特攻服
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特攻服(とっこうふく)とは、暴走族やヤンキー、右翼団体などが着用する服である。彼らのハレの日(特別な日)に着用されるほか、チーム自体のユニフォームと化している場合もある。
俗に『マトイ』(“身に纏う”から)、省略して『とっぷく』とも呼ばれる。
[編集] 概要
- 第二次世界大戦中に日本が行った「特攻」関係者が着ていた制服の類とは何ら関係なく(特攻隊員が着ていたのは飛行服である)、1970年代に流行した改造学生服から派生したものである。
- 異説として、大学紛争華やかなりし1960年代末に都内私立大学の民族派サークルが機動隊の出動服を模して製作・着用したというものがある。これらのサークルは民族派右翼政治団体の指導下にあり、当時の学生運動の主流であった左翼運動学生に対しテロ(左翼側から見れば反革命ゲバルト)をしばしば引き起こしていた。なおこの説をとる場合、特攻服の本来の色は機動隊出動服と同じ紺色である。
- 当初は、白や黒であったが、1990年代から赤や青などカラーバリエーションが増えた。外観も、長ラン(丈の異常に長い学生服 大学応援団において着用されている)然としたものがほとんどであったが、カラーバリエーションが増えると共にセパレート式の体型を細く見せる仕様も出現した。
- 暴走族風の当て字による文句、菊紋などの刺繍で袖や背中を飾り立てることが一般的だが、近年は安価で納期も短く複雑なデザインが可能なワッペン式のものが増えた。
[編集] 製造元
- 一般の学生服を作っている町中の小さな衣類メーカーが多い。2002年頃、広島市内では特攻服を着用する暴走族の勢力が拡大。手を焼いた広島県警察が、業者に製造・販売しないように呼びかけたこともあったが、製造元が大企業ではないこと、全国的に通販を展開している店も多いことなどから効果は薄かった。やはり岡山の「プロス」が非常に有名(本来は学生服のメーカーである)。
- 特攻服のデザインを行っているのは、着用している若者ではなくメーカーである。ただし上の異説に基づけば、そもそもは警察=国家権力がおおまかなデザインを決定したという図式も成立する。