軍用グライダー
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軍用グライダー(ぐんようグライダー)とは軍事目的に使われるグライダーである。動力を持たず他の航空機に曳航されるグライダーと、動力を持ち、自力で離着陸可能なモーターグライダー形式のものがあった。第二次世界大戦中に世界各国で兵員や車両の輸送、強襲作戦に用いられた。適度な広さを有する平地に強行着陸し、着陸後に胴体より兵員・物資を機体より降ろすというものである。第二次世界大戦後は垂直離着陸が可能なヘリコプターの発達もあり、使用されることはなくなった。
第二次世界大戦頃の軍用グライダーの利点は、兵員に対してパラシュート降下などの特殊訓練を行う必要がなかったことである。さらにパラシュート降下の場合は、重量物投下の技術がなく、また兵員降下であっても分散降下となる欠点があったが、グライダーではある程度の兵員がまとまって着陸するため、降下後の部隊行動がパラシュート部隊よりも迅速に行えた。具体的な戦闘としては、1940年5月のドイツ軍によるエバン・エマール要塞攻撃、1944年6月の連合軍によるノルマンディー上陸作戦などで用いられている。
[編集] 代表的な機種
- エアスピード ホルサ - イギリス
- DFS 230 - ドイツ