常立寺
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常立寺(じょうりゅうじ)は神奈川県藤沢市片瀬に建つ日蓮宗の寺。山号は龍口山。北条時宗の命により処刑された杜世忠ら元国使の塚がある事で知られる。また枝垂れ梅の名所としても知られ、梅がほころぶ初春には多くの観光客が訪れる。潮師法縁。
[編集] 歴史
常立寺はもともと龍口で処刑された罪人を弔うために建てられた真言宗の寺で、杜世忠ら処刑された元の国使ら5名もこの地に葬られ、五基の五輪塔が建てられた。
その後常立寺は享禄5年(1532年)に法華寺(現円融寺)7世日豪により日蓮宗へと改宗した。改宗後は周辺の日蓮宗の寺7ヶ寺と共に輪番で龍口寺の住職を務めていたが(片瀬八ヶ寺)、龍口寺に住職が置かれるようになった明治19年(1886年)以降は輪番制度はなくなり、本寺の運営に専念するようになった。
大正15年(1925年)9月7日、時の住職磯野本精により元使塚が建てられた。
平成17年(2005年)4月7日、朝青龍や白鵬らモンゴル出身の幕内・十両力士らが元使塚を参拝。モンゴルで青い布(青はモンゴルで英雄を意味する色)を五輪塔に巻き、元使を弔った。その後も毎年、藤沢で巡業の際にモンゴル出身力士による元使塚参拝が行われるようになり、五輪塔には常に青い布が巻かれるようになった。
平成19年(2007年)3月1日にはモンゴル国大統領、ナンバリーン・エンフバヤル夫妻が元使塚を参拝した。