源在子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
源在子（みなもとのざいし／ありこ、承安元年（1171年） - 正嘉元年7月5日（1257年8月15日））は平安時代末期から鎌倉時代にかけての女院で、第82代後鳥羽天皇の後宮。第83代土御門天皇の生母、女院。院号を承明門院と称した。実父は法勝寺執行能円（藤原顕憲の息子）。母は刑部卿三位・藤原範子（後鳥羽天皇乳母）。本姓は藤原氏だが、母の再婚相手である源通親の養女となり、源氏を名乗る。
最初は「宰相君（宰相）」という女官として後鳥羽天皇に召され、建久6年（1196年）第一皇子為仁親王（後の土御門天皇）を産んだ。同9年（1198年）に為仁親王が即位すると国母となり、正治元年（1199年）従三位・准三宮宣下を受ける。建仁2年（1202年）正月院号宣下を受けて承明門院と号した。建暦元年（1211年）落飾し、法名を真如妙（観）と称した。
承久3年（1221年）、承久の乱によりわが子土御門上皇が土佐国へ配流の後は悲嘆のうちに仏道への帰依を深め、また一方で孫の邦仁親王（後の後嵯峨天皇）の養育にあたった。しかし仁治3年（1242年）四条天皇の急死で後高倉院の皇統が絶えて邦仁親王が即位、在子もその養母格となった。その後は天皇の養母・祖母として安穏な晩年を送り、正嘉元年（1257年）7月5日に87歳の長寿を全うした。
一方で、養父・通親と密通して、宮中を追われた、という説もある
