転化糖
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転化糖(てんかとう)とは、蔗糖を酸又は、酵素(インベルターゼ)によって、果糖及びブドウ糖に加水分解した甘味料である。こうすることによって、等量の蔗糖よりも甘いため、砂糖の量を控えることが可能である。また、吸湿性があるため、菓子をしっとりとした状態に保ち、砂糖が結晶化しないようにすることが可能である。
家庭でお馴染みの転化糖は蜂蜜である。ジャムを作るときには果物に含まれている酸のため、自然に転化糖になっている。転化は製品の特性に応じてゴールデンシロップのように部分的に行われることもあれば、ほぼ完全に行われることもある。
転化反応は、チョコレートのフォンダンを作るときにも使われる。酵素を添加し、未反応の状態でネバネバしているときに塗られ、反応が進むにつれ堅くなる。
化学反応は以下の通りである。
C12H22O11 (蔗糖) + H2O (水) = C6H12O6 (ブドウ糖) + C6H12O6 (果糖).
酸や酵素によって反応が進められるが、消費されることは無い。
部分的に転化した糖は酵素を使わずに家庭で作成することが可能である。砂糖のシロップを作るときに1kgの砂糖に1gのクエン酸やビタミンCのような酸を添加する。酒石英やレモンジュースでもよい。これを20分以上煮ると出来上がりである。この処方により、砂糖が結晶化しない程度に転化し、酸味もつかない。
転化とは、偏光に対する旋光面が逆転することから名付けられた。蔗糖およびブドウ糖は弱い右旋光で、果糖は強い左旋光であるため、ブドウ糖と果糖が等分子数の溶液は蔗糖が弱い右旋光に対し、弱い左旋光となる。
蔗糖は還元性を示さないが、蔗糖を加水分解した転化糖は還元性を示す。