熱海事件
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熱海事件(あたみじけん)とは、1932年10月30日に静岡県田方郡熱海町(現熱海市)で発生した日本共産党員一斉検挙事件。警視庁のスパイ『M』が手引きして全国会議を開かせ、弾圧を呼んだといわれている。以下の記述は、スパイの存在を否定している警察発表にもとづいたもので、個々の記述の真偽は保証できない。
目次 |
[編集] 警察による事件の概要
警察は赤色ギャング事件の取調べを進めていくうちに、1932年10月30日に熱海温泉で共産党の幹部が地方代表者会議を開催するという情報を入手し、一斉検挙をすることになった。
警視庁特別高等警察課は、前日から企業の慰安会を装って現場近くに集合した。ところが、内偵をしていた警察官から「会議を中止して解散する素振りがある」との報告を聞き、急遽当日未明に急襲することになった。
10月30日午前4時50分、警察は党員が宿泊している宿舎を包囲し、一斉に踏み込んだ。共産党側は拳銃を発砲し、警察官に重軽傷を負わせるなど頑強に抵抗したが、何とか全員逮捕した。
彼らの供述によると、丸ビルの某会社の慰安会という触れ込みで予約したが、人の集まりが悪かったため、旅館側がその会社に問い合わせをしてしまった。このままでは警察にばれるということで急遽中止し解散しようとする矢先に警察に踏み込まれたしまったという。
[編集] 参考文献
- 『警視庁史(第3)』(警視庁史編さん委員会編 1962年)
[編集] スパイ『M』
スパイ『M』の正体は、共産党幹部の一人で、本事件で唯一逮捕を免れた、飯塚盈延であるといわれている(『M』は飯塚が使用していた「松村」という偽名の頭文字とされている)。
[編集] 関連項目
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歴史 |
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