神闘士
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神闘士(ゴッドウォーリアー)は、アニメ『聖闘士星矢』に登場する架空のキャラクターである。
なお神闘士を統率する「ポラリスのヒルダ」は厳密には神闘士ではないが、便宜上本記事に列挙する。
また、劇場版オリジナルのドルバル、ロキ、ウル、ミッドガルドについては聖闘士星矢 神々の熱き戦い#ゲストキャラクターを参照。
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[編集] 概要
北欧の神の国アスガルドで主神オーディーンに仕える闘士たち。神闘衣を身に纏う。北斗七星を構成する星を守護星とし、その星の名(体の名称)を称号に持つ。7人の神闘士たちは皆美形で、原作でのシリーズに数人はいた非美形・三枚目的なポジションのキャラクターがいないのがアニメオリジナルシリーズならではの特徴。また、ベテラン神谷明や三ツ矢雄二、当時ブレイク直後の関俊彦といった名だたるビッグネームが出演している点も注目される。
- 神闘衣(ゴッドローブ)
- 北欧神話に登場する神獣を模した鎧。神闘士が身に纏う。影の神闘士であるゼータ星アルコルを除き、それぞれ1つずつ、神闘士の生命とも言うべきオーディーン・サファイアと呼ばれる星命石が埋め込まれている。
- オーディーンローブ
- かつてオーディーン自らが纏ったという神闘衣。アスガルドのオーディーン神像に7つのオーディーン・サファイアを捧げることで出現する。
- ニーベルゲン・リング
- 海皇が生み出した黄金の指輪。人間たちに殺し合いをさせるよう神の呪いが施されており、その魔力によりヒルダを邪悪の女神に変える。オーディーンローブに装備されているバルムングの剣のみが、その魔力を断ち切ることができる。
[編集] ポラリスのヒルダ
主神オーディーンの地上代行者。
心清らかでアスガルドの民を含めたすべての者たちを愛する女性だったが、海皇ポセイドンによって黄金の指輪ニーベルンゲン・リングをはめられ、その魔力に魅入られて邪悪の女神と化す。アテナを抹殺し自らが地上を支配するため、アスガルドに伝わる伝説の神闘士を甦らせた。
青銅聖闘士の力と神闘士たちの犠牲によって復活したオーディーンローブのバルムングの剣によって指輪を破壊され、正気に戻った。しかし、ニーベルンゲン・リングに操られていた頃の記憶は残っており、心を痛めていた。
[編集] 神闘士
[編集] アルファ星ドゥベのジークフリート
他の神闘士たちを遥かに凌ぐ実力を備えた最強の神闘士。双頭竜ファフニールを模した神闘衣を纏う。ヒルダの近衛隊長であり、幼い頃から彼女に仕えていた。ヒルダの乱心に疑問を持ちながらも、命に代えても必ず守ると公言するほど絶対的な忠誠を誓う。
北欧神話における、北欧神話最大の勇者ジークフリートは、北欧の森に棲む怪龍を退治したことで計り知れない宝を手にし、さらに龍の返り血を全身に浴び不死身になったとされている。彼も北欧の英雄ジークフリートの宿命のとおり、不死身に等しい肉体を持つが、皮肉にも唯一の弱点(返り血を浴びたときに一枚の木の葉が体に貼り付き生身となった部分)も同じである。自身の最大の拳であるドラゴン・ブレーヴェスト・ブリザードは拳を繰り出す際、ほんの一瞬、時間にして僅か10万分の1秒に過ぎないが左腕が下がり心臓の位置が無防備となる。これは、紫龍の盧山昇龍破と同様の弱点であり(紫龍の場合は1000分の1秒、余談だが黄金聖闘士のシュラが紫龍のそれを突こうとして阻止されている)、そのことを悟った紫龍は自ら死中に飛び込んでいく。
星矢の諫言により、ヒルダの背後にポセイドンがいることを知り、ヒルダを元に戻すため、自身のオーディーンサファイアを星矢に託し、海魔女のソレントを道連れに天空へと消えた。後、ソレントの幻術からデッドエンドシンフォニーの連続攻撃で倒されていたことが判明した。
[編集] ベータ星メラクのハーゲン
8本脚の怪馬スレイプニルを模した神闘衣を纏う。極寒の地・アスガルドの神闘士に相応しい凍気の拳と、正反対の灼熱の拳を使い分ける。
ジークフリートと同様に幼い頃から近衛隊員としてヒルダとフレア姉妹に仕えており、その頃からフレアに想いを寄せ、フレアを守るために修行を積んできた。彼女を守る氷河に強い敵意を燃やし、自身の修行場だった活火山地下で対峙。シベリア育ちの氷河にとっては苦痛である灼熱拳で苦しめた。
[編集] ガンマ星フェクダのトール
- ガンマ星フェクダのトール
- 技:ミョルニル・ハンマーによる攻撃、タイタニック・ハーキュリーズ
- 声:屋良有作
神闘士の中で随一の巨漢で、その体躯の通り氷山をも砕く豪腕の持ち主。大蛇ヨルムンガンドを模した神闘衣を纏う。
元は狩人であり、狩猟禁止区域で獲った獲物を貧しい者たちに分け与えていた。アスガルドの身分制度に疑問を持ち、当初はヒルダの政策に対しても反抗的だったが、初めてヒルダと話した際に彼女の本当の優しさを知り、以後は彼女に対して忠誠を誓う。
神闘士最初の刺客として星矢と激突し、タイタニック・ハーキュリーズで追い詰める。星矢を通じてアテナの温かな小宇宙を感じ取ったことから、ヒルダが豹変してしまったことを直感するが、最期は、星矢がヒルダを元の優しい姿に戻すことを願って息を引き取った。
[編集] デルタ星メグレスのアルベリッヒ
「オーディンの栄光に奉仕する人々を代々束ねてきた家柄」の出身にして、ヒルダの近衛隊の一員。水晶に埋まる髑髏を模した神闘衣を纏う。
自他共に認めるアスガルド随一の頭脳の持ち主。その頭脳を利己的な目的のためにしか使わないためニーベルンゲンリングをはめられる前のヒルダには疎んじられ、ヒルダの叱責の意味も理解せずにいた。変貌したヒルダには神闘士に選ばれるなど、比較的厚遇された模様である。当初は伝令役を務めるなど、上司であるジークフリートやシドに忠実に働くが、内心では家格で劣るジークフリートを見下しており、屈指の名門の嫡子であるシドに対しても見下す心情を持つ。出陣する直前、その内心を明らかにする。ヒルダの変貌の理由を神闘士中唯一知っており、バルムングの剣を手に入れヒルダを抹殺して自らが世界を制する野心を抱く。妄想シーンでのコスチュームは「ヒルダをいじめるアルベリッヒ大王の服」として「聖闘士星矢アニメスペシャル3」に収録された。
魔鈴と星矢と氷河を罠にはめるなど、勝利のためには卑怯な手段も辞さない。が、単なる卑怯者ではなく、自らの身にあえて打撃を受けるなど覚悟の座った面も見せ、実力も相当である。最後は策に溺れて紫龍に倒されるが、その死はヒルダに嘆かれることはなかった。
彼の6代前の先祖、アルベリッヒ十三世は廬山五老峰を武者修行の旅で訪れ、天秤座の童虎と闘い惜しくも敗れた。童虎はアルベリッヒの技を見破る方法を紫龍に助言した。
[編集] イプシロン星アリオトのフェンリル
その名の通り、神殺しの魔狼フェンリルを模した神闘衣を纏う。ノーザン群狼拳を放つときにはゴーグルが目を覆う。
生家のフェンリル家はアスガルドでも有数の名家だったが、熊に襲われて一家が全滅したところを召使に見捨てられた。その際に狼に救われ、以後は狼の群れに育てられた。その経緯から人を信じず狼のみに心を開いており、群れの1匹であるギングが最大の友である。一方でヒルダを「人間を越えた神に等しい存在」として崇拝している。狼の中で生きていたため、狼の牙を模した独特の光速拳を得意とする。
氷の滝で紫龍と対決し、自分と対照的に人を信じる彼に対して憎悪の拳を向ける。死の瞬間まで友を信じる紫龍と死闘を演じ、最大の友ギングと共に氷雪の中に散った。
[編集] ゼータ星ミザールのシド
太陽を追う狼スコルを模した神闘衣を纏う。
アスガルド屈指の名門の出身。ヒルダの近衛隊員としてジークフリートと同じく彼女の側近を務めており、神闘士としての実力もジークフリートに次ぐ。神闘士の先鋒として聖域を急襲し、牡牛座のアルデバランを一撃で倒した(後に背後からバドが不意打ちを食らわせたことが判明)。
いち早くワルハラ宮に乗り込んできた瞬を凍気の拳で圧倒するが、ネビュラストームの前に敗北。しかし瀕死の身でなお、双子の兄バドと一輝との闘いで一輝を抑えて兄に勝機をもたらそうとするが、力及ばずバドの腕の中で力尽きた。
幼い頃生き別れとなった兄バドのことに心を痛めており、バドの登場前後では性格描写がまるで異なる。
[編集] ゼータ星アルコルのバド
二重星であるゼータ星の宿命を持つシドの双子の兄。月を追う狼ハティを模した神闘衣を纏う。実力はシドをも上回る。
アスガルドでは双子を家を滅ぼすものと忌む風習があるため、生まれて間もなく捨てられ、貧しい猟師の子として育てられた。後に偶然から自らの出生の秘密を知り、弟のシドを恨み続けてきた。なお、双子であること、そしてシドに影のように寄り添うその存在は神闘士すらも聞かされておらず、ヒルダが知るのみであった(シドも神闘士ゼータ星アルコルのバドの存在は聞かされていなかったが、シドは密かに気付いていた)。
伝説の神闘士の一員に選ばれたことを喜んだのも束の間、またも弟の影に過ぎないことに落胆。アテナ軍への宣戦布告に際しても、聖域でシドが牡牛座のアルデバランを倒した際に不意打ちをするなど、影に徹していた。ヒルダから、シドが落命した際には正式にゼータ星の神闘士を名乗れると聞かされていた。
シドとの死闘を終えた瞬を襲撃するが、途中現れた一輝と対峙。実は一輝とミーメとの闘いを陰で見て一輝の拳を見切っていたため、一輝を追いつめた。自身とは対照的に弟を愛する一輝との闘いの中で、鳳凰幻魔拳によりシドの自分への愛を知り、敗北を認め、弟の亡骸を抱きながらアスガルドの大地へ帰っていった。アスガルド編のラストで、最後は弟の後を追ったことを示唆する描写が為されている。
[編集] エータ星ベネトナーシュのミーメ
竪琴を模した神闘衣を纏う。
アスガルド最大の勇者と称えられたフォルケルの子であり、その拳は父をも凌ぐとも言われる。幼い頃からフォルケルの厳しい修行により、拳を学びその強さを身に付けてきた。しかし、ある日、実は隣国との戦いでフォルケルが殺害した戦士の子であることを知り、その憎しみから自らの拳でフォルケルを葬った。以後は愛や友情を軽蔑して生きてきた。
竪琴の弦を武器に使い、またその音色により幻覚を操ることができる。また双子座の黄金聖闘士サガにも匹敵するほどの光速拳の使い手でもある。神闘士の中でも屈指の実力者で、ジークフリート達からも一目置かれている。実際にアフロディーテやソレントを倒したネビュラストームを破るなど、終始瞬を圧倒していた。
一輝の幻魔拳によって彼が見たのは、ミーメの実の両親を手に掛けてしまった自責の念を背負うフォルケルの大きな愛と、義父を殺めた罪の重さに耐え切れず偽りの記憶で義父を憎もうとしていた自身の哀しい姿だった。最期は父の名を呼び、果てた。
[編集] 脚注
[編集] 参考資料
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漫画・小説 | 無印 - エピソードG - 冥王神話 - ギガントマキア |
テレビアニメ | 聖闘士星矢 |
OVA | 冥王ハーデス十二宮編 - 冥王ハーデス冥界編(前章/後章)- 冥王ハーデスエリシオン編 |
劇場版 | 邪神エリス - 神々の熱き戦い - 真紅の少年伝説 - 最終聖戦の戦士たち - 天界編 |
人物 | 星矢 - 紫龍 - 氷河 - 瞬 - 一輝 - 城戸沙織 青銅聖闘士 - 白銀聖闘士 - 黄金聖闘士 - 暗黒聖闘士 - 海闘士 - 冥闘士 - 神闘士 - その他 |
玩具 | 聖闘士聖衣大系 - 聖闘士聖衣神話 |