表定速度
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表定速度(ひょうていそくど)または評定速度とは、交通においてある地点から別の地点の距離を、移動に要する時間で割って求めた平均の速度のことを言う。この場合の所要時間には停止している時間も含まれ、停車時間は含めずに走行時間のみで同様に割ったものは平均速度(へいきんそくど)という。
主に鉄道において運行計画を立案する際の基礎データとなる。道路交通でも、高速道路での走行計画や、バスの運行計画立案のため同様に用いられる。
一般的に、データを分析する事を「評定」と表記するのが正しいが、その結果を一覧表にしてデータとして使用していることから「表定」という表記が定着している。
[編集] 日本の公共交通での例
表定速度は交通機関の車両性能だけでなく、勾配や曲線半径といった線形、停車頻度といった要素に大きく左右される。停車駅や急曲線が多く市街地を走る路面電車や一般路線バス、地形の影響で線形が悪い山岳鉄道などで表定速度が低くなる。対して、多くの高速鉄道では表定速度を高めるため曲線半径や勾配を抑え、停車駅を少なくするといった配慮がなされている。また一方で表定速度は実際の走行速度よりも低くなるため、明らかに法定速度を超えて運転しなければ間に合わないダイヤが組まれても発覚しづらくなるという欠点もある。
日本においては、新幹線(フル規格)でおおよそ120〜230km/h、JRの特急列車(ミニ新幹線部分含む)で50〜110km/h、同じくJRの普通・快速列車で30〜90km、路面電車で10〜20km/h程度である。またバスでは大規模な渋滞などがない場合、一般路線バスで10〜20km/h、高速バスで50〜70km程度になる。