通名
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通名(つうめい)とは通称の一形態。主に人名に用いる。対義語は登録名、戸籍名など。
日本では主に、戸籍上の名を変えられない、若しくは変えたくない場合に使われる。改名には正当な事由(社会生活上に甚だしい支障がおこる場合、職業上改名する必要がある場合、外国人が帰化した場合など)があった上で家庭裁判所の許可が必要なため、それがかなわない場合に日常生活において通名を使う人もいる。通名の使用を続けていることで、改名が許可される場合もあるが、通名が定着したことで戸籍名変更の必要がなくなる場合もある。また、婚姻によって戸籍上の姓が変わった者が、それまでの顧客との関係を保つために職業上では旧姓を名乗り続けるようなケースもある。戸籍上の姓名に旧字体が使われている場合、手書きで書く場合画数が多くて手間が掛かるため、新字体に置換えた表記を通名としている人は多い。(廣瀬→広瀬、澤田→沢田など)
同姓同名の混乱を防ぐために、請求書の表記等で接頭語をつける(例(夫)鈴木正美 鈴木一郎A)の場合もある、この場合であっても正式な契約者名には接頭語をつけることは許されない、電話での本人確認とか請求書の宛名等で使用するだけである。
また、在日外国人が本名を変えることなく、日本の社会に溶け込んで生活する場合に用いる日本姓名のことを指す場合もある。特に新聞等では、通名という用語が使用される。
在日外国人のうちでも在日朝鮮人の場合は、一般的には創氏改名があったと考えられている経緯から通名の使用に対して特別に配慮されているケースが多い。近年、犯罪の被疑者が通名を使用している在日朝鮮人の場合、登録名(本名)ではなく、通名だけを報道するごく一部のマスコミ(朝日新聞など)に対しては批判もあり、被疑者報道では「通名○○、本名△△」「通名○○こと本名△△」「韓国籍の通名○○」等、本名・通名を併記して報道する事例も増加しつつある(この場合、ごく一部のマスコミによる意図的かつ常習的な情報操作ではなく、マスコミが記事にした時点で通名のみしか判明していない可能性もある)。一方で、本名しか報道しない場合、登録名(本名)が家族以外にはほとんど認知されていないケースも有り、その場合には、その被疑者が日本育ちであっても(日本人ではなく)韓国朝鮮人であるということしか伝わらないことになる。