細胞骨格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
細胞骨格(さいぼうこっかく)とは、細胞の形態を維持し、また細胞内外の運動に必要な物理的力を発生させる細胞内の繊維状構造。細胞内での各種膜系の変形・移動と細胞小器官の配置、また、細胞分裂、筋収縮、繊毛運動などの際に起こる細胞自身の変形を行う重要な細胞小器官。
細胞骨格は、電子顕微鏡で観察することができる。そのとき観察される太さから、下記の3種に分類されている。
- 細いフィラメント - 外径7 nm程度。マイクロフィラメントとも呼ばれる。主にアクチンからなるため、アクチンフィラメントあるいはアクチン系とも呼ばれる。これは、細胞運動や細胞分裂などに関わり、筋組織では筋細胞の収縮に関与している。これらの運動ではアクチンフィラメントに結合するミオシンというモータータンパク質が関わっている。
- 中程度の太さのフィラメント - 外径10 nm弱。多種の繊維が含まれることが知られ、その太さから中間径フィラメントと総称される。中間フィラメントあるいは10 nmフィラメントとも呼ばれる。
- 太いフィラメント - 外径25 nm程度。その実体は、微小管である。