片瀬 (藤沢市)
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片瀬(かたせ)は、神奈川県藤沢市南部にある大字または住居表示上の呼称。古くは鎌倉郡に属し、片瀬村と呼ばれた。 また、藤沢市の13ある行政地区のひとつで、住居表示の片瀬、片瀬海岸、片瀬山、片瀬目白山、江の島を含む地域を指すこともあり、この場合、「片瀬地区」と呼んでおり、片瀬市民センターが行政を分担している。 住居表示の片瀬は、東は片瀬山、片瀬目白山、西は片瀬海岸、鵠沼地区、南は海を隔てて江の島と接し、東端は鎌倉市腰越地区に接する。日蓮法難の地として知られる日蓮宗寂光山龍口寺をはじめ、龍口寺輪番片瀬八ヶ寺(本蓮寺・常立寺・東漸寺・勧行寺・本龍寺・妙典寺・本成寺・法源寺)のうち本蓮寺と常立寺が片瀬にある。残りの六寺は鎌倉市腰越にある。
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[編集] 歴史
古くは、方瀬、潟瀬、肩瀬、固瀬などとも書かれた。漁村および商港であったが、明治期から別荘地として知られるようになり、現在は観光地として有名である。
学制発布の2年後の1874年(明治7年)、片瀬八ヶ寺の一つである「大門」本蓮寺に小学校臨海学舎が設置され、これが後の藤沢市立片瀬小学校となる。1889年(明治22年)に片瀬村と江の島が合併し、いったん川口村と名称を改めた。
龍口寺門前の「かとや」(角屋)と「かしハや」(柏屋)などの旅館が古くからあり、片瀬海岸は1891年(明治24年)に学習院の遊泳演習地に指定されている。1933年(昭和8年)に町制施行し、再度名称を改めて片瀬町となった。
1908年(明治41年)に藤沢町が誕生したがこれに属さず、1947年(昭和22年)4月1日にようやく藤沢に編入され現在に至っている。
江ノ島電鉄江ノ島駅付近に1930年(昭和5年)に建築された片瀬郵便局庁舎があったが、文化財指定などはされず2006年(平成18年)に取り壊された。
[編集] 地理
隣接する地域に片瀬山(俗称)、片瀬目白山などの丘陵がある。相模湾に面し、周辺には片瀬漁港がある。 境川の西側に広がる西浜海岸は、住所区分としては片瀬ではなく片瀬海岸である。 町内は境川に接する平地で、多くの橋がある。かつては境川の氾濫に悩まされた。
南端の弁天橋(江ノ島と海岸を結ぶ橋、現在は神奈川県道305号江の島線に平行して走る歩行者・自転車専用道路)は台風や関東大震災などの災害によりたびたび流されている。
[編集] 祭
- 8月23日から27日まで片瀬諏訪神社例大祭。各町区内から5台の山車が繰り出す藤沢市随一の祭礼。
- 9月11日から13日まで龍口寺法難会式。片瀬の御会式と呼ばれ東都五大御会式(片瀬、池上、堀の内、雑司が谷、中山)の最初。9月12日夜に万灯練供養が行なわれる。相州最大の御会式である。