甲斐正明
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甲斐正明(かい まさあき)は、鬼才AV監督。甲斐正明事務所(現・ブリット)前代表。1971年生まれ、大阪府出身。
企画系AVでは常に上位の売上をキープし、2003年・2004年のAVレンタル回転率首位を独占。変則的野外羞恥モノの真骨頂。特に素人ナンパモノのシリーズは、他の追随を許さない女の子の質と量でカリスマ的な人気を誇る。また『顔は〇〇カラダは車中!!』シリーズは民放各社でパロディ化されたりと何かと話題になった。『AVアイドルを舞台に上げてヤジとイジメで犯しまくる』は業界の既成概念を破るべくアダルト業界のタブーを正面からとらえ中国を始めとするアジア各国でも密かな口コミを生んだ。
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[編集] 略歴
新聞配達員、大衆演劇女形、舞台演出家見習い、サーカス団員、武田信玄埋蔵金堀山師弟子、バー店長、映画助監督などを経てAV監督になる。監督デビュー作は「顔は渋谷カラダは車中!!」
2004年まではレンタル中心のホットエンターテイメントで活躍していたが、2005年1月には「高橋がなりに引導を渡した男」と銘打って、ソフト・オン・デマンドを通じセル業界へ参入。女優モノ、多人数モノ全盛にある現在のAV業界に、敢えて斬新な企画で挑む戦いを続けている。なお、ソフト・オン・デマンドを通じての作品の販売は2007年1月31日をもって終了した。 最近ではセル業界参入以来1年6ヶ月ぶりに封印していた待望の素人ナンパモノを2006年7月6日にリリースを再開し、熱狂的な素人マニアの話題を席巻している。
また本業であるAV監督に加え執筆業も多く、数多くの雑誌などで連載を抱えるマルチクリエーター。2006年9月11日に自らのナンパ体験を綴った『超プロが教える口説きのマニュアル~150の必勝ルール』が出版(フランス書院)される。
新宿駅東口に突如自らの名前だけの大看板を出したり(その後渋谷駅前に移転)、山形国際ドキュメンタリー映画祭に自らのAV作品(『AVアイドルを舞台に上げてヤジとイジメで犯しまくるⅡ』)を応募したり、街宣車を走らせるなど、従来のAV監督にはあまり見られなかった話題に事欠かない。
2005年末にはKMPより小沢菜穂、早坂ひとみ、秋元なつみを起用して自らの代表シリーズ『顔は東京カラダは車中!』をリリース、更にセル、レンタル含めAV女優のトップに君臨し続ける夏目ナナを起用した『顔は日本カラダは車中!!』が2006年7月20日にリリースされる。
2006年9月に甲斐正明事務所を脱退。現在はAV監督甲斐正明を封印し、企画・監修・プロデューサーとして活躍している。
[編集] 批評
音楽・映画・テレビ・演劇・出版などマスコミ業界にコネクションを形成しつつフィールドを縦横無尽に行き来する小回りの良さそうな反面、ニーチェやキルケゴールドに通じるニヒルで反社会的な顔が姿を現したような作品群を多く生み出している。
彼がほぼ毎日更新しているブログの内容はかなり不可解ではあるが、モンティ・パイソンを連想させるシュールさが窺える。 恐らく甲斐の過去の経歴上で培われた変人癖なのではないかと思われる。不確定な内容を整理せず企画を実行する行動力に興味をそそられる者、拒絶する者の二極化が顕著。
2ちゃんねるAV板で叩かれる監督としても有名。
TBSのラジオ番組でも作品についての是非が取り沙汰されたりもしている。ちなみに、2006年2月放送TBS『10カラット』の番組に企画協力でクレジットを連ねる。オリエンタルラジオが同番組内で甲斐の『顔は新宿カラダは車中!!』をパロったことでも有名。また『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』で松本人志が『AVアイドルを舞台に上げてヤジとイジメで犯しまくる』を絶賛。チュートリアルが民放深夜番組で『居酒屋で客にバレないようにSEX』を取り上げていた。あるいは、太田出版の雑誌で、大人計画の松尾スズキがリリー・フランキーとの対談で甲斐正明のことを度々話題にしていた。
フジテレビ『笑っていいとも』番組内でも笑福亭鶴瓶がタモリに『顔は新宿~』を話題にしていたが、古くはテレビ朝日『トゥナイト2』で『顔は渋谷カラダは車中!!』が大きく取り上げられていた。
テレビ業界で活躍する構成作家の間でも常に話題に上る存在。また、音楽業界の名立たるプロデューサーなどとも交流が深い。
[編集] 主な代表作
- 『顔は新宿 カラダは車中!!』(ホットエンターテイメント)
- 『ゲットした素人娘が素人娘をレズナンパ』(ホットエンターテイメント)
- 『AVアイドルを舞台に上げてヤジとイジメで犯しまくる』(甲斐正明事務所)
- 『居酒屋で客にバレないように強制SEX』(甲斐正明事務所)
その他に『顔面コキ』『台車移動式FUCK』『全力ファック』『前貼リズム』などの異質な作品群やシリーズ物として素人娘シリーズ、顔はシリーズ、女痴校生シリーズ、ショーウィンドーマネキンシリーズ、合コンシリーズ、バレずにシリーズとジャンルに 幅とスケール感のあるヒットシリーズを多数持ち合わせ、精力的に活動している。
[編集] 主な雑誌連載
- 『PENT-JAPAN Special』(ぶんか社)
- 『Chuスペシャル』(ワニマガジン社)
- 『DVD人妻DELUX』(MCプレス社)
- 『海賊NO1』(竹書房)
- 『東京スポーツ新聞』自作紹介
- 『Quick Japan』(太田出版)
[編集] 主な受賞歴
- 『AVフリーク』2006年:最優秀監督賞
- 『週刊プレイボーイ』2005年:AVアカデミー大賞監督賞
- 『週刊SPA!』2005年:H系イノベーション大賞企画大賞
- 『オレンジ通信』2004年:オレンジ通信監督賞
- 『ビデオボーイ』2004年:ビデオボーイ監督賞
- 『第4回SOD大賞』2005年:優秀新メーカー賞