が自分の事を快く思っていないことは自覚しているが、美綺の方はそうではなく何とか親しくなろうとはしている。
- 風祭家に匹敵する規模の企業集団である陽道グループ中核企業「ビッグ7」のひとつである不動産会社「AIZAWA」の娘。シロという犬を実家で飼っている。
- その性格ゆえに分校系だけでなく、本校系シナリオでも出番が多い。
- 榛葉 邑那(はしば ゆうな)声:風華
[編集] サブキャラクター
グラフィックのないサブキャラクター役で一色ヒカル、木葉楓、楠鈴音、茶谷やすら、まきいづみ、このかなみ、町田あみ、松園ルイが友情出演している。
- 本校系学院生
- 三嶋 鏡花(みしま きょうか)声:青山ゆかり
- 本校系の寮の寮長を務めている。一人称は「私」。
- 基本的に礼儀正しい性格だが、みやびとは衝突することが多い。
- 結城 ちとせ(ゆうき-)声:如月葵
- 鏡花と仲がよい。一人称は「私」。親は美術商を営んでいる。
- 高藤陀 貴美子(たかとうだ きみこ)声:一色ヒカル
- おっとり上品な性格。
- 分校系学院生
- 上原 奏(うえはら かなで)声:木村あやか
- 美綺の親友。一人称は「私」。美綺から「かなっぺ」というあだ名を付けられているが、本人は認めていない。
- おっとりのんびりな性格。美綺に振り回されることが多く、それ故にサブヒロインながら出番は多い。言葉の一部を二回続けて言う事が多い。暁に憧れており、その熱意は彼のために料理を必死で練習するほど。美綺と同じく凰華ジャーナルに所属するが、きっかけは美綺に巻き込まれたかららしい。
- 介護ロボットの研究開発を行っているベンチャー企業「LIFE SCIENCE LABO」(通称:LSL)の所長、上原 唱(-となえ 体験版では紀美香 声:松園ルイ)の一人娘。
- 大銀杏 弥生(おおいちょう やよい)声:七原ことみ
- 頭が悪い学生として良く挙げられている。本人も自覚している。
- 野原 のばら(のはら-)声:茶谷やすら
- いつものんびりしててマイペースな女学生。
- 小曾川 千代美(こそがわ ちよみ)声:まきいづみ
- いつもぶっきらぼうな口調。小説を書くことが趣味であり、賞を取るほどの実力。
- 岡本 瑠璃阿(おかもと るりあ)声:茶谷やすら
- 男と間違われてもおかしくないほどの体格がガッチリした女の子。寡黙。
- 神 知晶(じん ちあき)声:一色ヒカル
- いつも寝ている女学生。
- 三橋 香奈(みつはし かな)声:木葉楓
- 真面目な良識派だが、要領が悪く貧乏くじを引きがち。
- 高松 千鳥(たかまつ ちどり)声:楠鈴音
- 高松鶫と双子である。鶫と見分けが付かず金髪でロリ体型。鶫と声を合わせて発生し、一人だけで話す描写がない。また発言内容も危ういセクハラトークや人を小馬鹿にした内容が多いため、学園の問題児の例として本編で挙がりやすい。
- 高松 鶫(-つぐみ)声:楠鈴音
- 同上
- 溝呂木 輝陽(みぞろぎ てるよ)声:まきいづみ
- 消極的な性格。おどおどしていることが多い。
- 通販さん(つうはん-)声:七原ことみ
- 邑那の友人。
- この名前はいつも通販番組を見ていることから付けられたあだ名で、本名は不明。番組を見ている途中に声をかけられるとすごく不機嫌になり、邪魔した相手を敵視する。
- 教職員
- リーダ 声:天川みるく
- 本名はリーリア・イリーチニナ・メジューエワ。一人称は「私」。
- みやび付きのメイドであり、学院のメイドとしても働いている。暴走するみやびの歯止め役でもある。11年ほどみやびに仕えている。
- 係長の工藤さん 声:このかなみ
- 暁 光一郎(あかつき こういちろう)声:上州トム
- 司の同僚となる先輩教師。司に色々とアドバイスしてくれる頼もしい存在だが、その度に最低一回は司をからかうため、司にはシリアスアレルギーではないかと疑われたことがある。学院の備品である1個30万の値打ちがある湯呑み茶碗でお手玉ができる。
- 愛車は戦前に作られたヨーロッパメーカー製で、おじいさんのおさがりである。名前は(司の記憶上)「ぬおーん・らりぱっぱ1100」。
- 志藤 由(しどう ゆう)声:韮井叶
- 司の同僚となる新人教師。赴任した時期が遅れたため、司を「先輩」と呼んでいる。どんなことでも簡単にこなしてしまう万能タイプだが、そのために周りとは距離を置いていたらしい。
- 坂水先生(さかみず-)声:事務台車
- 生活主任担当の教師。教師達の中で最古参だが、それ故に下の者には尊大に振る舞い上の者には媚びるので、生徒からの評判は悪い。
- 長谷川先生(はせがわ-)
- 司の同僚となる教師。温厚な教師で司や暁と並んで人気がある。そんな彼に人望が集まり、坂水が受け持っていた生活主任担当の座を受け継いだ。
- 学院生の関係者
- 李 燕玲(リー・イェンレイ)声:如月葵
- 鹿野上 渉(かのうえ わたる)声:本多啓吾
- ダンテ 声:松園ルイ
- 梓乃の飼い犬。学園の中で生活し、みやびや司にもよく懐いている。名前が明らかになる前は、司に「ゴンザレス」と呼ばれていた。食べ物ならある程度の言葉を理解している。
- シロ 声:まきいづみ
- 美綺の実家で飼われている犬。ダンテに比べこちらは駄犬。面会日には相沢親子、ボディガードのワンボと一緒に来る。
[編集] 作品内の財閥
お嬢様学校を題材していることもあってゲーム内ではありとあらゆる財閥が登場し、また単純に存在してるだけではなく曰く付きだったり財閥同士で対立したりする深い事情も多く確認される。
- 陽道グループ
- 蘆部源八郎が創始者。敗戦後に謎の資金を使い風祭に匹敵するほどに。ビック7と呼ばれる7つの大規模な会社を纏めている。ビック7には相沢夫妻が経営するAIZAWA、李 燕玲が副社長を務める広報通信業界の電広 、鹿野上 渉が属する陽道商事、他にソルTV等がある。蘆部源八郎の血族を俗に、「蘆部一族」と呼ぶ。
- 風祭グループ
- 凰華女学院を創設したグループ。規模、資産、経済力なら国内トップクラス。いわゆる戦後の成り上がりの陽道グループとは違い、風祭は伝統の面もあり江戸時代から続く。
- 志藤グループ
- 軍需のシェアの大半を握る強大なグループ。軍需だけではなく他の業界でも大きな力があるコングロマリットである。現在では風祭と友好な関係ではあるが昔はそうでもなかった。
- 鷹月家
- 長い伝統と高い格式により政界への影響力が大きいため風祭も迂闊に手を出せないほど。鷹月家の歴史は長く1000年(平安時代から)も続いている。風祭が江戸初期から伝統だったとしても400年程度の歴史である。
- 八乙女家
- 明治時代からの旧華族。大手の総合結社を纏める八乙女エンタープライズの一族。
- AIZAWA
- 相沢美崎の両親が取り仕切る不動産会社グループの名称。元は仁礼グループの末端(相沢不動産)であったが、とある事件により陽道グループに鞍替えしビック7までに上り詰める。
- 仁礼グループ
- いわゆる旧家。お公家上がりの元華族。戦前に荒稼ぎをして、仁礼財閥と呼ばれるほどになったものの、10年前の事件を発端にグループが崩壊してしまう。
- 三嶋家
- 風祭や陽道には劣るが、それでもそこそこの規模をもったグループを統括している一族。経営状況はあまり良くはない。
- デウスガーデン
- アミューズメントパークといえば遊園地、 ジ・アミューズメントパークといえばデウスガーデンと言われるほどの世界一の遊園地。東京都の二倍の面積がある。ありとあらゆる財閥が、ひしめき合ってる珍しい場所でもある。仁礼グループの遊園地を買収し、園内にその遊具施設を配置している区画もある。テーマパークだけでありながら、その施設の巨大さ故に財閥としては極めて力が大きい。
- UFE
- The United of Far Eastの略。通称、極東連合。アジア地域のIT企業の連合体。規模的にデウスガーデンに匹敵する。
[編集] スタッフ
- ディレクター:朝妻ユタカ
- プロデューサー:椎原旬
- シナリオ:丸谷秀人(分校系)/健速(本校系)
- 原画:藤原々々
- SD原画:仁之丞
- BGM:ファクトリーノイズ&AG
- 主題歌:ツーファイブ
- オープニング「風のRhythm」/エンディング「with a smile」
- 作詞:ドンマッコウ
- 作編曲:石井裕樹
- 歌:ゆうか
- レコーディングスタジオ:TWOFIVE STUDIO
- ディレクター:堀口比呂志(TWOFIVE)
- 凰華女学院 学院歌「遥かに仰ぎ、麗しの」
- 作詞:戸谷秀厳
- 作編曲:石井裕樹
- 歌:凰華女学院 声楽隊
- レコーディングスタジオ:TWOFIVE STUDIO
- ディレクター:堀口比呂志(TWOFIVE)
- オープニング「風のRhythm」/エンディング「with a smile」
[編集] 書籍・CD等
- ミニミニガイドブック
- 本作発売1週間前の2006年11月17日に有限会社ピークスより出版された。
- キャラクター紹介と制服設定&イベントラフ ミニミニギャラリーを収録しており、「壁紙・デモムービー・体験版・主題歌」を収録したCD-ROMが付属している。
- ビジュアルファンブック
- 2007年4月25日に有限会社一迅社より出版された。
- 藤原々々の描き下ろしイラストを収録、他 スタッフインタビューや設定資料などを収録、さらにカバーを外すと立ち絵のなかったキャラのラフが掲載されている。
- 特別付録として健速&丸谷秀人がそれぞれ書き下ろしした2本立てドラマCDが付属。
[編集] その他
- 応援バナーキャンペーン
- 発売の約2か月半前の2006年9月15日から行われている。現在はバナーの公開のみ。
- 自分のサイトに公式指定のタグを設置することで、『遥かに仰ぎ、麗しの』ファンとして無償での販促応援を行うものであった。バナーには固定のものとアクセスするたびに画像が変わるものがあり、複数サイズが用意されていた。
- 今回は12月1日までにバナーを設置し、公式サイトで応募した者に対し「『凰華女学院』ご入学セット」というデジタルコンテンツが期間限定(2007年1月31日まで)で提供された。
- みやびちゃんぷりちー!ボタン
- 発売の約2ヶ月前の2006年9月29日より、発売日の2006年11月24日まで公式サイトトップページ及び作品ページトップに設置された。(どちらも同じ物である)
- クリックすると専用カウンターが回り、「みやびちゃんぷりちー!」というボイスが再生されるというものである。
- カウント数は最終的に「270万1902ぷりちー」(ぷりちーは単位)を記録し、終了後はサービスボイスがダウンロード出来るようになっている。
- みやびとリーダの教えて人生相談!(開始当初は「おしえてみやび理事長(代理)」)
- 2006年5月19日に、理事長挨拶として風祭みやびが校内放送を通じ、学院生へ「ありがたいお言葉」を伝える企画として始まった。(全5回+夏コミ特別篇1回)
- しかし風祭みやび曰く「ここはあたしがお前達を好き勝手に弄ぶコーナーだ。」とのことであり、1回目は単独で放送している。(2回目の放送にて影でリーダが出演している。これは放送当時リーダのグラフィックが未発表だった為である。)
- 2回目の中盤にて「おしえてみやび理事長(代理)」についての説明があり、専用投稿フォームが設置された。この専用投稿フォームを使用することにより発売日の2006年11月24日まで相談メールを送る事が出来た。(公式ページでは4回目より「みやびとリーダの教えて人生相談!」に名称が変更されている。)
- なお、投稿された相談メールは数通ほど放送時に採用されたほか、「焼き芋にしておいしく…… 大切に保管させて頂いております」となっている。
- またコミックマーケット70に於いてpropellerと合同で無料配布されたCD-ROM「凰華女学院 ご入学の手引き/『はるはろ!』私立桃夭学園体験入学ディスク」には理事長挨拶として「みやびとリーダの教えて人生相談!出張版」があり、1回目から3回目の音声版に加え、夏コミ特別篇(音声版)が収録されていた。
- キャラクター人気投票「ミス凰華コンテスト」
- 発売約2ヶ月半後の2007年2月2日21:00より2007年2月16日21:00までの2週間、公式サイトにて開催された。
- 投票にはゲーム同梱のシリアルコードが必要で、1コードにつき1日1票投票可能であった。
- またバレンタインデー当日にのみバレンタインデー専用のコメントとアイコンがランダムで表示された。
- 出場者はメインヒロインと主要サブキャラクターの12名で、結果は以下の通り。
- 第1位 - 鷹月 殿子 4,102票 (コメント数 1,876件)
- 第2位 - 風祭 みやび 4,087票 (コメント数 2,371件)
- 第3位 - 仁礼 栖香 1,780票 (コメント数 881件)
- 第4位 - 八乙女 梓乃 1,423票 (コメント数 869件)
- 第5位 - リーダ 1,171票 (コメント数 573件)
- 第6位 - 相沢 美綺 928票 (コメント数 525件)
- 第7位 - 三嶋 鏡花 692票 (コメント数 356件)
- 第8位 - 榛葉 邑那 342票 (コメント数 200件)
- 第9位 - 通販さん 268票 (コメント数 151件)
- 第10位 - 上原 奏 233票 (コメント数 106件)
- 第11位 - 暁 光一郎 72票 (コメント数 62件)
- 第12位 - 李 燕玲 64票 (コメント数 27件)
[編集] 外部リンク
- PULLTOP Official Website(年齢制限あり)