藤波竜之介
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藤波竜之介(ふじなみ りゅうのすけ)は高橋留美子の漫画及びそれを原作としたアニメ『うる星やつら』の登場人物。アニメでの声優は田中真弓。
[編集] 設定
友引高校2年4組への転入生。一人称は「おれ」。女であるが、竜之介の父は浜茶屋の跡取りが男でなければならないため、竜之介は自分が育てた男の子だと断固主張する。 浜茶屋を経営する変わり者の父に男として育てられた為、行動が男っぽく荒々しい。しかし女としての自覚はあるので、男扱いされるのを嫌う。「おれは女だ~!」と叫ぶシーンが多い。いつも男の格好をしているが、竜之介が女の格好をしたくとも、父に妨害される。面堂終太郎以上に女にモテるのが悩み。 初恋の相手は小学校時代の先生だったが、後に同性だったことに気づく。
父親と共に厳しい格闘技の修行をしているため、喧嘩が好きなわけではないが喧嘩慣れしている。 純粋で直向きな性格だが、親の教育が原因で少々常識外れな所がある。父親と浜茶屋再建の資金を稼ぐため友引高校の購買部に住み込んでいるが、いつも父親と喧嘩している。
諸星あたると面堂は彼女を女として扱っている。ただし面堂は彼女を女と認識してない部分があるらしく、暗所(おばけ屋敷内・映画では戦車の中)であたる・面堂・竜之介の3人になった時には、女の前では平気なはずの暗所恐怖症を露にしていた。
母親の正体は作中で遊園地の特撮ヒーローショーの主人公役していた真砂子という人物となっている。
[編集] 作中での活躍
初登場時は夏以外に浜茶屋へ客が来ない怒りを海にぶつけ叫んでいた。浜茶屋は親子喧嘩で崩壊、再建資金の調達のため友引高校購買部に住み込みとなった。
普段から学ランとさらしを着用。また、夏用のワイシャツの背中には父の手によって「男」という字が刺繍されている。 女らしい格好に憧れており、ブラジャーとセーラー服を手に入れるため、へそくりを貯めている。
転入の際、父と勝負して勝ったらセーラー服を着られると言われ戦うが敗れ、男子生徒として学ラン姿で転入してくる。 あたるや面堂らの協力によりセーラー服を一度手に入れたが、父を倒してから着ると誓っている。ブラジャーはしのぶとカップルの振りをする条件で手に入りそうになったが、父の妨害により入手できなかった。
劇場版では影が薄く、『ビューティフル・ドリーマー』では早々と消滅させられるという憂き目にあっている。
[編集] その他
因みに親父のポリシー「海が好き」は、作者自身の主張。中盤から登場したレギュラー人物としてはかなりの登場頻度を誇り、彼女とその親父のストーリーではあたるやラムがほとんど絡まないものも少なくはなかった。あたる曰く「あんたら親子の間に他人が入り込む余地がない」。「ちゃらんぽらんな親父と喧嘩する」「男の心を持った女の子」のモチーフは本作の次に連載された『らんま1/2』の主人公の早乙女乱馬に受け継がれているともいえる。
この背景には作者の高橋留美子が、当時少し行き詰っていた中で生まれた画期的なキャラクターであった事を示唆しており、当時作品中一番のお気に入りキャラと話していることがある。
高橋の短編の戦国生徒会に藤波竜子という、竜之介の原型と思われる人物が登場する。名前はプロレスラー藤波辰爾に由来する。
相当キャラ人気が高いがその殆どが女性票であり、放送当時からフィギュアが出ていたうる星女性キャラ陣でレギュラーにも関わらず(端役ですら美形女性キャラのフィギュアが商品化されていた)、90年代にガチャポンのミニフィギュアが出るまで、フィギュア化自体が無かった(商品化自体はその少し前にプライズの縫いぐるみになっているのだが)。ラムが数えきれない程フィギュア化されたことを思えば対照的である。