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落合信彦 - Wikipedia

落合信彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

落合 信彦(おちあい のぶひこ、1942年1月8日 - )は、東京都台東区浅草出身のジャーナリスト小説家東京都立両国高等学校オルブライト大学卒。テンプル大学大学院中退(国際政治学専攻)。

国際情勢や諜報関係の裏側をレポートした作品や、それらを題材とした小説、海外作品の翻訳、また近年では若者向けの人生指南書を多数執筆している。

目次

[編集] 経歴

以下、渡米から作家デビューまでは落合本人の著書による。

  • 両国高校(定時制)卒業後、奨学金を得てアメリカのオルブライト大学に留学。(1961)
  • 在学中に空手道場を主催。実兄である落合秀彦とともにアメリカにおける空手の普及に貢献。ブルース・リーと対戦して勝利、というエピソードも。(後にジークンドーの団体から事実無根であり名誉を毀損するものとして抗議を受ける)
  • ロバート・ケネディ(当時司法長官)と対面し、ジョン・F・ケネディ大統領とのアポイントメントを取り付ける。暗殺のわずか数ヶ月まえであった。(1963)
  • 大学卒業後、テンプル大学大学院に進学。(1965)
  • 著書によって記述が微妙に異なるが、友人の誘いにより大学院を中退(1966)、その友人の興した油田探鉱の会社で副社長として勤務する。一方で当時の上院議員ロバート・ケネディ大統領選挙スタッフとしても活動。
  • 小規模会社でありながら、中東南米アフリカ等におけるジャイアンツ(巨大油田)の発見や石油メジャーと対等に渡り合ったビジネス交渉などで頭角を現し、「世界を股に駆けるオイルマン」として活躍。
  • ベトナム戦争で戦死した友人に代わり社長に就任。(1968、9年ごろ?)
  • ラジオから流れる日本の歌を聴いて望郷の念に駆られ、日本に帰国。(1971、2年ごろ?)
  • 会社を売却する。オイルショックのわずか7ヶ月前であった。(1973)
  • 文藝春秋』誌上にて発表された記事「ニクソン世代とマクガバン世代」でライターとしてデビュー。(1972)
  • 週刊文春』誌上にて「二人の首領」を発表。(1977)(公式にはこちらがデビュー作ということになっている)
  • 以後、主に国際情勢を題材にしたノンフィクションの記事、単行本、小説などを多数発表。
  • アサヒビールのCMキャラクターとして採用。一般層にも「国際ジャーナリスト」として認識される。(1987)
  • オルブライト大学名誉博士号取得(1997)
  • 中華人民共和国山東省観光大使就任(2002)
  • 2007年現在、インターネット上にて「勝ち組クラブ」主催、小学館SAPIO』及び青春出版社『BIG tomorrow』の二誌において記事を連載中。

[編集] 著作の特徴

  • 留学、起業、オイルマンとしての体験等からか、フィクションノンフィクション問わず世界を舞台にした話が多い。
  • 各国の諜報機関に多数友人がおり、彼らからの情報をもとに世界情勢や国内問題を分析していると著書の中では述べている(これについては下記の盗作問題を参照)。そのため1980年代から1990年代前半には「国際ジャーナリスト」として学生ビジネスマンから絶大な人気を誇った。(後の様子は下記の盗作問題を参照)。
  • 一方で「世界の裏側」にこだわりすぎてオカルト陰謀論になっている等、一般的な国際情勢の視点からかけ離れている作品もあり、批判もある。
  • 1990年代後半辺りからは著作の方向性が国際情勢を題材にしたものから若者向けの自己啓発本へとシフトしている。
  • ストーリー中に日本人でも普段使うことのある英語スラングやちょっとした言い回しがよく出てくるのも特徴である。例えば「ブラフ」「ナイーヴ」「オファー」など(彼が使った当時は日本では和製英語として使われていなかったが、後に定着した言葉も多い)。
  • 主にアメリカなど欧米諸国の例を挙げ、日本の現状との比較をすることによって日本の問題点を指摘する、という構成の作品も多いが、評価は分かれ、人種の知識に関して乏しい部分もある。そのため無理なこじつけで日本を貶めているだけ、とする意見がよく見受けられる。ただし、後述の盗作・経歴問題以降は、海外取材は中国などアジア方面とイスラエルがメインである。
  • 経歴問題に関しては、落合同様に経歴問題がある柘植久慶を、かつて自著の啓発書で自称グリンベレーと非難していた。

[編集] 経歴における矛盾

上に挙げた経歴のうち、アメリカ時代の話は全て落合本人によるものであり、その内容に矛盾が多いことが指摘されている。以下、その代表的なものを挙げる。

  • ジョン・F・ケネディの大統領就任演説を聞いた」という記述があるが、ケネディの大統領就任は1961年1月であり、落合の渡米は1961年8月である。
  • オイルマン時代に発見したという大油田は、客観的な地図などによる確認ができない。また、産油量がその国の総産油量をはるかに超えるものもある。
  • 彼の語る、油田の探査、採掘手法、また石油ビジネスの展開手法などは、他の石油業界人から見るとほぼデタラメである。
  • 明確な記述はないが、石油ビジネスに携わっていたのは1966年頃から1971、2年頃までと推測される。しかし、この間に通信教育教材の付録として「GOLDEN SCHOLARSHIP GUIDE」(1967)、および単行本「あめりか冒険留学」(1971)という2作品の存在が確認されている。また、短編記事「ニクソン世代とマクガバン世代」(1972)によれば、落合は69年頃にサンフランシスコでヒッピーを取材している(もちろんこれらの著作は石油ビジネスをしながら執筆、という可能性も否定できない)。
  • 石油業界へ誘ってくれた親友の姓が、著書により表記ゆれがある。
  • 学生時代に空手道場を開く際、銀行が十分すぎるほどの融資をしてくれたエピソードを何度も述べているが、この融資の金額が著書によって大きく異なる。
  • 兄の落合秀彦は、彼のWebサイトでの公式プロフィールによれば、1962年より1966年までオルブライト大に通っている。したがって、少なくとも3年間は、弟の信彦と学生生活が重複しており、また前述の空手道場も合同で運営していたと思われる。しかし、秀彦が、信彦の1年後に留学したこと以外の点に関して、著書に記述がない。

[編集] 盗作問題

落合の作品には、米国時代に知り合ったというCIAモサドなど各国諜報機関所属の人物、及び彼らから提供された情報が多く登場する。落合は著名なCIA、モサド、KGB等の関係者にインタビューしたことはあるものの、現実問題として名を伏せられた複数の諜報機関関係者及びOBから情報提供を受けるという取材手法は可能か、という指摘が以前からなされていた。ただし、。また「20世紀最後の真実」などのUFOナチスの関係を描いたようなオカルト的作品や、偏見が強すぎて他メディアと事実関係が矛盾してしまうような作品も見受けられ、ジャーナリストとしての評価が分かれていた。

これらの指摘について、雑誌『噂の真相』1993年2月号、1994年4月号、同年8月号誌上で「諜報機関からの情報というのは嘘で、実際は取材もほとんどしていない」「落合の記事のほとんどは海外未邦訳の記事や単行本から盗作している」という記事が掲載され、一例として落合の著作「2039年の真実」(『週刊文春』誌上の記事、単行本共に1977)とM.Canfield他著「Coup detat In America」(1975)との類似点を指摘した。これら記事について、落合および小学館は事実無根として噂の真相側を提訴、裁判となっている。

結果として両陣営は和解、『噂の真相』は1997年11月号において謝罪文を載せている。この裁判以降、落合の作品には諜報機関からの情報は全く登場しなくなり、作品の傾向も国際情勢を扱うものは姿を消し、国内問題を扱うものや若者向けの啓蒙書が中心となっていく。

経歴の矛盾及び盗作問題についてはフリーライター奥菜秀次の著書に詳しい。

現実的に落合にCIA現役職員に友人がいるという可能性は低い。CIAの職員というのは長官など一部の者以外は、家族にもCIAで働いている事を隠さなければならないとされている。ただし、落合はWilliam J. Casey(故人、CIA長官)にインタビューしたことはある(就任前ではあるが)。

[編集] 著書

  • GOLDEN SCHOLARSHIP GUIDE(1967年、日本記憶術研究会)
  • あめりか冒険留学(1971年、勝利出版)
  • 二〇三九年の真実(1977年、ダイヤモンド社
  • 誰も書かなかった安宅処分(1978年、サンケイ出版)
  • 北京より愛をこめて(1978年、サンケイ出版)
  • 男たちのバラード(1979年、集英社
  • 20世紀最後の真実(1980年、集英社)
  • 21世紀への演出者たち(1981年、集英社)
  • モサド、その真実(1981年、集英社)
  • 傭兵部隊(1982年、集英社)
  • 日本が叩き潰される日(1983年、光文社
  • ただ、栄光のためでなく(1983年、集英社)
  • 戦い、いまだ終わらず(1984年、集英社)
  • 諜報戦争(1985年、光文社)
  • 狼たちの世界(1986年、集英社)
  • 挑戦者たち(1986年、集英社)
  • 勇者 還らず(1987年、集英社)
  • アメリカよ!あめりかよ!(1987年、集英社)
  • 二人の首領(1988年、集英社)
  • 狼たちへの伝言(1~3)(1:1988年、2:1989年、3:1991年、全て小学館
  • そしてわが祖国(1990年、小学館)
  • 国際情報 Just Now(1990~92年、集英社)
  • 葛飾発アメリカ行き(1991年、集英社)
  • そしてわが祖国(1991年、小学館)
  • ケネディからの伝言(1993年、小学館)
  • 日本の正体(1994年、ザ・マサダ)
  • 太陽の馬(1995年、集英社)
  • もっともっとアメリカ(1995年、ザ・マサダ)
  • そしてわが祖国 完結編(1995年、小学館)
  • 日本の常識を捨てろ!(1996年、光文社)
  • 烈炎に舞う(1996年、集英社)
  • 極言(1996年、ザ・マサダ)
  • 運命の劇場(1996年、集英社)
  • 命の使い方(1997年、小学館)
  • 魔軍(1998年、光文社)
  • 恥と無駄の超大国・日本(1998年、ザ・マサダ)
  • 日本村のメルトダウン(1998年、小学館)
  • これからの「勝ち組」「負け組」(1998年、ザ・マサダ)
  • 「大差」の時代(1999年、ザ・マサダ)
  • されど、わが祖国(1999年、小学館)
  • そして帝国は消えた (1999年、集英社)
  • ジョークでさらば20世紀(2000年、青春出版社
  • 魂(2000年、光文社)
  • ザ・ラスト・ディケイド 巨人・奇人・変人(2000年、小学館)
  • 10年後の自分が見えるヤツ 1年後の自分も見えないヤツ(2001年、青春出版社)
  • 騙し人(2001年、集英社)
  • 1度の失敗であきらめるヤツ 10度の成功でも満足しないヤツ(2002年、青春出版社)
  • 変わろうとしない奴はもういらない(2002年、光文社)
  • ザ・ファイナルオプション 騙し人II(2003年、集英社)
  • グローパル・インテリジェンス・ファイル(2003年、集英社インターナショナル)
  • 崖っぷちで踊るヤツ すくむヤツ 逃げるヤツ(2004年、青春出版社)
  • 名もなき勇者たちへ(2004年、集英社)
  • 成功本能を解き放て(2005年、青春出版社)
  • 虎を鎖でつなげ(2005年、集英社)
  • ずぶとい国、ずるい国、そしてバカな国 (2005年、小学館)
  • まがいモンたちの終焉(2006年、青春出版社)
  • 千秋の讃歌  (2007年、小学館)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

Albright Collegeサイト内)


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