素朴派
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素朴派(そぼくは)とは、主として、19世紀から20世紀にかけて存在した、絵画の一傾向のこと。「ナイーヴ・アート」(Naïve Art)、「パントル・ナイーフ」(Peintre Naïf)と呼ばれることもある。
一般には、画家を職業としない者が、正式の教育を受けぬまま、絵画を制作しているケースを意味する。すなわち、その者には別に正式な職業があることが多い。
素朴派の作品は、対象を写実的に描写した、具象的な絵画であることがほとんどであることから、一般的には前衛性がないが、例えば、アンリ・ルソーの一部の作品などについては、前衛的な要素(幻想性等)を認める考え方も強い。
[編集] 素朴派に分類される主たる画家
(注){}カッコ内は、正式な職業
- アンリ・ルソー Henri Rousseau, 1844-1910 {税官吏}
- アンドレ・ボーシャン Andre Bauchant, 1873-1958 (Le peintre jardinier)
- カミーユ・ボンボワ Camille Bombois, 1883-1970
- フェルディナン・デスノス Ferdinan Desnos, 1901-1958
- オルネオーレ・メテルリ Orneore Metelli, 1872-1939
- ルネ・ランベール Rene Rimbert, 1896-1991
- ルイ・ヴィヴァン Louis Vivin, 1861-1936
- グランマ・モーゼス Anna Mary Robertson 'Grandma' Moses, 1860-1961
- セラフィーヌ・ルイ Séraphine Louis (Seraphine De Senlis), 1864-1942
日本人では、次のような画家が、素朴派とされることがある。
また、「画家」ではないが、次の者が素朴派とされることもある。
- フェルディナン・シュヴァル(Ferdinand Cheval, 1836-1924。郵便配達夫シュヴァル(ファクトゥール・シュヴァル, Facteur Cheval):パレ・イデアル(理想宮、Le Palais Ideal)を作った