第一四航空隊
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第一四航空隊（初代）（だい14こうくうたい）は、日本海軍の部隊の一つ。陸上攻撃機・艦上戦闘機を主力とする戦爆連合部隊として、日中戦争中盤に華南・仏印方面で内陸偵察・爆撃に従事した。
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[編集] 沿革
日中戦争序盤の華中攻略は順調に進捗したが、華南方面に有力な戦力を投入する余裕がなく、援蒋ルートを通じた欧米の支援活動を阻止できない状況にあった。昭和13年4月、マカオと対峙する珠海沖の三灶島を占領し、飛行場の緊急設営に成功。ここを拠点として一四空は華南全域の爆撃を開始した。ほぼ同時に開隊した高雄海軍航空隊と共同することも多かったが、高雄空は頻繁に原隊復帰や華中進出を強いられたため、華南の航空作戦はもっぱら一四空が主力となった。なお、「戦史叢書」によると、一四空の行動に関する資料の多くは亡失しており、特に昭和13年度の行動は高雄空や第三航空戦隊など共同作戦を行った部隊からの傍証によって補われているため、確実なものではないという。
- 昭和13年4月1日 内地航空基地で臨時編制。第五艦隊附属（陸上攻撃機18・戦闘機12・艦上爆撃機6）。
- 昭和13年5月10日頃 三灶島飛行場竣工、進出。
- 昭和13年6月14日 桂林を爆撃。
- 昭和13年9月2日 梧州を爆撃。
- 昭和13年10月12日 広東攻略作戦開始、支援爆撃・哨戒偵察に従事。
- 昭和13年12月15日 第三連合航空隊を新編、隷下に入る。
- 昭和14年1月1日 艦爆隊を廃止、陸攻24・戦闘機24に増強。
- 昭和14年1月30日 海南島攻略作戦開始、支援爆撃・哨戒偵察に従事。2月18日の占領まで継続。
- 昭和14年3月29日 海口飛行場に進出。
- 昭和14年4月8日 昆明を爆撃。
- 昭和14年4月24日 漢口に陸攻隊全機派遣。
- 昭和14年5月3日 第一三航空隊と共同で重慶を爆撃。
- 昭和14年6月11日 成都を爆撃。
- 昭和14年6月15日 海口に帰還。
- 昭和14年12月19日 九塘に孤立した第五師団の救援攻撃に従事。今村均師団長より感状。
- 昭和15年5月頃 重慶爆撃のため全陸攻隊に漢口集結が下令。一四空陸攻隊も連日重慶爆撃に従事。
- 昭和15年9月 海口に帰還。
- 昭和15年10月5日 ハノイに進出。
- 昭和15年11月15日 三連空解散、第二遣支艦隊附属に転籍。
戦闘機隊は内地帰還、陸攻隊はハノイを拠点に四川・雲南の爆撃に従事。
- 昭和16年6月8日 昆明-貴陽間の道路寸断爆撃に従事。
- 昭和16年8月中旬 海南島の掃討作戦に従事。
- 昭和16年9月15日 解隊。
昭和16年9月1日に、対米戦に備えて陸攻隊の大幅な改編が実施され、一四空陸攻隊は先発陸攻隊の増強要員に充てられた。このため、一三空→千歳海軍航空隊、一五空→美幌海軍航空隊・元山海軍航空隊のような直系の航空隊は発展しなかった。
ちなみに、昭和17年4月1日、第八〇二海軍航空隊の前身となる飛行艇隊が臨時編成され、二代目の一四空を名乗った。
[編集] 主力機種
[編集] 歴代司令
- 阿部弘毅（昭和13年4月1日-）
- 樋口曠（昭和13年12月15日-）
- 野元為輝（昭和14年11月15日-）
- 市村茂松（昭和15年5月18日-）
- 横井俊之（昭和15年10月15日-）
- 中瀬泝（昭和16年4月17日-昭和16年9月15日解隊）
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 『日本海軍編制事典』（芙蓉書房出版 2003年）
- 『航空隊戦史』（新人物往来社 2001年）
- 『日本海軍航空史2』（時事通信社 1969年）
- 『日本海軍航空史4』（時事通信社 1969年）
- 『戦史叢書 海軍航空概史』（朝雲新聞社 1976年）
- 『戦史叢書 中国方面海軍作戦1』（朝雲新聞社 1974年）
- 『戦史叢書 中国方面海軍作戦2』（朝雲新聞社 1975年）
- 『戦史叢書 南西方面海軍作戦 第二段作戦以降』（朝雲新聞社 1972年）
- 『航空戦史雑想ノート』（個人ブログ）
- 『参拾壱 頁』（個人サイト）
- 『連合艦隊海空戦戦闘詳報別巻1』（アテネ書房 1996年）
