耳野健二
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耳野 健二(みみの けんじ、1966年 - )は、日本の法学者。専門は歴史法学、法理学、法制史。京都産業大学教授。法学博士(京都大学)。
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[編集] 経歴
- 1966年生まれ。
- 1990年 京都大学法学部卒業
- 1992年 京都大学大学院法学研究科修士課程修了(法学修士)
- 1994年 京都大学大学院法学研究科博士後期課程学位取得退学(法学博士)
- 1994年 - 1999年 熊本大学 助教授
[編集] 研究内容
- 主に市民社会における法理論・法思想の歴史的・哲学的研究をおこなう。近現代のドイツ法の歴史と理論を主要な対象としつつ、社会史・文化史・哲学史等、隣接領域との関連を意識した研究を展開している。
- 法システムを現代社会の根本的な構成要素のひとつと見たうえで、実定法の作動の背景にある様々な歴史的・文化的・社会的要因をも考慮しつつ、転換期にある我々の社会と生活を捉える視座を獲得することを狙いとしている。
- 歴史法学を中心とする19世紀ドイツ法学の法理論とその歴史的展開をヨーロッパ法史の視角から分析・再構成。特にドイツの法学者サヴィニーに関しては深い考察をおこなっているようである、
- 法と道徳の関係、法的思考の特質の解明、実定法と自然法の関係など、法哲学上の基本問題を考察。
[編集] 主な著書・論文
[編集] 著書
- 『サヴィニーの法思考-ドイツ近代法学における体系の概念-』(東京:未来社349+Xiii、1998年) 博士論文
- 『ゆらぎの法律学』(東京:風行社、1997年)共著、河上倫逸編
[編集] 論文
- 「サヴィニー『体系』序論(Vorrede)における方法理念-殊にその執筆草稿を手掛かりとして-」(Historia Juris 比較法史研究、5、222-248、1996年)
- 「P.J.A.v.フォイエルバッハの「普遍法史」の構想-サヴィニーとの比較を手掛かりとして」(Historia Juris 比較法史研究、6、263-287、1997年)
- 「初期サヴィニーの方法論講義(1802年)における体系概念」(熊本大学教育学部紀要46(人文科学編)、13-31、1997年)
- 「ロマニストによる「ヨーロッパ法史」批判―Tomasz Giaroの業績から―」(産大法学第33巻第1・2号、245-266、1999年)
- 「19世紀ドイツ法学におけるRechtsverhaltnisの概念」(Historia Juris、比較法史研究11、96-158、2003年).
- 「思想の再構成としての解釈―サヴィニーにおける解釈の概念」( Historia Juris、比較法史研究、13、178-230、2005年)
- 「<関係>を基礎とする法秩序―サヴィニー法体系論における法関係の意義」(Historia Juris、比較法史研究、14、146-216、2006年)
- 「学問によるパンデクテン体系の成立―19世紀ドイツにおける法律学の近代化の一側面(1)」(産大法学、第40巻3・4号、156 -194、2007年)
[編集] 翻訳
- 『事実性と妥当性―法と民主的法治国家の討議理論にかんする研究(上)』(J¨urgen Habermas原著、河上倫逸共訳、未来社、2002年)
- 『事実性と妥当性―法と民主的法治国家の討議理論にかんする研究(下)』(J¨urgen Habermas原著、河上倫逸共訳、未来社、2003年)
[編集] その他
- 比較法史学会、ドイツ文化社会史学会に所属。