洞爺湖
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洞爺湖 | |
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所在地 | 北海道(胆振支庁) |
面積 | 70.7 km² |
周囲長 | 50 km |
最大水深 | 180.0 m |
平均水深 | 117.0 m |
貯水量 | 8.19 km³ |
水面の標高 | 84 m |
成因 | カルデラ湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
湖沼型 | 貧栄養湖 |
透明度 | 10.0 m |
洞爺湖(とうやこ)は、北海道虻田郡洞爺湖町と有珠郡壮瞥町にまたがる湖。支笏洞爺国立公園に含まれる。2008年の主要国首脳会議(サミット)開催地である。日本百景。
目次 |
[編集] 地理
北海道南西部に位置する。洞爺カルデラ内にできた湖で、面積は日本で9番目、カルデラ湖としては屈斜路湖、支笏湖に次いで3番目の大きさ。
東西約11km、南北約9kmのほぼ円形の湖で、中央に浮かぶ中島(面積4.85km²)の最高点(標高455m)を中心として東北東~南東~南南西にかけての領域が壮瞥町、他は洞爺湖町の区域となっている。
アイヌの人々は洞爺湖のことを「キムン・トー」(山の湖)と呼んでいたが、湖の岸を意味する言葉「トー・ヤ」が和人により湖名とされた。
時折「どうやこ」と呼ばれることがあるが、これは誤りである。誤って記憶している北海道民やアナウンサーも多い。なお、公的機関や著名な企業の名称の「洞爺」はすべて「とうや」と読まれる。
- 島:中島、観音島、弁天島、饅頭島
- 流入河川:ソウベツ川、大川など
- 流出河川:壮瞥川
[編集] 歴史
洞爺カルデラは約10万年前の最終間氷期に数回の噴火を経て形成された。最後の大規模な噴火による降下火山灰は北海道から東北にかけての広い範囲の地層に見られる。カルデラ壁周辺には火砕流堆積物による台地も形成されている。戦前より昭和30年代まで操業した幌別硫黄鉱山からそのまま垂れ流しにされた鉱山廃水により、昭和30年代には湖水がPH2ほどの強酸性に汚染され多くの生物が死滅した。ところが昭和52年に有珠山が大噴火、大量の火山灰が洞爺湖へ降り注ぐとアルカリ性の火山灰によって酸性の湖水が中和され、結果として酸性が緩和される形となった。
元々は貧栄養湖で透明度は高かったが、閉山した鉱山廃水の他にも南岸の洞爺湖温泉街をはじめとして排水の流入が増えていたため、透明度の低下が著しい。
[編集] 利用
南岸に洞爺湖温泉、有珠山・昭和新山があり、北海道有数の観光地帯となっている。
[編集] サミット
日本で2008年に開催される第34回主要国首脳会議(サミット)のそのほかの候補地として、当初
- 京都・大阪・兵庫三府県
- 横浜・新潟両市
- 岡山・香川両県(瀬戸内地域)
が名乗りを上げており、洞爺湖はこれらより遅れていたが、最終的には、安倍晋三首相(当時)は、警備の面で交通や地形などきわめて有利な条件であることなどから、洞爺湖を首脳会議開催地として、また京都では外相会議、大阪では財相会議を開くことを、2007年4月23日正式に閣議決定した(なおメイン会場のザ・ウインザーホテル洞爺を運営するザ・ウインザーホテルズインターナショナルは、事実上このホテルのみ運営しているが、大手民間警備会社のセコムの関連会社でもある)。
「北海道洞爺湖サミット」は、2008年7月7日(月)から9日(水)までの3日間の日程で、北海道洞爺湖町において開催され、洞爺湖畔山上の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」で、主要8カ国の首脳がつどい、地球温暖化対策をはじめとする国際社会の諸課題が話し合われる。
これにより日本でのサミット開催は九州・沖縄サミットに続き、大都市ではなく再び地方での開催となった。