ジャム
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ジャム (英:jam) は、フルーツの果実や果汁に重量比 10%から同量程度の砂糖や蜂蜜を加えて加熱濃縮し、保存可能にした食品で、スプレッド類の1つ。コンフィチュール (仏:confiture) とも。 原料果実の風味を残すため、無加熱の超高圧下で調理し加える砂糖の量を少なくしたものも流通している。[1]
完成したときに果実の原型が比較的保たれているものはプレザーブ (英:preserve)という。オレンジやユズなどの柑橘類を原料とし、果皮が含まれているものは特にマーマレード (英:marmalade) という。また北米では、果肉を含まず透明な状態のものはジェリー (米:jelly)と呼んで区別される。
非常に甘いためそのまま食べることは少なく、パンやクラッカーなどに塗って食べるのが一般的。その他、サンドイッチの具としたり、ヨーグルトやフレッシュチーズにかけて食べたり、様々なケーキの原料とされる。ロシアではジャムを舐めながら紅茶を飲む習慣があり、日本では(誤解された形ではあるが)ジャムを入れた「ロシアンティー」として親しまれている。
一般的に使用されるフルーツにはイチゴ、アンズ、リンゴ、オレンジ、ブドウ、イチジク、ブルーベリー、ラズベリーなどがある。珍しいフルーツや野菜(ルバーブ)を使ったものも出てきており、専門店などでは、30~40種類をそろえているところもある。
果実や果汁に含まれているペクチンに糖類と酸が作用してゼリー状に柔らかく固まる。原料となる果物にペクチンが不足している場合、ペクチンを補うことでゼリー化させる。酸が不足している場合、商業生産の現場ではクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などを、家庭ではレモン果汁など加える。
牛乳を煮詰めてとろみと甘味をつけた「ミルクジャム」というものもある。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 日本農芸化学会関東支部1999年度大会 (高圧を利用したジャムの製造) 日本農芸化学会